0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 113

「・・・!!」

ナギが一瞬驚いた表情でシュリを見た
そして、そんな事は無理だと激しく首を振る



「や・・・やめろっ・・・・
 そんな・・・・ お前まで・・・・  ・・・落ちるっ!!!」

「・・・・ナギ! 大丈夫・・・!」

「でも・・・・・・・・!!」

「・・・怖がるな、ナギ!!
 私を信じて、こっちを見て!!  ・・・・そのままじっとして!!」


シュリが安心させる様に大きく頷いて微笑んで見せると
ナギは強張った表情ながらも、何度も頷き返した





「レヴォルト、良い子だ・・・
 このまま殿下の隣を走ってくれ、頼んだぞ」

道は幸いにして真っ直ぐだ

黒馬の首に手をあててそっと囁く様に言い聞かせると
シュリは鐙(あぶみ)から右足を外した

しかしいくらシュリと言えど、そんな曲芸まがいの事をしたことは無い
でも今は、それしか手立てが無かった


やるしかない・・・・・・

鞍の上に片脚を置き、いつでも飛び移れるように白馬の動きを睨む


だがその不安定な体制は、
跨っている状態とは違い 揺れを吸収できず
衝撃がまともに脚から体へと伝わる

曲げた膝が胸を圧迫し、体重を掛けた脚の傷が痛む

「・・ツっ・・」 思わず顔をしかめた





それでも右手に握った手綱だけで速度と位置を調整しながら
白馬を刺激しない様に、出来る限りレヴォルトを近付ける
左腕をナギへと伸ばし、上下する2頭の動きを計り
飛び移るタイミングを探った


耳の横を過ぎる風音
その合間に聞こえる2頭の蹄(ひづめ)の音が、重なり合う・・・・




今だ・・・・!


シュリの右足は 微塵の躊躇もなくレヴォルトの背を蹴り
白馬へと飛び移っていた




「・・・・・・・ッグっ・・・・・ッ・・!」

着馬の瞬間、無理な体制からの跳躍と 全身でナギごと抱え込んだ衝撃で
体に鋭い痛みが走り思わず声を上げた


傷が・・・ 開いたか・・・・・・


左腕でしっかりとナギを抱きとめたシュリの顔が歪む




「・・・・・・ シュ・・・リ・・・・?」

その異変にナギが伏せていた顔を上げる



「もう・・・ 大丈夫です・・・・ ナギ・・・
 ・・・・手綱を私に・・・・」

後ろから抱きかかえる様にしながらも、真っ直ぐに前を向き
ナギが握り締める手綱を譲り取った



「・・・・・シュリっ!・・・・よかった・・・・!!」

恐怖から解放された安堵からか、ナギがグッとしがみつき
その痛みに、シュリはまた声を上げそうになる



「ナギ・・・・ お願いです・・・・  ・・・・力を・・・ 抜いて・・・
 私に全てを任せて・・・・・・・」

その声に、ようやくナギの体から、ほんのわずかに力が抜ける
その時 既に、シュリは馬の主導を握っていた




「大丈夫だ、落ち着け・・・  もう怖くない、大丈夫だ・・・」

そう白馬に言い聞かせる

隣では 手綱を離され自由になったレヴォルトが
逃げる事もせず、仲間を守る様に、宥める(なだめる)様に
ピッタリ寄り添い、走り続けている

この存在も、白馬を安心させたのだろう


シュリを自分を任せられる主と認識し、何も恐れる事は無いと判ったのか
その扶助に従い、徐々に速度を落としながら、
ゆっくりと冷静さを取り戻していく





やがて馬は 何事も無かったかのように 落ち着いて歩みを止めた

シュリは先に馬から降りると、ナギに手を差し出した




「ありがとう・・」

ナギは申し訳なさそうにその手を取り、無事に地上へと降り立つと
一気に力が抜けたのか、そのまま ヘナヘナと座り込んだ


「殿下、大丈夫ですか?
 お体は・・・・ お怪我などされていませんか?」

横に跪き、顔を覗き込むシュリに
「ああ・・・・大丈夫だ・・・・
 ・・・・お前のお陰で怪我もない・・・」

「よかった・・・」




シュリは安堵しながらも 「無茶しすぎです」
そう窘める(たしなめる)事も忘れはしなかった


「悪かった、謝る・・・
 本当に助かった、ありがとう シュリ・・・」

うんうん・・・・と頷き、うな垂れながら、ひとしきりシュリの小言を聞いてから
座り込んだままのナギがゆっくり顔を上げた




そして 「あれは・・・」 と、思わず声を漏らした
シュリもその視線を追い、振り返る






その目線の少し先に、豊かな蒼い木々に囲まれ
ひっそりと佇む(たたずむ)澄んだ湖があった


あの城裏の 巨大な湖の一部なのだろうが
何かの地動でここだけが堰き止められたのだろう

その湖の正面奥には、隆起した部分・・・
高さこそ無いが、幅10mはあろうかという滝が
幾重にも複雑に重なり合い、連段の滝となってその姿を見せていた

その流れ落ちる水飛沫が、木漏れ日にキラキラと輝いている




この世の楽園を描けと言われれば、
こんな絵になるのではないかと思う程のその美しさに
二人は暫し目を奪われた

そして同時に顔を見合わせると、ナギが 「行こう!」 と立ち上がった








ラウ達がそこへ着いた時、ナギは裾を膝まで捲り上げ湖の中に入り
2頭の馬に水を飲ませ休ませている所だった
シュリはすぐ横の岩に腰を掛け、静かにその様子を見つめている


輝く湖に 二人の若き皇子と2頭の馬、
その美しき光景に、それまで必死の形相でナギ達を追って来たヴィルも
思わずヒューと小さく口笛を鳴らしたほどだった





その音に振り返ったナギが
「ヴィル!」  と声をあげ 手を振った


ラウとヴィルが馬を降り湖岸に寄ると、
ナギは湖から上がり二人の方へ走り寄る




「ナギ!! この大馬鹿野郎が!!」
 いきなり一人で突っ走って!! ・・・・・何やってるんだ!!」
 
いきなりヴィルが怒鳴った






華燭の城 - 114 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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