0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 142

「・・・・ シュリ!!
 ・・・・まさか、これ・・・  あの馬駆けで俺を助けた時にか・・・!!?」


「いえ・・・違います・・・・
 ちょっとぶつけただけですから・・・・」



シュリは自分の手を ナギの手の中からそっと引き抜き
周囲からも見えないように、素早く自分の上着の中へと差し入れた

ガルシアが もうすぐそこまで来ていた




「でも・・・ それ、熱もあるぞ・・・!
 ただ、ぶつけただけじゃそんなに・・・・!
 ・・・・!  
 ・・・・ だからあの騒ぎの時も 左手だけで剣を・・!?
 ・・・・なぁ!・・・おい!・・・・シュ・・・!」


必死に問い掛け続けるナギの声を制する様に
シュリはスッと頭を下げた



「・・・殿下・・!
 ・・・・私からの最後の願いです!
 このまま何も言わず、すぐに国へお帰りください・・・!」

それはひどく辛そうで、懇願にさえ聞こえる声だった



「・・・・ っ・・・
 ・・・シュリ・・・・・」

ナギの表情が戸惑いを見せる
だがそれは、ほんの一瞬の事だった




「・・・・・
 ・・・ ああ・・・・  わかった・・・ 帰るよ・・・
 だが忘れるな、何があっても、お前は俺の命の恩人だからな・・・?」


それだけ言うとナギは シートに体を預け
運転手に 「出してくれ」 と声を掛けた


石畳の上をゆっくりと走り出し、遠ざかって行く車の音を聞きながら
シュリは頭を上げることができなかった


 








「ナギ・・・ ・・・・本当にいいのか? このまま帰って・・・・
 ・・・ あの手は、ただぶつけただけじゃない・・・
 たぶん折れてる・・・ いや・・・
 ・・・・あの腫れは、砕けてる・・・ しかも相当酷い・・・」


隣に座るヴィルが 運転手にも聞こえない程の小さな声で囁いた


今まで近衛隊隊長として多くの戦さを経験してきたヴィルだ
その数に比例するだけ、負傷兵も見て来ている

一目見れば、どの程度の怪我なのかは判るし、
それが判らない様では隊長職などやってはいけるものではない



”すぐに引き返す”  ヴィルはその言葉を期待していた
だが、ナギは黙ったままだ

その間にも、ミラーに映るシュリの姿は 見る見るうちに小さくなっていく



「・・・おい・・・・ ナギ・・・・
 ・・・・いいのか? あれは普通じゃないぞ・・・!」

ヴィルは焦れ、主の答えを待ちきれなくなり、思わず腰を浮かせた



「振り返るな、ヴィル」

それをナギの声が止めた


ちょうど車列がガルシアの横を通り過ぎようとしていた



ガルシアは口の片端を僅かに上げ、車内のナギに小さく頭を下げる
それに応える様に、ナギも形ばかりの会釈を返した


その無言の、一瞬のやり取りに
ヴィルは 目には見えない殺気に似た何か・・・・
只ならぬ張り詰めた空気を感じ取っていた





「まさか・・・・ガルシア・・・・・・・・なのか・・・?」

ヴィルが唇をほとんど動かさないまま、ナギに呟いた




「このまま、真っ直ぐ国へ帰る」

「でも・・・・」

「シュリがあれ程、頑なに(かたくなに)帰れと言うんだ
 ・・・何かある」

「何かって・・・・それ・・・・ まさか・・・
 お前の・・・帝国皇太子の身に何か起こるかもしれないって警告か?」

「あのガルシアなら・・・・無いとは言えないだろうな・・・」

「馬鹿な!いくら何でも、ここは我が国の支配下だぞ
 その国の王がお前に手を・・・・」


そこまで言いかけて、ヴィルもゴクリと言葉を呑み込んだ
前を見据えたままのナギの、何時になく険しい表情が
それも事実だと語っていたのだ





「・・・・で・・・ 探しモノは見つかったのか?」

驚きと怒りで言葉を失ったヴィルをなだめる様に、ナギが顔を向けた


「あ・・・ああ・・・ 一応な・・・
 だが素人ではよく判らないんで・・・・ 手あたり次第って感じだが・・・」


ヴィルが自分の上着のポケットから ジャラとなにかを取り出した
手の上に広げて見せたそれは、いくつもの小さなガラスの容器だった




「それでいい、とりあえず国へ帰って、後はそれからだ」

「わかった・・・
 ・・・・・ ああ・・・ あとな・・・・・ 実はさっき・・・・」

ナギに何事か、小さく耳打ちをする




「・・・それは本当か? 見間違いではないのか?」

「お前を守る近衛隊長としての俺の記憶力は、確かだ」






華燭の城 - 143 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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