0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 108

その日から2日後

ラウの言った通り いつもの分厚い雲は嘘の様に消え、
この国では珍しい程の青空を見せていた



「ここで、これほど美しい空が見られるとは
 思ってもいなかった」

格子の窓に指を掛け、冷たい朝風を受けながらシュリが呟いた



「ええ、本当に、年に一度ぐらいだと思います
 ですが、天気は良くても寒いですから、冷やさない様に」

ラウが側に寄り シュリの肩にそっと上着を掛ける



「ああ、ありがとう」

肩に置かれたラウの手に自分の手を重ねた




「今日の乗馬、いくら楽しくても無理はダメですよ?
 傷もやっと塞がりかけたばかりなのですから
 薬も・・・・・」


「・・・・わかっている
 殿下にもう二度と
 あんな姿を見られるわけにはいかないからな・・・」


そう言って ラウには頷いてみせたが、
シュリの本音は、ラウに心配を掛けたくない・・・・だった

自分が苦しむとラウが悲しそうな顔をする 
その顔を見るのが、自分の痛みよりも辛かった







「それで、今日はどこへ行く予定なんだ?」


道案内役のラウに今日の行き先は任せてある
シュリが隣に立つラウを見上げて微笑んだ

数か月ぶりに城の外へ出る
それだけでシュリの気持は逸って(はやって)いた




「そうですね
 馬駆けですし、街にと言う訳にはいきませんからね」

そう言って微笑み返すラウの顔は
既に心に決めた場所があるように見えた

その妙に嬉しそうな顔に、シュリは ラウの顔を下から覗き込んだ




「・・・ん? どこへ行くんだ?」

「お知りになりたいですか?
 到着まで秘密にしようと思ったのですが・・・」


ラウは悪戯っぽく笑った後

「先日見た・・・・
 あの湖の対岸の森、はいかがでしょう?」





その言葉にシュリの顔が一瞬驚いた後
見る見るうちに華開いた


「本当か、ラウ! 本当にあの森へ行けるのか?!」


「ええ、湖を北側から迂回して、
 途中の分岐を南西へ向かうと 森の奥の滝に出るはずです
 
 お体の事もありますし、休みながらゆっくり走ったとしても・・・
 ここから片道2時間程度

 向こうで一度 休憩を取り、薬を飲めば帰りまで大丈夫でしょう
 今日は昼食を早めにして、午後すぐに出れば日没までには・・・・」



最後まで聞かぬうちに
シュリはラウの首に腕を回し抱き締めていた










今日、シュリがあの帝国皇太子と一緒に
馬乗りに出るという噂は、どこからともなく城中に広まり
朝から城の正面門には、明らかに普段よりも多い人間が
不自然に集まっていた


門塔の番をする地位の低い門兵などは、
”同じ城に仕える者” とはいえ、
高位にある者の姿を拝謁する事は簡単にはできない


唯一と言っていい機会が、自分の守る門をくぐる時

だが、それさえも最近では
馬よりも、車という屋根付きの乗り物が主流になってきてからは
その数も 益々減ってきていた


シュリがここに入城した日も車


しかも、数多くの車列の中の1台であったし
まして外出を許されていないシュリは・・・・・
・・・・ 許されていないという事実は誰も知らない事ではあったが・・・・
シュリはこの門の側に近寄る事さえ、ほとんど無い




24時間交代で番を張り、
宴に出ることも無い下位兵にとっては
初めて その神の姿を、自分の目で見る事が出来る絶好の機会なのだ


多少そわそわと浮かれていても、
今日が当番で無い者までが、
わざわざ どうでもいい様な雑用を作って出てきていたとしても
誰も咎める者はいなかった




ただし、雑用であっても手を止める者などいない
皆、自分の仕事をしながら、チラチラと視線を向け
今か今かとその姿を待っていた






華燭の城 - 109 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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