0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 115

7人が城に戻って来たのは陽も落ちかけた頃だった

城門をくぐる時、
レヴォルトが一瞬立ち止まり、シュリの方を振り返った



「どうした?レヴォルト・・・
 私を心配してくれているのか・・・・?
 ・・・優しい子だな・・・」

話しかけ、そっと首を撫でる


温かだった太陽は、巨大な城の背後で急速に温度を失って行き
冷たい風が吹き抜けた



「お前にも判るのだな・・・・ この城の狂気が・・・・
 でも・・・・ ここに帰るしかないんだ・・・・ ・・・・行こう」


その声に、レヴォルトは再び前を向き歩き始める







城内では徐々に暗くなって行く空を見つめながら、
馬番が皆の帰りをソワソワと待っていた

護衛として同行したはずの側近の内の1人が、
すぐに引き返して来たかと思うと、城に慌てて走り込んで行ったのを
見ていたからだ




「どうしたんだ・・・・いったい・・・・・」

「・・・・あの慌て様は・・・・
 ・・・・・まさか、シュリ様達に何かあったのか?」


行き届かない馬で、皇子一行に何かあったのかもしれない・・・

そう口々に話しはしたが、誰も真相を知る者もなく
ただウロウロと心配するだけだった馬番達は、
無事に戻った7人を見てホッと胸をなでおろした





「シュリ様!お帰りなさいませ!
 あの・・・・
 ・・・・何も不都合はございませんでしたか?」

馬から降りるシュリを介助しながら 馬番は恐る恐るに尋ねた



「大丈夫だ、レヴォルトはとても良い子だった」

そうシュリが言うのを証明するように
レヴォルトは、シュリに首を撫でられながら横に寄り沿い
大人しく主人に付き従っている
その姿は堂々と誇らし気にさえ見える


そんな従順な姿は、長い間 調教してきた馬番でさえも
未だ見た事がない光景だった




「ほんとに・・・ あの頑固な馬が、これほど静かに・・・・
 ・・・・これはいったい・・・」

「・・・後の世話、お願いしていいかな」

驚く馬番にシュリが話しかけた


「そ、それはもう! それが私たちの仕事ですので!
 シュリ様に気に入って頂けたのでしたら、何よりの喜び
 最高の名誉でございます!
 お任せください!」







4人がそれぞれの馬番に馬を引き渡し、城内へ向かおうと足を向けると
それを待っていたかの様に オーバストが足早に近づいた

シュリとナギに一礼し、

「ナギ殿下、近衛殿、お疲れ様でした
 お部屋に入浴とお食事を準備しております
 今日はお疲れの事と思いますので
 どうかごゆっくりとお休みください」

そう言って静かに頭を下げた



「ああ、そうさせてもらう、ありがとう」
オーバストにそう返事をすると ナギはシュリに向き直った



「シュリ、今日は本当にありがとう
 命拾いをした
 お前も今日はゆっくり安んでくれ
 ラウもだ、本当に素晴らしい景色を見せてもらった
 感謝する」


「喜んで頂けたなら光栄です
 ・・・・おやすみなさい」

そう応え、頭を下げたシュリにもう一度微笑んで
ナギとヴィルは貴賓室のある棟の扉へと消えて行く






その後ろ姿を見届けた後、オーバストが振り返った


「シュリ様、陛下がお呼びです」
一言、それだけを告げ 立ち去ろうとする


「待て・・・! ・・今すぐに・・・?  ・・・ですか?」
その背中をラウが慌てて呼び止めた


「そう聞いているが?」
オーバストは訝しげ(いぶかしげ)に振り向き
鋭い目付きでラウを見返した





「今、外から戻ったばかりです
 ・・・・シャワーと着替えの時間は頂きたい
 その方が・・・・ 陛下にもよろしいのでは・・・・?」


ラウの言葉の裏に隠された意味に気が付いたのか
オーバストはほんの一瞬、ピクリと顔を顰(しか)めた

本人は無意識の反射なのだろうが・・・・

そして その目に嫌忌(けんき)の光を映したまま
「わかった、そうお伝えしておく」
それだけ言うと踵(きびす)を返した





「シュリ・・・・ 歩けますか?」
ラウがそっと囁く
広場にはまだ大勢の人が居るからだ

「ああ・・・ なんとか・・・・ ・・・部屋に戻ろう・・・」

薬で痛みは抑えてはいるが、それも切れかける時間だ
開いた傷口もそのままにはして置けない

ガルシアがすぐにと呼んでいるなら、尚更時間の余裕はなかった



報告に戻った側近が、ガルシアに何と告げたのかは知らない
だが、穏やかに待っていない事だけは確かだ



体中を襲う鈍い痛みに耐え顔を上げたシュリの目の前で
巨大な城の背に、美しかった夕陽が
ゆっくりと堕ちていった






華燭の城 - 116 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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