0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 93

「じゃあ、堅苦しいのはここまでな
 皆も宴の続きを楽しんでくれ」


ナギはこういう大広間の構造にも慣れているのか
2階ホールで指示を待っていた楽団の指揮者へ、迷う事無く視線を上げた
指揮者も 「承知致しました」 と言わんばかりに微笑み小さく頷くと、
軽やかにタクトを振り上げる


広間に優雅な管弦の音が響き始めると
書を受け取れず、身を固くしたままのガルシアの内心を
恐る恐るに探っていた来賓達にも、僅かな安堵の空気が流れ
鎮まり返っていた広間に再び人の声が戻って来る




するとナギは玉座を立ち、跪いた(ひざまづいた)ままのシュリの横へ下りると、
その手を取り、立ち上がらせた

そして 「会いたかった・・・!」 
シュリをいきなり抱き締めた



「おぉ・・!」

会場から驚きと喜びと感嘆の声が上がり
受書の瞬間を撮り逃していたカメラマンは
ここぞとばかりに一斉にカメラのフラッシュを焚いた




「・・・ンッ・・」

「ん?どうした?」

「・・・ いえ・・」

強く抱きしめられて思わず傷の痛みに呻いたが
シュリは何事も無かったかの様に、微笑んで見せる




「シュリとは いろいろ話したい事があったんだ!」

瞬き続けるフラッシュにも臆する事もなく、
ナギはその手を取ったまま 屈託なく笑った



「学校、急に辞めただろ? どうしたのかと思って心配していた」

「えっ・・」



思わず そんな・・・と言い掛けて慌てて言葉を呑んだ
それもシュリが初めて聞く事実だった

だが、考えてみれば当たり前の事だ
神儀の為に取った10日間の休みなど とうに終わっている

自分は人質であり この城に、あの石牢に幽閉されているも同じ
再び学校に戻る事など、あり得ないのだ





「教授達に聞いても、わからないと首を振るだけだし・・・
 そしたら、神国を出てここに居るっていうしな・・・・ 正直、驚いた
 3週間後には今年の馬術大会だったんだぞ?
 忘れたのか?」

「いえ・・・」

「まぁ、色々と忙しかったのだろうが
 国が変わっても 学校は寄宿だし、来られない事はないだろう?
 2年生ながら馬術部のエースで
 その成績は 全4学年合わせてもトップクラスのお前が
 急に辞めるなんて・・・・」

「・・・・」

「実を言うと私も お前の馬を駆る姿が大好きで、
 練習しているのをこっそり見に行ってたんだ
 年に一度のお前の晴れ舞台、今年も楽しみにしていたのになぁ」

「・・・はい・・・・ 申し訳ありません・・・・」





シュリの後ろには まだガルシアが立っている
振り向かずとも判るその強烈な威圧感に
シュリは言葉を続ける事ができなかった



そして何よりも
この想定外のナギの登場で、いつも以上に時間が経っている
薬が切れかけていた


ひどく体が熱く、
全身を刺すような痛みが広がっていくのがわかる


ラウにも内緒で 内ポケットには薬の包みが忍ばせてある

いつもは 宴の途中で飲み物と一緒に紛れさせ
誰にも気付かれぬ様に飲んでいたのだが
これだけの注目を浴びていてはそれも出来はしない





「・・・・・どうした? どこか具合でも悪いのか?」

口数も少なく額に汗を滲ませるシュリに気付いたのか
ナギが顔を覗き込む



「いえ・・・ 大丈夫・・・・・」

そう言い掛けた声を 突然ガルシアが後ろから遮った



「はい、殿下
 それが・・・ シュリは先日から風邪気味でして
 今一つ体調がすぐれません
 父親としても心配していた所なのです
 出来れば宴も休ませてやりたいと、思っていたのですが
 殿下からは、お見えになると連絡があったきり・・・
 仕方なく、毎夜 無理矢理に出席させていた訳でして・・・・

 本日は殿下もお着きになられたばかり
 如何でしょうか・・・ 
 今夜はもうお開きという事で、ゆっくりお休みになられては?」


軽く頭を下げながらもチクリと嫌味を言うガルシアに
ナギの後ろに立つヴィルの眉がピクリと動く

が、ガルシアはそんな近衛・・・ 
たかが兵にしか値しない男の表情になど動じることは無い



ガルシアが焦っていたのは
ナギとシュリが知り合いだったという予想もしていなかった事実・・・
とりあえず考える時間が必要だった




「風邪か・・・ 大丈夫か?
 確かにこの国は寒いしな
 気を付けるんだぞ?」


そう言ってナギは優しくシュリの肩に手を置いた






華燭の城 - 94 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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