0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 70

使用人棟は確かこの廊下の先を・・・・

広い城内を記憶だけを頼りに歩いていた


だが入り組んだ複雑な造りの城内で、どこまでも続く似たような廊下
そして痛み続ける体
何も羽織らず飛び出してた寒さが シュリの体力を余計に奪っていた





何十分経ったのか・・・・
足が動かなくなり廊下の壁に肩を預け ハァハァ・・と息を整えた
胸の傷が酷く痛み、右手で胸元をグッと握り締めると
あの鍵に指が触れる

「・・・クッ・・・っ・・!」

複雑な形の鍵を思い切り握り込み、
掌に痛みの感覚を集中させてシュリは再び顔を上げた

完全に迷ってしまったのだろうか、それとも昼間との印象の違いなのか
見覚えのある場所は1つも無いような 孤独感に襲われる




どこだ・・・・ ラウ・・・・ 

どこにいる・・・・・!






「あの・・・シュリ様・・・・?」

その時、廊下の奥から声がした



「ああ、やはりシュリ様だ
 どうされました? こんな嵐の夜にこんな所へ・・・・」
 

ランプを持ち上げて、歩み寄ってきたのは、あの地下で会ったダルクだった
シュリは慌てて預けていた体を壁から引き剥がす





ダルクは側まで来ると深々を頭を下げた後、辺りを見回した


「あの・・・・ お一人で・・・?
 ラウはご一緒ではないのですか?」


「・・・ダルク、会えてよかった
 ラウの部屋へ行きたいんだが・・・・
 どうやら迷ってしまったみたいなんだ・・・・
 案内してもらえないか?」



寒さと痛みで震える声を懸命に抑え、平静を装いそう言うと
ダルクは 「お易い御用です!」 と
そのままシュリの足元をランプで照らしながら歩き始めた






「今、仕事が終わって部屋に帰るところだったんです
 まさかシュリ様に逢えるなんて」

ダルクは嬉しそうに、笑顔をみせる



「こんなに遅くまで・・・・?
 ・・・・・ ここでの暮らしは・・・ 辛くはないか?」


「いえいえ、とんでもない!
 ここの暮らしが辛いなどと言ったら罰が当たります
 先々代・・・・ いや・・・先々々代か・・・あーっと何代前だ・・・・」



ダルクは何か言いたげに 
しきりに指を折って数えながらブツブツと考えていたが
それをじっと見つめ、待っているシュリに気が付くと
正確な数字を出すのは諦めたのか顔を上げた



「・・・すみません・・・・
 ・・・・ 実は先代王から、今のガルシア王になられるまでに
 陛下の兄上に当たられる3人の王が居られたのですがね
 皆様、お若くして急逝されたものですから・・・・・
 一時はどうなるのかと思っていたのですよ」


「3人もの兄王が?」

 
「ええ、数年の間に次々と亡くなられまして・・・
 流行り病いとはいえ、本当にこの国は悪魔にでも呪われているのかと・・・
 それが4兄弟の末皇子だったガルシア陛下が即位されてやっと、
 この国も落ち着いたのです
 ・・・・あ、シュリ様、そこ・・・お気をつけ下さい」


ダルクはシュリに足元の段差に気を付ける様に促してから
またゆっくりと先導し始める



「そこからの陛下は本当に素晴らしかった
 それまでは 帝国の一小国に過ぎなかったこの国を、
 あっという間に ここまで大きくされたのは全て陛下のおかげです
 産業も農業も、広大な土地も、それに多くの国民も・・・・!
 これだけ豊かな大国の城で働けることは、
 喜びでこそあれ、辛い事などありません」


「そうか・・・・ 全て陛下のおかげか・・・・・」


以前ラウも同じ様な事を言っていたのをシュリは思い出してした

ただ、その平和の陰で・・・・
侵攻された側の国の者が、本当にその後も、今も・・・ 皆幸せであるかどうか・・・
虐げ(しいたげ)られた者は居ないのだろうか・・・




「そして、今はシュリ様のおかげでもあります!」

フッと俯くシュリを他所に、ダルクが嬉しそうに声を上げる



「私は、何も・・・・」


「いえいえ!
 国は大きく豊かになりましたが、今度は陛下の妃様達・・・
 世継ぎ様も居ないまま、7人もが相次いで亡くなられた時には
 ずっと葬儀続き・・・・ 国中が喪に服し、皆 笑う事を忘れた様でした
 だが神は我々を見捨てはしなかった
 神ご自身が・・・ シュリ様がここへ降り立たれ、来て下さった!
 この城にも国にも、ようやく春がきたのです


 ・・・・ああ、私ばかり勝手な話を・・・・ すみません!
 ここがラウの部屋です!」


長い話が終わる頃、ダルクはある一室の前で立ち止った



ドアノブに手をかけるが、鍵が掛かっているのか
ガチャガチャと音を立てるのみで開かない


「ラウ!おいラウ!? 居ないのか?
 おかしいなぁ・・・・ 鍵なんて掛けて・・・・」

寝てるのか?とダルクが独り言の様に呟き


「おーい、起きろーーー!具合でも悪いのかー?」

ドンドンとドアと叩きながら呼びかけた時


「・・・・どうした?」

背後で・・・・ 廊下の最奥の暗がりの先でラウの声がした



「おお!居たか、ラウ!」

振り返るダルクとシュリの視線の先に
外から戻ったばかりなのか 雨に濡れたラウの姿があった







華燭の城 - 71 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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