0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 60

城の正面の棟・・・ 
公用の館の大きな扉が開くと 少し冷たい風が顔にあたる



「寒くないですか?」
ラウがシュリの傷を心配し声を掛けた



「神国は温暖な国だと聞いた事があります」

「そうだな、私の国はここより暖かい、日によっては暑い日もある
 でも、ここも・・・ 昼間はまだ平気みたいだ」

石畳の庭を歩きながらシュリが答える




「そうですね、この国は 日が落ちると一気に気温が下がりますが
 日中ならまだ凌げる(しのげる)かと・・・・・」

言いかけてラウが急に言葉を止めた





「・・・?  どうした?」

ラウは何も言わずに 杖を支えにして その場に片膝を付くと
地面へ手を伸ばした

その手の先・・・・
石畳の隙間の わずかに残った土の間から
小さな薄蒼の花が顔を覗かせていた



「花・・・・・!」
シュリも嬉しそうに屈み込もうとした時だった



プツ。。



小さな音を立ててその花は ラウの指で手折られていた



思わず 「あっ・・・」 とシュリが声をあげる





「どうして・・・・ どうしてだラウ! 何故 折った!」

いきなり大きな声を出すシュリに
今まさにその花を捨てようとしていたラウは不思議そうに顔を向けた





「どう・・ して・・・・  ですか?」

「そうだ! こんなに寒い場所で、懸命に花をつけたのに!」

唇を噛んで 真っ直ぐな視線で抗議するシュリのその悲しそうな瞳に
ラウは 少し困惑しながら 「申し訳ありません」 と答えた



「ただ・・・ ここでは・・・・
 城内では草も花も木も 
 種が落ちる前に全て根絶やしにしてしまうのが決まり
 陛下のご命令ですので、皆そうしております」


ラウが静かに頭を下げる


「草も花もみんな・・・・・?
 だからここの庭は一本の木さえ無いのか・・・
 どうしてそんな事を・・・・」


何もない、ただ無機質な石が敷き詰められただけの
冷たい広い庭を見ながらシュリが呟いた

そして その冷たい場所へ
今まさに捨てられようとしていた ラウの指先の小さな花

それをすくい取る様に シュリが両手を差し出すと
置かれた感覚さえ感じ取れない程のか弱い花が
そっとその手に乗せられた




「樹木は燃えます
 花も草も同じこと
 戦になり火を放たれれば ひとたまりもありません
 ですから、ここにあるのは燃えない石だけなのです」


「・・・・戦、戦・・・・・・
 ここは・・・ この国は全てが戦の為にあるのか・・・・」


シュリは悔しそうにそう言うと
手の中の小さな花を一度 両手で包み込み、何かを小さく呟くと
自分のシャツの胸ポケットへ挿し入れた




「城の外には 山も川も木も・・・・ 自然はたくさんあります
 街には花も草も広場も公園も・・・・
 無いのは塀の中、城内だけです
 この国の全てがそうだとは・・・・ 思わないで下さい」

少し寂しそうなラウの声だった




シュリは小さく息を吐き 「大きな声を出して悪かった・・・・」と
諦めたように言うと、ゆっくりと歩き始める

それを追うようにラウも後に続いた






「私も街に戻れば花を愛で、木陰で休みます
 なのに・・・ 城内では、これが当たり前だと思っておりました
 いつの間にか、少し感覚が麻痺していたのかもしれません」


確かに、城内に樹木や草花が無いことを不思議に思ったことなど
一度も無かった
特別に見たいと、そう願った事さえも無かった
そういう物は 街に戻ればいくらでも普通にあったからだ


だが、この皇子は違う
ここから出られないのだ・・・・
もし陛下が城外へ出る事を認めなければ、
もう一生 草花や木に触れる事も、見る事もさえも出来ない・・・・

それは大袈裟ではなく、
ガルシアの性格を知っていれば 十分に可能性がある事だった




 
それで木が見たいと・・・・
以前シュリが呟いた言葉をラウは思い出していた





「シュリ様・・・・  城の裏手へ参りましょう」

「裏・・?」

黙ったまま前を歩くシュリにラウが声を掛け 横へ並ぶ



「はい、手は届きませんが・・・ きっと喜んで頂けるかと・・・」






華燭の城 - 61 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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