0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 189

「おい、ラウム、何をしている!
 さっさと奴等を殺ってしまえ!
 手加減するなと言ったはずだぞ・・・!」


「そうですね・・・・
 いつまでこうしていても、心は鈍るばかり・・・・・・」


ラウは小さく息を吐き、独り言の様に呟くと
握っていた剣をカチャリと眼前に捧げ上げた

対峙(たいじ)する近衛隊が
一斉に剣を握り直し、緊張の顔で身構える

ラウの剣の腕は
近衛隊長ヴィルの大剣をはじき飛ばした事だけでも相当だと判っている
まして、罠があるというなら油断はできない





誰の言葉も無い静寂の中


近衛隊が一歩、また一歩と慎重に間合いを詰めた刹那
一瞬の月灯りを受けてラウの剣が翻った

そして・・・・

短く苦悶の声を発し体を屈った(おった)のは
ラウと体を密着させていたガルシアだった



   

「陛下?」
「陛下っー!」

側近達が口々に叫び、一斉に走り寄ろうとするのを
無言のままのラウの冷たい目が睨み、制止させる






「ングッ・・!!  ・・・・お・・・・・おまえ・・・・・・・」

ガルシアが苦しそうに呻き
両手で押さえた腹には、深々とラウの握る剣が刺さっていた





「・・・・   何・・・・・・・・・  を・・・・・・」

ズルズルと倒れ込みそうになるガルシアを
ラウは左腕で抱いたまましっかりと支え上げると
そのまま ズズッ・・・! と一気に剣を引き抜いた



「・・・・ンッっ・・・!!!!」

ガルシアの叫びと同時に、腹から血が吹き出し
見る見るうちに 石の地面に溜まって行く






「手加減無しに・・・・ と言われたのは貴方ですよ」

その冷然たる声に、ガルシアの目がラウを凝視する





「・・・・裏切っ・・・ たのか・・・ ラウム・・・・・
 ・・・・・・・・ ワシを・・・・  どうして・・・・・・・」


「己以外信じるなと言われたのも、貴方です」


「・・・グッ・・」


内腑から込み上げた血を、口から一気に吐き出すと
ガルシアはもう一度ラウを睨み付けた

が、体に力は入らず
地面に膝を付きそうになるのをラウが再び抱き寄せる






「まだ逝くのは早い・・・・・
 ・・・・母に謝ってからにして頂きたい」


出血が増えすぎない様、
ラウはガルシアに回した腕で、容赦なく腹の傷口を押さえ付けると
痛みでガルシアが呻く




「母・・・・?」

目の前で繰り広げられる光景が信じられず
誰一人 声さえ出せなかった中で、ようやくナギが呟いた


そう言われたガルシア自身さえも 小刻みに首を振り
意味が判らぬという仕草を見せていた





「まだ判りませんか・・・・?
 どこまで愚かな人なのか・・・
 私の本当の名は、シヴァ・アシュリー・・・・」


「アシュリー・・・」  シュリがポツリと呟く


「母は貴方が迎えた最初の妻・・・・ 黒髪の王妃を覚えてはいませんか?
 私は貴方とその母との間に出来た子」


「そんな・・・・・・・
 あの時の子は・・・・ 死んだはずだ・・・・・
 生まれてすぐに死んだと・・・・ そう聞いて・・・・」


「ええ、貴方への報告はそうらしいですね
 でもそれは・・・・
 貴方が ”男子さえ生まれれば妃は用無し、葬ればよい” と
 医師に命じていたから・・・・
 その医師は迷った挙句、
 私も母も死んだと・・・・ そう報告して逃がしてくれたのですよ
 どうして貴方がそこまで女性を忌み嫌うのか判りませんでしたが・・・
 先のナギ殿下の・・・ 貴方の生まれに纏わる話・・・
 あれが当たっているのでしょうね」


「まさ・・・・ か・・・・・  あの時の子が・・・・・・お前・・・・・」


「ええ、そのまさかです
 この痣に見覚えは・・・?」



ラウは剣を握ったままの右手で自分の上着を緩め
左上腕にある痣を覗かせた

だが、ガルシアにはその意図が理解できず小さく首を振る





「でしょうね・・・・
 27年前・・・ 
 もし貴方が、少しでも父親らしく 産まれた我が子を
 一度でもその腕に抱こうと思っていたら・・・・
 あ・・・ いや・・・ 貴方にそこまで求めるのは無理ですか・・・
 ・・・・ 産まれた子を 一目だけでも、見ようという情があったなら
 その子に この特徴的な痣があったのは、すぐに判ったはず

 だが、貴方は10歳の私の体を見た時も、何も言いはしなかった
 あれから何十回・・・・ 何百回と私を抱きながら、貴方は気付かなかった

 当たり前です・・・
 貴方は生まれた私を見た事さえない
 母と私の葬儀の日、棺が空だった事さえ知らないのですから・・・」





ガルシアの口から 再び血が溢れ出る





「大丈夫ですか?父上
 まだ話は終わっていないですよ」






華燭の城 - 190 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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