0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 95

抱きかかえられる様にして部屋に戻り
薬と、ラウの手当てで落ち着きを取り戻しはじめたシュリは
戸惑っていた


・・・ナギ殿下・・・・
あのガルシアが絶対に逆らう事が出来ない帝国に
自分の味方となり得る人間がいた


あの殿下に全てを話せば、自分はここから救い出され
元の生活に、神国に戻れるかもしれない

・・・・ もちろん穢された(けがされた)自分では、もう神儀は行えない
そんな資格が無い事ぐらい判っている

それでも、もう一度 皆の元に・・・・ そんなわずかな期待





だが・・・・・

自分は戻る事が出来たとしても
もう、どうしても引き返せない事が1つだけあった

それは弟 ジーナの治療・・・・

もう投薬は始まっている
途中では止められない薬
この国にしかない薬
ガルシアが全てを握っている薬



自分の事が公になり、ガルシアが失墜し全てを失えば
もしかしたら・・・
いつか・・・
いつかは、その薬も 自分の手で自由に使える様になるのかもしれない

だが ”いつか” では遅すぎるのだ

そしてもし失敗したら・・・




ガルシアが自分を裏切ったシュリに
大人しく残りの薬を渡すとは考えられない

むざむざとシュリに渡してしまうぐらいならと、
それがどんなに高価で貴重な物であったとしても
残った薬の全てを廃棄することぐらい、あのガルシアならば不思議ではない
・・・ いや、これはもう仮定ではなく
ガルシアを僅かでも知れば断言できる事だった


ジーナに薬を届ける事が出来なくなったら・・・・
届ける事が遅れたら・・・・

それは確実に弟の死を意味する

自分の為に 弟を殺すのか・・・・・



答えは1つだった



今まで通り、ガルシアとの契約を守り
何があっても最後まで、弟に薬を届け続ける・・・・

それが、あの殿下を騙す事だとしても・・・

自分を見詰める屈託のない明るい笑顔を思い出し
シュリは横たわったまま目を閉じ、グッと拳を握り締めた







シュリからナギの話を聞いたラウも困惑していた
ガルシアの怒りの原因が判ったからだ


シュリをこの城へ迎えるにあたり、
世話役としてこの部屋の準備を進めたのはラウだ

その時に少なからずシュリの周辺は調べていたつもりだった
年齢・家族構成・趣味・嗜好・・・・ その他の事も数多く

それでもナギの・・・ 帝国皇太子の存在がそれほど近くにあったとは
全く知らない事実だった

だが、もし最初からその可能性を考え、手を尽くし調べたとしても
極秘扱いで、決して外に情報を漏らさない学校の情報は
結局の所、判るはずもなかったのだが・・・




これからどうなるのか・・・

暖炉に薪を入れながら
ラウもシュリに聞かれぬ様、小さく息を吐いた





「・・・・ラウ・・・・」

その時、シュリの声がラウを呼んだ



振り返ったラウの前に
何かを覚悟した様にじっと目を閉じ、拳を握るシュリの姿があった


・・・ シュリ・・・・
ラウはその時、全てを理解した








「どうしました?ここに居ますよ
 ・・・痛みますか?」

ベッドの横に跪き、ラウがシュリの手を両手で包み込むと
シュリは静かに首を振る



「もう大丈夫だ・・・ ・・・隣へ・・・・」

その言葉にラウは頷くと
着ていた上着を椅子の背もたれに掛け、ベッドへと上がる
シュリの横に体を置くと 優しく肩を抱き寄せた



「・・・シュリ・・・ 
 本当にそれでよろしいのですね?」

目を閉じたままのシュリの顔を見つめながら ラウが一言だけ尋ねた
それは疑問形だが質問ではなく、確認だった



シュリも ”それ” の意味は判っている

・・・ガルシアとの契約を
弟の為に今まで通り続けるのだな、というラウの確認・・・



「ああ、それでいい」

小さく頷いたまま、シュリがしがみつく様にラウに体を預ける
ラウはもう一度 シュリを強く抱き締めた







その夜、ラウはシュリの寝顔を見た後 そっと部屋を出た






華燭の城 - 96 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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