0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 124

暖かな陽気だった一日が終わり、
また外は 風が出てきたのだろうか・・・
鉄格子の外で、カタカタと音がし始めていた


だが、どれ程 時間が経っても痛みが薄れるという事はなかった

それに加えて度々襲う痙攣・・・・
体中の傷から、トロトロと流れていく生温かい感触

それが自分の血であるとシュリは判っていた
それが流れ続けるという事は・・・・
まだ自分は生きているのか・・・・ そう思った


いつまでも続く、この灼け付く痛みはあの薬のせい・・・・
そして、あの時見た自分の体・・・・
ガルシアにやられた・・・・ あれは・・・・



シュリの脳裏に 幼い頃の記憶が蘇る・・・・


あれは・・・ 父王に手を引かれ、連れて行かれた教会の小部屋・・・
厳重に保管された一冊の書物・・・・
まだ文字さえよく判らなかったが、父はそれを開いてこう言った


シュリ・・・ 
これは、神と対極に在る物・・・・
信仰在る者は・・・・・ 決してこれに触れてはならない・・・・
だがお前は神の子・・・
その使命を果たすために・・・・ ・・・・一度だけ見せておく・・・
・・・・しかし、これから先は如何なる事があっても・・・
これに近寄ってはいけない・・・・
これはおぞましき物・・・・
不浄にて禁忌たる物・・・・
これは・・・ 悪魔の印・・・


朦朧とする意識の中で、懐かしい父の声が途切れ途切れに聞こえ
取り留めない霧が渾沌と渦巻く


その時、シュリは耳元にラウの声を聞いた

幻聴、幻覚ではない、実際のラウの声だった



「シュリ・・・・ 部屋に薬を取りに行ってきます
 すぐに戻りますから・・・・」




静かに扉が閉まる音がすると
シュリは現実世界でゆっくりと目を開けた・・・・






「・・・っツッ・・・・・ぁああああっ・・・!」

途端に襲う激しい痛みに思わず声を上げた
それは残夢に似た偽りの世界ではなく、現実の激痛だった
あの石牢で受けた時のまま、体中が灼け付く鋭い熱い痛みだ

仰向けのまま身を捩り、胸を押さえた
ラウが巻いてくれたのか 包帯らしき布の手触り・・・



・・・・・夢・・・・・ ではない・・・・・・


そう覚醒した瞬間に
シュリはハッと目を見開き、渾身の力で体を起こした



再び裂けるような激痛が襲う

「ンンッッ・・・・・・・・・・・っ・・・・」

そのままうつ伏せに倒れそうになる体を
咄嗟に腕を付き、その身を支えた


右手の骨は砕けていた


「・・ンくッッ・・・っっ!」

思わず右手を押さえ、その痛みに耐えながら体の向きを変え
ベッドから降りようと脚を伸ばす

太腿に灼き付けられた傷がビリと裂ける


それでもシュリは立ちあがった
シュリにはどうしても確かめなくてはいけない事があった



胸を左手で押さえ、脚を引きずり、
一歩一歩、部屋の壁に向かって進む

右手は動く気配さえなく、ダランと垂れたままだ


途中でガシャンと音がしたのは、
テーブルの上のグラスでも落としたのだろうか・・・


ようやく壁にはめ込まれた天井まで届く大きな鏡の前に立った時には
痛みで再び意識が朦朧とし始めていた



力の入らない手で ラウの巻いた血の滲む包帯を解いた



そして、ハラハラと床へ落ちて行く包帯の下から現れた自分の身体に・・・・
鏡の中の自分の体に、シュリは絶句した




あの時見たのは やはり現実だった・・・



灼けた鉄針が押し当てられ
それがゆっくりと肉を削ぎ、垂らされた薬が灼き広げ描いた形


聖なる十字架が、天地逆にされた逆十字・・・・
そして、それを中心にして
左右に広がる様に引かれた 幾筋もの折れた直線

複雑に入り組んだ線が 
一見、鳥が大きく羽を広げた様にも見える

今もまだ陰惨な傷口から赤い血を流し続けるそれは
余りにも 禍々(まがまが)しく、シュリを嘲笑う・・・・

それが 今、自分の胸一杯に・・・ ハッキリと目の前にあった




「・・・・・・召魔・・・滅神の・・・・・ 印・・・・・・・・」



文字通り、悪魔を信仰し・・・・
悪魔召喚を目論む(もくろむ)者に聖印として崇められる印
それだけに留まらず、神を否定し、その滅びをも願う印
そう呼ばれる印が、くっきりと自分の胸に灼き付けられていた



信仰ある者は、悪魔崇拝のシンボルとされていたこの印を
目にしただけで恐れ慄き(おののき)、それがどんな偶然であったとしても、
全く意図せぬ事故であったとしても、
その様な物と関わりを持ってしまうに至った自分を責め
それが故に地に平伏し神に許しを乞うた


まして身に付けるなど
神へのあからさまな冒涜・裏切り・反逆以外の何ものでもなかった


それほど人々を恐怖に陥れ、絶対に許されない忌物たるその印が
今、自分の胸に灼き付いている


それは 神国の皇子、神の子として生きてきたシュリには
万死に値する罪だった







「・・・・・・ガルシア・・・・・ッーーーー!!!!!」


叫んだつもりだったが、まともに声は出ていなかったかもしれない
激しい痛みと乱心で喉が塞がれていた

呼吸が出来なくなった

苦しさに思わず胸を鷲掴んだ
灼かれた傷が 頭の先まで雷土の様な激痛を起こす



立って居られなくなり、そのままガクンと床へ膝を付く・・・
痛む右手指に何かが触れた

それは自分が落としたグラスの小さな破片

無意識にシュリは それを左手で握り取っていた





そのままグッと尖ったガラス片を握り締め その悪魔の印へ・・・
自分の胸の中央へと突き立て、薙ぎ払う様に手を引いた


「・・・・・・・・・・ンッッツァアアアアアァアアアアアッ・・・・!!!」






華燭の城 - 125 に続く
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593.   管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2018-01-15 |   [ 編集 ]
594.   
コメありがとうございます!
逃げられない運命なのですかねーw
2018-01-16 |   [ 編集 ]
コメントありがとうございます。励みになります!














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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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