0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 184

ガルシアの怒声に男は 「えっ・・・」 と小さく声を上げ振り返った


ナギとガルシアを交互に見る

だが、返されたのは 二人共に同じ視線・・・
蔑む(さげすむ)様な、氷の様に冷やかな視線
そこには赦し(ゆるし)の色も、救いの色も無い



「えっ・・・・・  殿下が?  ・・・私を騙した?
 ・・・・・ そんな・・・・  ウソだ・・・
 ・・・ええっ・・・・・・ ガルシア・・・ 陛・・・・ 下・・・・・・・?」

 

男の思考が停止する
一歩前へ踏み出してしまった事への強烈な後悔が男を襲う
そのまま 頭を抱え、悲鳴に似た声を短く発すると、ズルズルと後退り、
逃げ去ろうと墓地を出た所で、ナギの近衛隊に取り囲まれた



「ヒィィィーーー!! イヤダァァーーーーーーー・・・・!」

「馬鹿が・・・!」


断末魔の様な叫びを残して、男が引き立てられて行くと、
ガルシアは小さく吐き捨てた



だが、すぐにナギに向き直り
「まぁいい・・・ それで?」 と、薄笑さえ浮かべたのだ

そのひどく余裕のある声に、ナギの方が眉根をひそめた
そして 自分のすぐ横にいるジル・・・・


ジルの、強く握り締めた骨張った細い拳は既に白くなり
その目は周りの物など何一つ眼中に無く
ただ真っ直ぐに 捕らえられているシュリだけを見つめている


ナギはその手に触れ、無言のままジルにも墓地の外へ出る様に促した
が、ジルは首を振り、頑として シュリの居る墓地から出ようとはしなかった




神国に何が起こったのか
シュリが自分に助けを求めない理由は何なのか・・・・
それを知るために あの男を尋問しながら軍を進め
神国を訪ねて謎が解けた

その時、最初にここまで同行すると言ったのはシュリの父である現国王だった
だがそれは余りにも危険が大き過ぎる

現王にまで何かあっては、取り返しが付かないと
皆で なんとか思い留まらせた時、自分が行くと声を上げたのがこのジルだった

この老体ならば、万が一 命を失っても惜しくはない、
どうしてもシュリ様の元へ行きたいと願い出たのだ



あの時の、強い意志を持ったジルの目を思い出し
ナギはそれ以上何も言えなくなっていた



自分でさえ、真実を知った時には 
口惜しさと悲しみと・・・・耐え難い思いがあったのに
これから目の前で起きるであろう事を、この老人の精神は耐えられるのか・・・・
シュリを大事に思っている気持ちが判るからこそ、ナギは余計に心が痛んだ




だが、ナギは顔を上げた




「お前の出生について調べた
 そして7人もの王妃殺し・・・・
 ・・・それだけではない
 四代目の王だったお前の父と、その後を継いだ4人の兄達までも
 次々と殺ったのはお前だろう・・・・?」


ナギの声に側近達がざわめく




「お前の父親は確かにこの国の四代目王だ
 だが母親は正式な妃ではない
 街の娼婦・・・・ それがお前を産んだ母親・・・
 もう50年以上も昔の事だ
 その頃の話を知っている者を探すのは大変だったが、
 ようやく当時の事を覚えている婆さんを見つけたよ
 ある女が 王の子を宿したと、ふれ歩いていた・・・とな・・・
 こう言っては何だが・・・・ なかなかの男グセだったそうで・・・・
 お前の女嫌いは この辺りが原因か?」



ガルシアの眉がピクリと動いたのは
無意識の反射だったのか・・・



「それにだ・・・ 
 四代目が崩御(ほうぎょ)し、跡を継いだ正妃の子である兄達が
 たった2年で4人、次々に逝くというのはどう考えてもおかしくないか?
 まぁ、そのお陰でお前は それまでの日陰暮らしから
 アシュリー家の最後の血を引く者として、一躍日を浴び 王になれた訳だ
 ついでに言えば・・・・
 その時、お前が王座に就く事を認めようとしなかった者・・・・役人、貴族・・
 どういう訳か、みんなもう墓の中だ」



「これはこれは・・・ まだお伽話の続きですか?
 確かに 我が父も兄達も、そして妃達までも・・・・ワシ一人を残し、皆病死した
 が、あれは確か・・・ 繰り返しこの国を襲った流行病のせいだったかな?
 それが、どれほど悲しかったことか・・・・・・・・・・・」



ガルシアは大袈裟な身振りで話していたが
堪(こら)えていた笑みが押さえきれなくなったのか 
とうとう クック・・・ と失笑し始め、遂には腹の底から笑い始めていた






「もしそれが事実だったとして、それがどうした?
 先代も兄も妃も、ワシが殺ったという証拠はどこにある!
 その骸(むくろ)さえない今、どうやって調べるのだ?」


「そうだな、
 その証拠が欲しくて、我々も必死に探した
 街にあると言われていた妃達の墓・・・・
 だが、いくら調べても、そんな物はどこにも存在しない
 そんな時に、この城の噂を聞いたよ
 妃達の遺体は 一旦、門を出た後、また秘密裏にこの城へ戻され
 この崖から その底無しの湖に投げ捨てられていると・・・
 葬儀の日、遺体を城から運び出すのは
 いつも決められた者の仕事だったらしいからな・・・・
 その先を見た者は誰もいない
 この湖は深すぎて死体さえ上がらないと言われているそうだし・・・・
 ・・・・・それが真実だろうな
 きっと、墓の下で眠っているはずの先代王達の遺体さえも、
 証拠隠滅の為に最初から在りはしないのだろう?
 可愛そうに・・・」



ナギが悔しそうに唇を嚙む
 


「それでも・・・・
 初めから殺害が目的の・・・ 要りもしない妃を次々と娶った(めとった)のは、
 その妃の実家となる国を自分の物とするのが目的か・・・・?
 お前が戦わずして手に入れた7つの国は
 どれも戦の拠点と成り得る大国ばかりだ」



「確かに死んだ妃達の国は、ワシが引き受けている
 だが短期間であっても正式に婚姻した我が妃の国だ
 そうする事が、残されたワシの義務だと思うが?
 それに この湖にそんな噂があるとは、初耳だ
 知らなかったな」



ガルシアは不敵に笑う



「病死した先代王達と妃達
 その志を引き受け、ワシは1人でこの国を守ってきたのだ
 それのどこが罪なのだ?
 それにだ・・・・ 
 ワシが神国を攻めたからと言って何が悪い!?
 神国は この帝国とは同盟も結んでいないただの小国
 そんな国への1対1の正式な戦で、ワシは堂々と勝利したのだ
 
 ・・・・なのに 殿下は何を怒っておいでなのか?
 
 この戦の世に 国が国を攻め落とし領土を広げ、
 その国の皇子を人質として連れ帰ったとしても・・・・
 さて、何が悪いのか・・・ 責められる理由が全くわからん」



「1対1の正式な・・・ だと・・・・!
 あれは、卑怯な不意打ち!
 しかも神儀の日になど・・・!!
 各国からの客人さえ人質にした、卑劣極まりない行為だ!
 そもそも神国は・・・・」




怒りで叫び続けようとするジルを ナギが左手で静かに制した


「・・・そう、だったな・・・・」

俯き、呟く様なその声は 今までとは明らかに違っていた
力無い悔しさに包まれた声だった



「我が帝国は、帝国内における・・・・
 いわば、身内同士の戦いを禁止してはいるが
 それ以外ならば、各国の自主性に任せていたのだった・・・・
 お前が神国を攻めても、何も問題はない・・・・
 その国の皇子 シュリを脅し、連れ帰っても・・・・
 その後に何をしたとしても・・・ 一向に構わん・・・
 誰も咎める事は出来ない・・・」



「そ・・・そんな!! ・・・殿下っ!!!」

思わずジルが叫んだ






華燭の城 - 185 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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