0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 107

「・・・・ こんな物などと、言うな・・・
 私がお前と、お前の作ってくれるこの薬でどれだけ救われたか・・・
 感謝しているんだ・・・」

「・・・・」



会話が止まり、静まり返った部屋に窓ガラスがカタカタと鳴る
外は冷たい風が吹いている様だった
それでもこの部屋は、
ラウが居ればいつも暖かく、そんな寒さを感じる事もない

どんな薬だろうと、ラウさえ居てくれれば・・・




「・・・顔を上げて・・・」

シュリは左手をそっと伸ばすと俯くラウの頬に当て
顔を上げさせると、視線を合わせて微笑んだ




「ラウ・・・ 星が出ているか見てくれないか?」

「・・・・・星・・・?  ・・・・・ですか?」

唐突なシュリの言葉にラウが戸惑いながら少し首を傾げた
それが意図せず、添えられたままのシュリの手に
自分の頬を擦り合わせる形になって
ラウも少し照れた様に クスリと微笑み返す





「さっき、サロンで雲間に星を見た
 もうすぐ晴れるんじゃないかと思うんだ」


ラウは包んだシュリの手をそっと寝具の中に戻し立ち上がると、
窓辺まで行き、カーテンを少しだけ開けた


窓越しに外を見たが ガラスに室内の灯りが映り込み
外のわずかな輝きを見る事は出来ない


冷気が入り、更にシュリを冷やしてしまう事をわずかに ためらったが
窓の飾り取手に指を掛け手前に引いた


ガチャという音と共に夜風が室内に流れ込み、
暖炉の炎を揺らす


格子のはめ込まれた窓からは 身を乗り出す事はできないが
ラウは出来る限り窓に寄り、格子の間から空を見上げた




暗い空に目が慣れてくると、
その目にうっすらとだが、星の瞬きが映る





「本当ですね、シュリ、星が見えます
 この風でしたら・・・ 明後日 辺りには晴れるかもしれません」

「明後日か・・・・」



ベッドに横になったまま 
シュリは視線を再び天井へ移して、何かを考えていた

天蓋ベッドの薄いブルーグレーの幾何学模様をいくつか目で追った頃


「明後日、晴れたら・・・
 殿下に 約束通り馬乗りに出ましょうと伝えてくれないか?」


窓とカーテンを元通りに閉じていたラウが、驚いて振り返った




「そんな、いけません
 まだお体が・・・無理です
 乗馬がどれほど体に負担を掛けるか、シュリなら判るはず・・・」

そう言いながらベッドの横へ戻って来ると
シュリの答えも聞かず話し続けた



「殿下には風邪だと言ってありますから、
 そのお約束は多少遅れても何も言われないでしょう?
 休暇も余裕があると言われていましたし、そう急がれずとも・・・
 もう少し良くなってからでもよろしいのでは?」


ラウの言葉にシュリは目を閉じると
先のバルコニーでの出来事を
ゆっくりと、正確に思い出す様に話し始めた




「バルコニーで殿下は私に・・・
 どうしてこの国に来たのかと、聞いた
 ガルシアの何が そうまでさせたのかと・・・
 殿下は・・・ 私がここに来た事を不審に思っている
 公に発表された ”跡継ぎとなりこの国を救う” という話だけでは
 何かが腑に落ちない、そんな様子だった
 だからまだ書状も渡さないのだと・・・
 オーバストにわざとあんな挑発的な行動を取ったのも
 相手の出方を見たかったのだろう・・・・ 
 ・・・・殿下は、ガルシアを探るつもりだ」


「そんな・・・・!
 それは、なりません、絶対に!」
ラウの語気も自然と強くなった



シュリも目を開け、小さく頷きながらラウを見た



「殿下が何をしようとしているのかは判らない
 だが、このままズルズルと滞在を伸ばさない方がいいと思う・・・
 殿下が私と馬に乗りたいと言うならその願いを叶え
 早々に帰って頂くしかない」


「・・・はい」


「明日にでも殿下に伝えてくれないか
 あと、ガルシアにも・・・・
 側近も来るなら、その手配もあるだろうから・・・・
 ・・・・・ 今夜の殿下の態度で・・・・ ガルシアはきっと苛立っている
 そんな時に外に出るのは、益々怒らせるだけだろうが
 それでも、これで殿下の気が済んで帰って下さるのなら・・・
 反対することは無いだろう・・・」


「わかりました
 すぐその様に手配を」


ラウが深く腰を折り、恭しく頭を下げる
これはシュリ個人としてではなく
この国の皇太子として、使用人に下された命令だと受け取った証拠だ



「悪いな、ラウにはいつも面倒な事ばかりを押し付けて・・・」

それだけ言うとシュリは体から力を抜いた
体の怠さに、辛そうにフゥと小さく息を吐く



「いえ、私は大丈夫です
 それよりもシュリ、お疲れになったでしょう
 側に居ります
 眠れるうちに少しでもお休み下さい」


「・・・・・そうさせてもらう・・・  
 ・・・・ラウ・・・ ・・・来て・・・・」




上掛けの間からシュリが手を伸ばす
ラウはその手を取って静かに微笑んだ
そして上着を脱ぐと、ベッドへと上がる



シュリの頭より少し高い位置で、横に体を置くと
スッと自分の左腕をシュリの頭の下に差し入れ
空いた右手で、差し出されたシュリの手を取り、
指を絡ませる様に握った


シュリはその腕にゆっくりと体を預け、安堵した様に微笑んだ



「シュリ、おやすみ」

そう言いながら、自分を見下ろすラウの顔をじっと見て
わずかに顎を上げる

そこにラウの唇が降ってくると、シュリはゆっくりと目を閉じた






華燭の城 - 108 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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