0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 94

急遽用意された貴賓室へ向かうナギ達と一緒に
ガルシアとシュリは広間を出た


すぐ前を行くナギの背中・・・・
繊細な金刺繍の飾り房が揺れる背中を
ガルシアが鋭い眼光で睨みつけていた



今夜は最高の夜になるはずだった

自分の栄光と繁栄を揺るぎない物にする書状
だが、今 それを受け取るはずだった自分の手には何も無く
その書状はまだ、手を伸ばせば届きそうな場所・・・・
ナギの隣を歩く近衛の手の中だ



それも腹立たしかったが、それ以上に・・・ この帝国皇太子・・・
自分に臆する事無く、正面からモノを言う

この生意気な皇太子が シュリの知り合いだと・・・・?


何もかもが自分の想定を覆し、
何もかもがうまく行かなかった事にガルシアは
空(カラ)の両手を握り締め 苛立っていた



ナギに聞こえぬ様に 
「後で来い」 それだけをシュリの耳元で呟いた


この苛立ちを抑え、発散出来るのはシュリの体だけだ
そして何よりも、今まで以上に綿密に口裏を合わせ
シュリに釘を刺して置く必要がある





だが、そんな思惑さえも ナギの一言で叶わなくなった

「なぁ、シュリー! 
 やっぱり、少しだけでも話をしないか?
 本当に話したい事が山ほどあるんだ!
 私が今日まで、どれだけお前に逢いたかったか!
 お前の部屋で構わないし、 ・・・ああ・・・ 体が辛ければ
 シュリはベッドで横になって居てもいいぞ!」


ナギが屈託のない笑みで振り返り、そう誘ったのだ






ガルシアが驚きのあまり、一瞬 睨む様にナギを見た


広間から出たシュリを迎えようと側に寄ったラウも
同じく驚きを隠せなかった


宴の中に入れないラウは
話の成り行きが全く理解できていない


宴の途中で、帝国皇太子が
以前から城で噂になっていた”あの親書”を持って入った事は知っている
中では、受書式が行われたはずだ・・・ と思っていた

だが出てきたガルシアの機嫌は、いつにも増して最悪と言っていい程悪く
しかも、帝国の皇太子殿下が余りにも親し気に
シュリに逢いたくてと声を掛ける・・・・ これはいったい・・・



殿下の前で頭を下げたまま、伺い見たシュリの顔・・・ 
その目は、ラウにすがる様に ”無理だ” と助けを求めていた



シュリの体は もう限界だった
が、それ以上に 自分の部屋にナギを招くなど不可能なのだ
あの鉄格子の部屋に・・・・






「殿下・・・・ 申し訳けありません
 本当に今夜は、あまり体調が優れず・・・・
 少し休ませて頂きたく存じます
 お話はまた明日・・・・」


そう言いながら頭を下げるシュリの体がわずかに揺れるのを
ラウが見えぬ様に背中に手を回し、咄嗟に支えた



「私はシュリ様の世話役、ラウムと申します
 どうか今夜はシュリ様の望み通りに・・・・」

ラウももう一度、静かに頭を下げる




「・・・そ、そうだ・・・・
 シュリは少し休んだ方がいい
 毎日、私の右腕となって公務に忙しいのだから
 体調が悪い時はゆっくりと休め」

ガルシアも続く



近衛のヴィルにさえも
「そんなに急がずとも、また明日でいいのでは?
 どうせ暫く滞在なさるのでしょう?
 我々も今日は休ませて頂きましょう」
と添えられては、ナギも引くしかなかった




「そうか・・・ 
 ・・・・残念だけど仕方ないか
 ではまた改めて声を掛けるから、その時にな!」



また声を掛けるだと・・・?
ナギの残した言葉に、ガルシアの表情が益々不機嫌になる

その異変に気が付いたガルシアの側近達が
ナギを取り囲み・・・・ 実際には警護する体(てい)で、だが・・・・
ほぼ強制的に「お部屋はこちらです」と促し、廊下の奥へと消えて行く




その姿が見えなくなる頃には
シュリの体重は徐々にラウの腕に圧し掛かってきていた


だがまだ倒れる訳にはいかない
まだ廊下にはたくさんの客や官吏もいるのだ

必死に耐えようとしているが 自分ではどうにもならない
シュリの体が小刻みに震え始めていた



その様子に 「陛下・・・」 と、ラウがガルシアを小さく呼び止め
今夜の相手は無理だと小さく首を横に振り、目で訴えた

「ふん・・・・
 仕方ない
 その代わりラウム・・・・ 判っているな?」

「・・・・はい」

ラウは シュリを支えたまま静かに頭を下げた

「それから あの殿下の事も、だ」

憎々し気に廊下の先へ・・・ 
既に見えなくなっているナギの姿に視線を送った後、
ガルシアはジロリと二人を一瞥(いちべつ)して そう言うと
自室へと帰って行った







この夜の シュリとナギの宴での一連のやり取り・・・

特に ナギがシュリの事を 自分よりも格上だと認め、宣言し
いきなり抱き締めた事は 記者の手によって瞬く間に城の内外へ
いや、国内外まで、話を多少 大きく膨らませながら、
たちまちに世間に知れ渡る事となった






華燭の城 - 95 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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