0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 104

「ん? どうした? 暑いのか? 
 ・・・・・ああ、ずっと暖炉の前だしな」

そんなシュリに気が付いたのか
ナギは座ったまま右に視線を動かし、外に出られるバルコニーを見つけると
「ちょっと向こうで風に当たるか?」 そう言って立ち上がった





「あ・・・・はい」

窓に向かって歩き始めるナギに従い、シュリも立ち上がる

「・・・・・・っ・・・!」

後に続こうとした所で、それまでじっと耐えていた体の痛みに
思わず声を漏らしそうになった






だが気丈に耐えたその声は 唇から零れる前に飲み込まれ、
前を行くナギには届いていない 

入口に立つラウ達からも シュリの背中しか見えていないはずで
その苦痛の表情は誰にも知られることは無かった



ゆっくりと一歩、足を踏み出し、
まだ歩ける事を確認してから、シュリがバルコニーへと向かうと
ナギは手すりに両腕を乗せて空を見上げていた




「なぁ、そろそろ晴れるんじゃないか?」

追いついたシュリが横に立つ気配に、
視線は夜空のままで、ナギが話しかけた


そう言われて 並んで一緒に見上げた空は
重い雲が覆っているのか、いつもと同じ黒とグレーの世界・・・・
が、珍しく その雲には切れ間があった



その隙間から チラチラと瞬く星が見えている

この国に来て初めて見た、と言っていい程の久しぶりの星だった




「本当に・・・星が見えますね・・・」

「・・な!
 ガルシアは、意地悪く ”当分晴れないぞ!” なんて言ってたけどさ
 これなら そろそろ馬駆けも出来るんじゃないか?
 今度、晴れたら絶対に行こうな!」

「・・・ええ、是非」

「おう!約束な!」

そのシュリの答えに、ナギが嬉しそうに頷き
隣に立つシュリの右手・・・
手すりを掴んで痛みに堪える右手を、軽くポンポンと叩きながら
満面の笑みを見せた





が、直後に
「なぁ、1つ聞いていいか?」
その声が一段、小さくなる




空を見上げていた首を、そのままぐるりと後ろの・・・
室内のあの水場に向け、
それに気が付いたオーバストと、視線を合わせると
悪戯っぽくニヤリと笑った

拳に握った右手の親指を一本立て、
クイクイと、わざとオーバストを指さすというアクションまで付けて
眉根を寄せた側近を、いや・・・・ その背後にいるガルシアを煽る(あおる)ように
じっと男を見据える

そして、その視線を外さないまま、
これからいかにも秘密の話をしますよ。と言わんばかりに
シュリの耳元にそっと顔を寄せた






「・・・なぁ・・・・・ ガルシアって、どんなやつ?」

「・・・ぇっ・・・」

耳元で囁かれたそのいきなりの言葉にシュリは戸惑った
思わず聞き返す様に、ナギに顔を向ける





「ガルシアには、お前の人柄を見に来たって言ったけどな
 本当はガルシアの方を見に来た様なものなんだ
 あの ”神国のシュリ” がその地位も務めも全て手放してまで
 助けようと思った国の王、ガルシア・・・・
 それが、どれほどの人物なのかと興味が湧いてさ、それで見に来た」


「・・・・」


「・・・いや、お前にはお前の考えがあるんだろけど
 申し訳ないが・・・
 俺にはアイツがそれほどの人間には見えないんだ
 確かにうちの親父が一目置くぐらいだ
 闘将と言われるだけの 度量と腕と頭脳もあると思う・・・
 ああ、おまけに蓄財の能力もな
 でもなぁ・・・
 なんか俺は今回・・・ 初めて見た時から・・・
 ・・・ んー・・・・ なんだろうなぁ・・・・
 あのまま素直に 書状を渡す気には なれなかったんだよ
 だから、まぁ半分思いつきだが暫くここに居座ってやろうかと・・・」




ナギはそこまで言って、困った様に俯く(うつむく)シュリに気が付いた




「・・・・あ・・ 気を悪くしないでくれ
 今はもう お前の継父だったな、悪い」


「いえ・・・」



この人はもう何かを感じ取っている・・・・

あの暗い石牢が脳裏に浮かぶ
ガルシアの醜行を思い出す
激痛と屈辱が体内を巡る


この人に全てを話すことが出来たら・・・
もっと早くに出会えていたら・・・
そう思う気持ちが 心の隅で頭を持ち上げ・・・・


そして 弟の優しい笑顔が浮かぶ・・・・


そこまできて、シュリは今にも全て話してしまいそうになる真実を
グッと拳に力を入れて握り潰した


だめだ・・・・
ジーナを救えるのは自分だけなのだ・・・・






華燭の城 - 105 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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