0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 92

中央の絨毯の上をゆっくりと歩みながら 一人の青年が入って来る

年は シュリより少しばかり上に見えるが
身に着けた軽略式用の白い軍服には
帝国の勲章がいくつも並び付き、
それが広間の煌びやかな明かりで見事に輝き揺れていた


年に似合わず堂々とした足取りは、
やはりシュリ同様 生まれ持った王の品格という物だろうか・・・







広間の最上段まで来ると その青年はガルシアの方を向いた


数歩後ろについている大柄な男が近衛隊長らしく
こちらは黒の軍服を着用し、
手には書状が入っていると思しき(おぼしき)筒状の物を持っている




「ガルシア、息災か?
 皇帝閣下より書状を預かって来た」


「遠路遥々、私如き者の為に 殿下自ら足を運んで頂き
 真に光栄に御座います
 有り難く拝領させて頂きます」


ガルシアが恭しく(うやうやしく)口上を述べ、
深く腰を折り、頭を下げ両の手を差し出した

それに続き、シュリも・・・・他の列席者全員が頭を下げる
今、頭を上げているのは
この瞬間を写真に撮ろうと狙っている新聞記者だけだ



音楽も止まった会場内はシンと静まり返り、その時を待つ





だが頭を下げたまま待つガルシアのその手には
いつまで経っても何も載せられない

記者達も おや?と言う表情で構えたカメラを次々に下ろし
場内にもザワ・・ とした空気が流れ始める




「あの・・・殿下? 書状をお渡し下さい・・・・」

とうとう痺れを切らしたガルシアがチラと顔を上げた







そのガルシアにナギは小首を傾げ、フッと微笑んだ


「今、着いたばかりだぞ、急かすな」

そう言うと、そのままクルリと背を向け玉座まで行くと腰を下ろし
ふぅと一つ大きく息を吐いた



「思ったより長旅で、少々疲れたんだ
 それに、そのシュリの人柄を見て来いとも 閣下に言われている
 とりあえず数日、ここにゆっくり滞在させて欲しい
 書状の受け渡しはそれからでもいいだろう?」

そう言うと ナギはシュリを見てニッコリと微笑んだ




「シュリ、こっちへ」

問いかけたにもかかわらず、ガルシアの返事を待たないのは
ガルシア側に拒否権はないからだ




呼ばれたシュリは 「はい」 と小さく返事をし、
呆然とするガルシアの横を抜け ナギの前に歩み出ると 
玉座の下に跪き、右手を左胸に当てる最礼を尽くす


それを見てナギは満足そうに頷いた





「シュリ、顔を上げて・・・ 私に見せてくれ」

「・・・はい」



シュリがゆっくりと顔を上げる
と、ナギの表情はみるみるうちに一変した





「シュリ、やっと会えたな!」 

「・・・・・?」

嬉しさを通り越し、喜々とした笑顔で自分を見詰めてくるナギに
シュリはただ不思議そうにその顔を見るだけだった




「わからないか?
 これでも同じ学校の先輩なんだけどな、私は。
 まぁ仕方ないか・・・・
 あそこは各国の王族や貴族だとか、凄い身分の者ばかりだし、
 私程度の ”たかがイチ帝国の皇太子” なんて珍しくもないから
 シュリが私を知らなくても当たり前だが、
 私は知っていたぞ?

 ”神国のシュリ皇子” は 帝国の皇太子などとはワケが違う
 世界にたった一人なんだ
 学校でも入学して来た時から
 密かな有名人だったんだぞ、お前は」


満面の笑みで一気にそう告げた




それは シュリにとっても初耳だった 

確かに自分の行っていた寄宿学校は、その方面では名の知れた有名校だ

ほとんどと言っていい程の生徒が 何かの称号を持ち
どこかの国の皇太子同士が隣の席・・・・ が当たり前だった

だから自己紹介でも わざわざ自分の国や身分を名乗ったりしない



そういう生徒ばかりだから、
学校側も生徒に関する情報は厳重に管理され最高機密扱いで
一切 何も公表しない事が徹底されている


国に居れば何かと制約が付き纏う事が多い日常で育った者同士だからこそ
その ”ただの生徒” として扱われる事を望み
それを学校も推奨していたのだ


まして、数百を超える生徒の中で
学年の違う上級生に誰が居るのかなど 知る由もなかった




「・・・・そうだったのですか
 お心にかけて頂き光栄です」

シュリが上げた頭をもう一度下げる




その返事にナギは満足そうに何度もうんうん。と頷くと
「では、ガルシア
 そういうことだ、数日よろしく頼む」
ガルシアへ顔を向けた


「・・・・・はっ・・・・・・・
 ・・・・・・仰せの、ままに・・・・」



事の進みに言葉を失っていたガルシアは
乾いた口でそれだけ返事をするのがやっとだった






華燭の城 - 93 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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