0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 138

”もう少し頑張ってください・・・”

そう言ってシュリを部屋に連れ帰ったものの
ラウには処置する手立てが何も無い


大粒の汗をかき、肩で息をしながら苦しむシュリの横で
ラウは自室から運んだ医学書のページを必死に捲っていた


探していたのは、傷の縫合の仕方・・・
その為に必要な器具と後の処置・・・・




それらを一通り頭に叩き込んで、ラウは暖炉に薪を足すと
城内にある薬品庫へと向かった

その手には、以前ガルシアから受け取った倉庫の鍵が
しっかりと握られている





シュリを医師に託すことができないのなら
自分でやるしかない・・・・

ラウはそう覚悟を決めていた




薬品庫には 薬草、薬と一緒に医療用の器具もあるはずだ
以前、城の医師達が それらを持って出て行くのを見た事がある
それを使うつもりだった

だが、いくら薬師といえども、
医者ではない自分が、医療用の器具まで持ち出すのは おかしな話だ
見つかれば怪しまれる・・・



かといって、倉庫番に事情を説明する訳にも行かず、
それならばと、ガルシアに正式な使用許可を求めたところで
また交換条件だのと言い出すことは目に見えていた








足音を忍ばせ、そっと、周囲を伺う様に深夜の薬品庫に忍び寄り
持っていた鍵を大きな錠前に差し込み、ゆっくりと回す

ガチャリ・・・ と低い音を響かせ開いた部屋に倉庫番の姿はない


ホッとしながら小さく息を吐く
そもそもこんな時間なのだ、居なくて当たり前かもしれない・・・

ラウは自分の臆病さに自嘲しながら、目的の物を物色し始めた





誰もいない、深夜の薬品庫

中央の机に大きな金属の箱を置き
そこへ次々と目当ての物を入れていく

医学書にあった縫合用の糸・針、それらを扱う為の器具
消毒液、ガーゼ、包帯、追加の薬を調合するための薬剤、薬草等・・・


持ち出した物は報告しろ。
そう言っていたガルシアの顔が一瞬 脳裏を掠めるが
シュリの事を他に漏らす訳にはいかないのだ

この期に及んで・・・・と 頭を振ってその顔を消し払い
今、考えつくあらゆる物を揃えてラウは倉庫を後にした




こうしている間にもシュリが苦しんでいる・・

・・・もしや、もう・・・・
そんな考えがラウの不自由な足を急がせた








部屋に戻った時、シュリはまだ意識もはっきりとしないまま
蒼白の身体をベッドに横たえていた


その呼吸を確かめ安堵すると、
ラウは部屋にある全ての明かりを集め、傷口を照らす様に並べる

傷を押さえていた血に染まる布も全て取り去った





そしてラウは シュリの耳元に顔を寄せた


「シュリ・・・・ これから傷口を縫合をします
 麻酔の薬草はありますが、この傷に効果があるのか・・・・ 
 正直、私にはわかりません・・・
 お体に・・・・ 針を刺します
 ・・・・この部屋の声は・・・あの部屋とは違い、外に漏れますから
 舌を噛まれない様に、少しだけ我慢してください・・・」


その声に返事をする者はいない
苦し気に、かろうじて浅い息をするシュリが 頷いたのかさえ判らない


それでもラウはシュリの口を開かせ、
そこへ 持ってきた清潔な布を咥えさせると
暴れない様にシュリの腕にも布を巻き、ベッドの脚へと縛り付けた



そして自分も上着を脱ぎシャツの袖を捲り、
持ち帰った本のページを、側に開き並べる

入念に手と器具を消毒し、改めてシュリを見た





灯りで照らされ、全裸で横たわるシュリの身体
今までつけられてきた無数の傷跡

その胸の中央で・・・・斬られ灼かれた あの悪魔の印が
未だにトロトロと血を吐きながら、嗤う(わらう)様にハッキリとそこにあった



目を閉じ、一度大きく深呼吸をする

そして 医学書の図解、その見様見真似で
シュリの胸の傷口に 震える手でプツ。と針を刺した



「・・んンッ・・・・・・!」


シュリの体がビクンと跳ね
思わず手に持ったハサミ様の・・・ 針を挟む道具を落としそうになる


だが縛られているシュリの体は それ以上動く事は無く
その声も、くぐもった呻きにしかならなかった



ラウは噛み締めた唇の端から 細く息を吐くと
ゆっくりとシュリの体に刺した針を引き上げる

人間の体内を貫通していく糸の、ズルズルという不快な感覚を手に感じながら、
自身を落ち着かせる様にしてもう一度、目を閉じた


そして再び深呼吸をし、
意を決した様に シュリの体に針を刺す




「・・ンッッッ・・・!」

シュリの、絞り出す様な悲痛な声にも
ラウの手は もう止まる事はなかった






揺れる明かりの元でどれほど同じ作業を繰り返したのか・・・
胸の糸を結び止め、ラウが顔を上げた時には
閉め切ったカーテンの向こうは、わずかに明るくなっている様だった

そして、シュリの胸の悪魔は 歪(いびつ)ながらも糸で縛られ
ようやく諦めた様に血を吐くことを止めていた


ラウは自分の額の汗をグッと腕で拭うと
そのまま椅子から立ち上がり、ベッドへと上がった






華燭の城 - 139 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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