0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 134

剣を抜き、全身から氷の如き冷たい気を纏うシュリの姿に
近くに居た人の垣が割れた


ざわめいていた場内は 湖面に落ちた波紋の様に
シュリの周囲から急速に静まり返っていく


その波を追いかけるようにして
シュリの前にザッ・・ と道が開く



その光景は あの旧約聖書に描かれた一場面の様で
その姿はあまりにも美しく、神々しくさえ見えていた






人々の息を呑む音まで聞こえてきそうな静寂の中を
シュリのコツコツという靴音だけが響く

シュリはそのまま・・・・ 兵を盾にするガルシアさえ見ることなく
真っ直ぐにヴェルメの前へと歩み出た





既に鞘から抜かれた抜き身の剣を持ち、
自分の前に現れたシュリを見て ヴェルメの身体がビクンと震える


「・・シ・・・・ シュリ・・・・・
 ・・・・・・ぁぁあああ・・・・・・ゥゥわあああーーー!!!!!」


ガルシアに睨まれ続けていたヴェルメの精神は
そのシュリの姿に、堰き止めていたモノが一気に崩壊した様に
叫びとも、呻きとも判らない奇声をあげた



「く・・・ 来るな・・・こっちに・・来るな・・・ 
 ・・・・来るなぁぁああーー!!!
 ・・・ガルシアを殺すぞーーーーー!」


そして再び剣を振り上げ、
盾にされた兵共々、元凶であるガルシアを斬り捨てんと飛び掛かった



「うぁあああ!! 死ねー!!ガルシアーー!」



キャア!!!と再び広間に悲鳴が響く








・・・・・カンッ!



だがそれは、一度の高い金属音と共に、
簡単にシュリの剣で去なされて(いなされて)いた


「・・・なっ・・・!!!」

ヴェルメはグッと唇を嚙んで 正面に立つシュリを見た

自分を見る ひどく冷たい、それでいて高貴な視線・・・・
背中に冷水を浴びた様にゾクリと寒気が走り、
真っ赤だった顔が一気に青ざめていく




ヴェルメは居竦まり(いすくまり)そうになりながら
思わず後ろを振り返る・・・

そこには人垣に隠れる様にして 
ガタガタと身を震わせながらも自分を見ている愛しい息子の姿があった


・・・・父上・・・・・・

両手を握り締め、祈る様にしながら自分を見ている・・・
その姿を見たヴェルメは、今にも千切れそうな心臓を押さえ込む様に
剣を握る拳に 再び力を込める
そして意を決した様に 再びガルシアに向け斬り掛かった

・・・・今更、引けなかった



・・・カンッ!
・・・・・カンッ・・!
・・・・・・・・ カンッ!


2度・・・ 3度・・・


だが、それら全てが同じ音と共に 同じ結果となり
空を斬るだけで終わっていく



「ほう・・・」

ガルシアは盾にした兵を手放すことなく、
自分を庇う(かばう)様に剣を振い続けるシュリの姿を見て
ニヤリと笑った








シュリには、このヴェルメの剣・・・
子供が力任せに振り回す程度の無法の剣など
遊び相手にもならなかった

持っているのが真剣ではなく、奉剣の模造であったとしても
それが立っているのさえ苦しい今の状態であっても・・・・

幼い頃から修練し、身体に沁みついた剣だった

右手が使えない事も・・・・ そもそも双剣を振るうシュリは
左右どちらも利き手であり、この程度の相手ならば影響などあるはずもない





簡単に捌かれ続ける自分の剣に 驚いた様にヴェルメは目を見開くと
そのまま一歩後ずさる



それをシュリが一歩追い詰める






怒りにのみ支配されていたヴェルメの中で
今、はっきりと 恐怖という名の感情が大きくなっていく

余りに冷たいそのシュリの気に 自らが喰われて行く感覚・・・
それを自身の中で認識した途端、
ヴェルメにはもう 判断というものは出来なくなっていた



「シュ・・・・ シュリ・・・・・・お前が・・・
 ・・・お前さえ来なければ良かったんだ・・・!
 美味い所だけを、横から掻っさらいやがって!! 
 クソっーー!
 ・・・・・お前さえ・・・・  ・・・お前さえ・・・・・!!
 ・・・・・・許さん!!!」



そう叫んだ時だった




「・・・ヴェルメ、控えろ、無礼だぞ」




シュリの凛と響く低い声
自分を見つめる血の気の無い冷たい視線に
ヴェルメはハッと口を噤む(つぐむ)
そして首を振りながら もう一歩・・・ 二歩・・・・と後退った






華燭の城 - 135 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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