0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 135

しかし、退くにも限度があった

ヨロヨロと後退る(あとずさる)ヴェルメは
自分を取り巻く群衆の輪に 背中でドンとぶち当たった



「・・・・・ヒッ・・!」

驚き振り返ったヴェルメが見たのは、まるで自分を罪人の様に・・・・
シュリに差し出す様に、背中を押し返そうとする無数の腕だった



「・・・や・・・・やめろっ・・・・!」



「・・ 父・・・ 上・・・・・・っ・・」


その背中に、今にも泣き出しそうな心細げな息子の声が微かに届いた

聞き間違うはずなど無い
次の王となる誰よりも大事な我が子
自分を 王父 という輝かしい地位に誘う(いざなう) はずの愛しい子・・・
その為だけに育ててきたのだ

ここで終わらせては、今までの苦労が全て水の泡





・・・・・ 剣を握る自分の手を見た

・・・・・ 目の前に居るシュリと ガルシアを見た・・・・



この王に どんな嫌味を言われようが ひたすらに平服し、
媚びを売り、この息子が王座に就く日だけを待ち続けたのだ


なのに・・・   ・・・・どうしてこうなった・・・?


どうして・・・・?





混乱の中で ヴェルメは再び奇声と共に剣を振り上げていた


しかしその剣は空で止まり、斬る付ける事はおろか
下げる事も出来はしなかった


腕を振り上げたままのヴェルメの鼻先に
シュリの剣が突きつけられていた




「・・・クッ・・・・・・!」

身を固めたまま動けなくなったヴェルメの目前で
シュリは左手の剣を、今度は払う様に 鋭く横に薙いだ(ないだ)



斬られる・・・・!


ヴェルメは  「ヒィ・・」 と小さく息を吸い
肩をすくめ、強く目を閉じた





だが、いくら歯を食い縛り 待っていても
斬られる痛みは一向に襲って来ない



・・・そっと片目を開けた


その目の前に・・・
シュリの左手に 剣と共に握られていた親書が開かれていた





「ヴェルメ、よく聞け
 これは皇帝閣下からの親書だ
 ここに次期王はこの私、シュリ・バルド=ランフォードだと書いてある
 閣下は私をお認めになったのだ
 私がどこで生まれ、育とうと関係は無い
 お前一人が認めずとも・・・・
 誰が、どんな異を唱えようとも・・・ これはもう覆される事はない
 抗う事の出来ない事実だ
 この剣に、次に名を刻まれるのは私だ」

シュリが今どんな気持ちでこの言葉を告げているのか・・・
ラウがグッと目を閉じる


ヴェルメの目にも、鼻先に突きつけられた剣に刻まれた歴代王 9名の名と
親書に大きく押された帝国の王印がハッキリと見えていた




「お前が・・・ あの日ここで
 父王ガルシアにどんな仕打ちを受けたのか、私も知っている
 ・・・だが、お前も爵位を得る程に 一度は父から信頼を受けた身
 ならば、その爵位に恥じる行いは控えろ」



シュリの低く響く声には
何人(なんびと)にも有無を言わせぬ強さと迫力があった


その声の主は自分の息子よりも・・・・
今、人垣の後ろで震えている息子よりも まだ年下なのだ




これが、一国の王となるべく・・・
いや、神となるべくして生まれた男の天賦・・・



それを改めて思い知った時、ヴェルメの振り上げていた腕が下がり
握っていた剣が カランと乾いた音を立てて床に転がった

震えていた膝は力なくガクンと折れ
シュリの前に崩れ落ちる様に跪く






「ヴェルメ、しばらく自邸で謹慎し、頭を冷やせ
 そしてこれからも 変わらぬ忠誠を誓え
 これは命令だ、いいな?
 ・・・・父上も・・・ これでよろしいですね」



ヴェルメの頭が
ゼンマイ仕掛けの人形の様に、何度も上下にコクコクと動き
ガルシアはそんなヴェルメを見下ろしながら、傲然(ごうぜん)と頷いた






華燭の城 - 136 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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