0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 58

翌日 二人は部屋を出た


食があまり進まないシュリを見て
ラウが 「また外へ出てみられますか?」 と声をかけたのだ

何もない城内で シュリの気持ちをほぐすには
それ以外 出来る事はなかった

それに対するシュリの答えは ”また使用人棟に行きたい” だった







使用人達の作業棟・・・

先日行った地下階段へと続く廊下を 二人が並んで歩いていると
正面から1人の少年がこちらに歩いてきていた



その少年は 腕に抱えた茶色の紙袋の中を
嬉しそうにチラチラと覗き込みながら、
まっすぐこちらに進んでくる

シュリ達が前から来る事など、一向に眼中にない様子で・・・・

そして案の定 2人とぶつかる寸前に
「こら、ロジャー」  とラウに呼び止められた





「ちゃんと前を見て歩きなさい」

「あ!ごめんなさい!ラウ!
 今 焼き立てのパンを貰ったか・・・・・」



言いかけ 顔を上げたその瞳にシュリが映る

と、みるみるうちに頬を紅潮させ
まるで 一瞬で春が来たようにキラキラと目を輝かせた





「あ・・・!! あ・・・ あ・・・!
 シュリ様・・・・!? シュリ様ですよね!!
 ・・・・ だよね!  ・・・ラウ!!」



ロジャーと呼ばれた少年は飛び上がらんばかりに
屈託のない笑顔を向けシュリ達を見上げる



「ああ、そうだよロジャー、シュリ様だ」

「やっぱり!!! 
 みんなは この前、シュリ様が来て下さったって喜んでたけど
 僕は学校だったから会えなくて・・・・
 あ・・・! あ・・・ あのっ・・・!  シュリ様っ! 
 よければ僕も握手を!!」


既に真っ赤になった顔で手を差し出した





「ロジャーもここで働いてるのか? 偉いな」

シュリが片膝を付き、少年と視線の高さを合わせて
差し出された手を両手で握ろうとすると


「あ、まって!」

ロジャーは 慌てて一度手を引っ込めると
ゴシゴシと自分のズボンで手を拭い 改めてその手を差し出した




「あ、うん! じゃない・・・ えっと・・ はい!
 今、学校が終って帰ってきたところで・・・・
 これからお昼を食べて・・・
 そのあと下で仕事です!」

少年は手を握られ、更に赤みを増した顔のまま 満面の笑みを見せた





「そうか、じゃあ たくさん食べないとな」

シュリが立ち上がり頭を撫でる


「わぁぁぁ・・・・・」

シュリに頭を撫でられたロジャーは
緊張と恥かしさに完敗し、視線を逃がすようにラウを見上げた




「あ・・ あの・・・ ラウ? 
 これからどこへ行くの? もうお昼だよっ?」

「ん? そうか、もうそんな時間か・・・ 
 シュリ様を・・・・  城内を案内していたんだが・・・
 迂闊(うかつ)だったな・・・・・」





部屋を出た時はまだ午前中だった
シュリの体を思い ゆっくりと歩くうちに
知らぬ間にかなり時間が経っていたらしい

私としたことが・・・・ と
ラウが申し訳なさそうにシュリの方を見遣った




「私なら構わない、あまり食欲もないしな・・・」

シュリが答えると 「だめですよおー!」 返事をしたのロジャーだった




「シュリ様もたくさん食べないと・・・ ですっ!
 ・・・・・・あっ。そうだ!」

少年は何かを思いついた様に
自分が抱えていた紙袋の中に手を突っ込むと
そこからパンを取り出し、パカリと2つに割った



「今 焼き立てを街で貰ってきたんです!
 売り物にならないやつだから 見かけはちょっと悪いけどー
 これ、すごく美味しいんですよ!!」


言われてみれば パンの上に小さなコブの様に飛び出した部分があり
そこが少し焦げている



ロジャーは大小、大きさの違う2つになったパンの
大きい方を、躊躇い(ためらい)もせずシュリに はい! と差し出した

焦げ目は少年の手の中、小さい方に残っている


そして 「いい?」  と、ラウに尋ねる様に視線を渡した




この国で王族・・・
今はガルシアとシュリの食事は、専属の料理人が選ばれている
そこでは材料も調理工程も、全てが厳しい監視の下で行われるのを
下で働く者は皆、当然の様に知っている

それを踏まえての ロジャーの 「いい?」 だった

ラウが優しく微笑み小さく頷く




管理下にあると言っても、余程の緊迫状態・・・ 
例えば外国との戦時下や内戦でもない限りは
本人の意志も ”ある程度は” 自由に尊重される

いつ、どこまで・・・・
それを見極めるのも 世話役としてのラウの務めだったが
この状況で、この年端も行かぬ子が毒などと考える訳もなく
ラウはロジャーが嬉しそうに笑うのを黙って見ていた






華燭の城 - 59 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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