0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 125

精神が崩壊しそうな程の叫びを上げながら
シュリは何度も自分の胸に斬り付けた

「・・・ンッ・・・・・・ッ!!!
 ・・・・・!!!   ・・・・・・・・・ンッッ!!!!」


あの神儀の双剣で 百鬼を切り裂いて来たのと同じ様に
忌々しいこの印を・・・ その印に巣食う魔を消滅させる為に・・・




感覚はあった
胸にも左手にも、確かに手ごたえはあった

だが、不思議と痛みは感じない


・・・ どう  ・・・して・・・・・ 
 
・・・・・・・何故・・・・・


そう呟きながら、シュリは痛みを感じないまま
何度もそのガラスを自分の体に突き立てる


・・・なぜだ・・・


この程度のガラスでは この悪魔には傷も付けられないのか・・・
あの、自分の双剣でなければ、無理なのか・・・


いや・・・ 
違う・・・・
ガルシアに穢された(けがされた)この自分の身体では
もうそれさえも出来ないのだ・・・・



・・くそっ・・・・ッ・・・!!



床に飛び散る自分の血を漠然と見つめながら
シュリは全て流れ出てしまえば良い・・・そう思った



穢れた(けがれた)血など要らない・・・・
穢れた魔の血は、他の者をも巻き込んでいく・・・・

自分が魔に堕ちたのなら・・・
もうその存在はあってはならない・・・

印が消えないなら、自分ごと消えてしまわなければ・・・・



塞がった喉で叫びながら、何度も何度も斬り付け続けた












自室へ戻ったラウは、必死に医学書を探していた

あの時、ガルシアは 「劇薬を出せ」 と確かにそう言った・・・・


劇薬・・・・・
もちろんラウも薬師だ
劇薬と呼ばれる物の事は知っている

薬について学んだ時も、
その危険性については幾度も繰り返し教わった

人体に対し非常に高い脅威を持つ薬、
その取扱い、保存には最大限の注意を要する・・・
もし皮膚に付着した場合は、すぐに清潔な布で拭き、水で洗い流す

・・・・だが、流して良い物といけない物がある・・・
中には水と反応し、更に酷い損傷を負わせる物もある・・・・


部屋に連れ帰ったシュリの傷・・・・
あの苦しみ様から、傷の中には まだ薬があり、浸潤し続けている事は確かだ
だが、それをラウが洗い流せなかった理由がそれだった





先に 使用された物が何なのか・・・・それを特定しなくては・・・・
それさえ判れば、対処できる方法があるかもしれないのだ

だが、あの時使われていたのは無色、匂いも無かった・・・
どんなに記憶を引き出しても、あの石牢での記憶はそれだけだ



勿論、探す書物の中には 不明な薬物の判別方も書いてある
だがそれらのほとんどは、
『鑑定したい薬品を数本の清潔なガラス皿に取り分け
 判別専用の薬剤と混合させて後、その反応の変化と速度、色を見て・・・』
・・・・等と書き連ねてある



既に人体に使われた薬を、たった2つの情報だけで知る方法など
どこにも書いてはいなかった



どうすればいいんだっ・・・・・!!!


小さな本棚を上から下までひっくり返し
隣の薬品部屋でも、ありとあらゆる書物を物色し尽くした後
ラウは苛立ち、思わず机を拳で叩きつけていた

机上の薬瓶が音を立てて倒れ転がる






「おい、ラウ・・・ 戻ってるのかー?
 たまに戻ったと思えば、真夜中だぞ
 眠れないだろーー・・・頼むから静かにしてくれ・・・」


壁が薄い使用人部屋で 隣の部屋の男の声がした


「・・・すまない・・・
 少し探し物をしている・・・・すぐ終わる・・・・・・」


唇を嚙み、そう返事をしながらも気持は焦るばかりだった
乱雑に倒れた薬瓶の事など気にしている余裕はない・・・・

だが、1本の小瓶だけは別だった

褐色の液体の入った瓶に目を留め 
その小瓶を指で持ち上げ、電灯にかざす・・・・

中の液体はもう残り少ない

改めて その量の少なさを実感して思わず目を逸らした


が、それも一瞬だった
今は 何を置いてもシュリを助けるのが先決なのだ・・・
今、こうしている間にもシュリが・・・


そっと瓶を机に置き直し、
自らの感傷を追い出す様に大きく息を吐いた






ダメだ・・・
こんな小さな自室の本棚では
目指す専門の高度な医学書など見つからない

薬を特定出来る要素も少なすぎる・・・
他にシュリを救える方法は・・・



ラウは治療に必要と思われる薬瓶を何本か選ぶと
コートのポケットに捻じ込み部屋を出た
杖を付きながらも焦る思いで使用人棟から公用の館へと入る

官吏達の執務室が入るこの館・・・・
その長い廊下はシンと静まり返り、人の気配さえない


左右にズラリと並ぶ扉の中の1つで足を止めたラウは
ギィ・・ と押し開けた
入った場所は、ベッドと執務机があるだけの部屋だった

が、その壁には一面に・・・ さながら図書館のごとく分厚い本が並んでいる




その中から記憶だけを頼りに、目当ての医学書を選び出す
ゆっくり読んでいる暇はない


片腕に抱えられるだけ抱え、ラウはシュリの部屋へと向かった






華燭の城 - 126 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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