0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 152

上着を脱ぎ、隠す物を失った右手
包帯の巻かれたシュリの痛々しい右手が見えていた


咄嗟に腕を引き、背中の後ろに回す

だがロジャーは、心配そうに、ただ真っ直ぐにずっとシュリを見つめ
目を離そうとはしない




「・・・・ロジャー・・・
 ・・・もし・・・・・
  もし・・・ 私が悪魔に堕ちていたら・・・ どうする?」


その純粋な瞳の重圧に耐え切れなくなり俯いたシュリの口から
そんな言葉がこぼれていた





「えっ・・・・?」

驚き、一瞬怯えた表情を見せたロジャーの肩がピクンと震えた


シュリは、そのまま肩に置いた手を振り解かれ、
ロジャーが走り去ってしまう事さえ覚悟した

それでも仕方がないと思った
いや、出来る事なら そうして欲しいとさえ願っていた


だが、意に反しロジャーの手は ぎゅっと強くシュリの左手に重なり
握り締めたのだった




「・・・ロ・・・ジャー・・・?」

「シュリ様ー??
 何かイケナイ事したでしょー?
 で、ラウに怒られた?」

シュリの顔を覗き込む様にして、ロジャーはふふふ。と微笑む





「ラウって普段は優しいけど、たまーに怖い顔するんだよねー・・・
 つまみ食いしたら、なんかいつもバレてるしー・・・
 なんで判るんだろー・・・
 ・・・・でも大丈夫!
 どんなに悪い事しても、それを反省しー
 えっと、何だっけ・・・ 神父様がお話してくれたんだけどなぁ・・・・」


「・・・・神父様・・・?」


「うん、あのねー・・・
 お城に来る前ー・・・ 父さんと母さんが事故で死んだ後だけど
 僕、食べる物が無くて・・・
 いけないって思ったけど、市場でパンを盗んだんだ」



小さき者の その急な告白に
シュリは驚いた様に顔を上げたが、何も言葉を返す事はできなかった




「だけど、見つかってー
 追いかけられて、いっぱい走って逃げて
 何度も転んでー・・・・ それでやっと教会に逃げ込んだの
 それで、椅子の陰に隠れてそのパンを食べてたら
 神父様に見つかって・・・・・ 
 怒られる!って思ったんだけどね
 神父様はにっこり笑って、美味しいか? って聞かれたんだ」


「うん・・・・」


「・・・美味しくなかった
 転んだから潰れてたし砂もついてたし・・・
 パンの味なんて全然しないのに、なんかめちゃくちゃしょっぱくて・・・

 ・・・そう言ったらね・・・
 神父様が、そう思えるなら大丈夫だって
 それが悪い事だって判ってるなら大丈夫って抱き締めてくれた・・・
 それからね、いっぱいお話を聞いたんだ ・・・いっぱいね!
 全部は覚えてないけど・・・」


「うん・・・・・」



見詰めるシュリの目を真っ直ぐに見て
ロジャーは話し続けた



「それでね、僕、神父様に聞いたんだ
 僕は人のパンを盗る様な悪い事をしちゃったから
 もう 神様は僕の事 嫌いになった?って・・・
 こんな悪い僕は、死んだらきっと地獄に行くから、
 天国に居る父さんや母さんにも、もう会えないの?って・・・
 だけど・・・・・ んー・・・
 難しい話はよくわからないけどー」



ロジャーは少し首を傾げ、頭の中の記憶を必死に思い出し
言葉を整理し紡ごうとする



「とりあえずね・・・・・・!
 生きてる人間は、間違いをいっぱいするんだけどー
 神様はそれ ぜーーーんぶ!に、赦しを与えてくださるの!
 それが神様なんだよ!」


「・・・・・・・・」


「だから、悪い事したからって、
 悪魔になっちゃう訳じゃなくてー・・・
 自分から悪魔になりたい!って思わなかったら大丈夫なんだよ?
 
 悪魔を信仰するのには、めちゃくちゃ悪い心が要るんだって!
 パンを盗んでも平気だったり、
 人を殺したり・・・・ 
 ううん・・・・ それだけじゃ まだまだ足りないぐらいの
 想像も出来ないぐらい すっごい!すっごい!!・・・
 すっっっごぉぉーーーい!!酷い事をしたい!って思う人だけが
 悪魔になるんだって!
 神様なんて大嫌いーーーって言っちゃうぐらいの凄い事!
 
 だから、ちょっとぐらいラウに怒られても大丈夫!
 シュリ様は悪魔になりたいの?
 悪魔になりたいなんて、シュリ様は思ってないでしょ?」
 




心臓が震えた
唇も震え、声さえまともに出ない


「・・・思って・・・・ない・・・」



やっとの思いで 今にも溢れそうになる涙を堪え、
シュリは俯き、そう答えるのが精一杯だった




「うん!・・・じゃあ大丈夫!」

そう言って、ロジャーは目の前で片膝を付くシュリの身体を、
頭を包み込む様にしてぎゅっと両腕で抱き締めた

そして小さく 
”今ーなんじの罪は消えー なんじは赦された・・・・
 そしてまたここに、新しく神の子がうまれ、、、たまー・・・たもうたー”
 と神父の口真似をしてみせた




「・・・ふふ。 神父様の真似!
 最後がよくわからないけどー・・・ これであってる?
 こうやって、ぎゅってされたら あったかくて安心するでしょ?
 僕もこうやって してもらったからわかるんだ
 ・・・・あ!最後はこうだよ!

 ・・・・・ ”この清き子に再び神の祝福をーーー”」



そう言うとシュリを抱き締めたまま
何度も よしよし・・・・ と呟きながらそっと頭を撫でた




「・・・ありがとう・・・ ロジャー・・・」

シュリもロジャーを抱き締めていた


「もう、シュリ様ー、子供みたい」

そう言ってロジャーは笑いながら 心なしか胸を張り、
父親の気分にでもなった様に、いつまでもシュリの頭を撫で続けていた






華燭の城 - 153 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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