0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 61

城のずっと奥・・・・ 
緩やかに丘を上り、長い長い石畳を進んだ先
そこに黒い鉄柵が巡らされた一帯があった

その柵の1箇所が門になっていて、中へと入れる様になっている

ラウはその鍵のかかっていない小さな門を開け
シュリを中へと招き入れた




そのまま城の裏手へ回り込む様に角を折れると
そこは丘の最先端で、目の前に広大な景色が飛び込んでくる



「湖・・・」

シュリの部屋からは城の陰になり全く気が付かなかったが
城の裏には その全貌が一度では掴みきれない程の巨大な湖があった

城が建っている湖のこちら側・・・
手前はやはり今までと同じ石畳だったが
向こう側・・・・ 湖の遙か遠くの対岸には 豊かな森が見えていた

今、シュリ達はその広大な湖を見下ろす丘の上に居た




「森だ・・・・」

久しぶりに見る緑豊かな自然に、シュリが目を輝かせた




「ラウ・・・・・ ここは・・・・」

「ここは男子王族専用の墓地です
 これだけ大きな湖があれば、火を放たれてもここまでは届きません
 ですから対岸の森は そのまま残っています」




遠くの木々が風に揺れている
静かに植物の匂いのするその風が 頬を撫でる

耳を澄ませば 湖面を渡る水音

その水音は遠い神国の湖をシュリの脳裏に思い出させ
遥か対岸の葉を揺らす風音に、さえずる鳥の声さえも聞こえる様な、
そんな錯覚を起こさせた




「なんて良い風だ・・・」

シュリは思わず深呼吸をした





それを数度繰り返し、身体いっぱいに緑風を含んだシュリは
嬉しそうにラウの方へ首を巡らせた


「ありがとう!ラウ!
 こんな景色が見られるとは思ってもいなかった!」

「喜んで頂けましたか?」

「ああ、もちろん!」



喜ぶシュリの姿を見ながら微笑むラウの後ろには
たくさんの白く四角い石の墓標が、石畳の上に直接置かれ並んでいた




「男子だけの墓地って言っていたな? 
 墓まで女性は別なのか?」

ゆっくりとその墓標へ近付くシュリの後をラウが追った



「はい、陛下の命で
 妃様達女性の墓は全て城外の別の場所に移されました」

「亡くなってまで、そんな事を・・・・」





シュリが 足を止めた

どの墓も無造作で、手向けの花らしき物さえ 1つも無い
適当に、形式だけに、仕方なく、地面に石を置いた。
その類の形容がふさわしい閑散とした風景だった




その事にもシュリは違和感を覚えたが
それ以上に異様に思えたのは その墓石、そのものだった

足元の墓石は不揃いで 大小さまざまな大きさがあった
そして一番異質なのは、
どの墓標にも 書かれてあるべき名前が無い事だ
・・・いや、その部分が削り取られた跡があるからだった



「大小あるのは、亡くなった年齢に応じて大きさが違うからです
 小さいのは子供の墓です 
 名が削られたのは・・・ それも、陛下の命です」

無名の墓標をじっと見つめるシュリの様子に ラウが説明をした





「ガルシアが・・・?」


「はい・・・
 死者は汚れに満ちた亡者・・・・
 現世での名を付けたままにしておけば、
 いつまでもこの世に遺恨を残し
 生きている者に災いをもたらすと・・・・
 そう言われ、死者から全ての名前を剥奪したのです」


「そんな・・・・!
 死者は災いをもたらしたりはしない
 それどころか、神に召され我々を守ってくださる存在だ・・・!」




シュリは悔しそうに俯くと、一番小さな墓の前で跪いた
その小さな墓でさえ、名前が無残に削られている



「酷い・・ この子はなんと言う名だったのだろう・・ 
 可哀想に・・・・・」



シュリはわずかに残った BともSとも判らなくなった
読めない文字を指でなぞると、
胸のポケットにあった薄蒼の花を その墓標の前にそっと置いた

そして両膝を地面につけ、手を組み祈りを捧げる





「ラウ・・・
 もしまた城内の花を手折る事があったら・・・
 その時は捨てるためではなく、ここに・・・
 この子等にたむける為に摘んで来て欲しい」

そう言って顔を上げた



その言葉にラウは少し驚いた表情を見せた



「・・・わかりました シュリ様」

シュリのその姿をじっと見つめていたラウも心悲しげだった






華燭の城 - 62 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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