0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 44

シュリの願い、想い・・・・
それは自身の為ではなく、全てが世界中の国の為、信仰の為・・・
シュリの背負ってきた運命の重さを知って 「そうなる事を私も祈ります」
ラウはそう返すのがやっとだった



場の音が冷たい風だけになる




「それで・・・・・」 重い沈黙を嫌う様に、ラウが口を開いた





「それで、シュリ様はあれほどにお強いのですね」


「さっきの・・・ あれか・・・・」


「はい
 幼い頃より修練されたシュリ様に、私が身の程知らずでした」


「確かに、先のあれは神儀の双剣術だ・・・
 普段の戦さに使う物ではないが
 百鬼と戦う為に実戦的にできているからな・・・
 ・・・そしてあれは・・・・
 ・・・神儀以外で表に出すことも禁じられている神国の秘匿・・・・」



そのシュリの言葉にラウが驚いたように顔を上げた



「でしたら・・・
 そうであるなら、あの様な場で他者に見せるのは・・・」


「そうだな・・・
 何故あの場で双剣を握ったのか、と聞かれたら・・・
 純粋な目で真摯(しんし)に剣術を学ぶ者達に、私の剣技が・・・
 何か少しでも役に立つならと思った・・・・・

 ・・・・と言えば聞こえが良いかもしれないな・・・・」


「・・・シュリ様?」




ふっと自嘲の笑みを浮かべたシュリの顔を
ラウが心配そうに見詰めた





「何故だろうな・・・・
 急に虚しくなった・・・・
 幼い頃から血の滲む思いで修練してきた剣術が、もう無用になった
 私の存在その物が無意味になった
 私の行ってきた事、全てが・・・・

 そう思うと・・・・
 最後に誰かに見て欲しいと・・ 思ったのかもしれないな・・・・

 神の子としての 不可侵不犯の掟を破ってしまった私には
 もう何一つ許されないのだから・・・」



そこまで言うとシュリは再び笑みを浮かべた
それは全てに絶望した悲しい微笑みだった





「その様な事は・・・・・
 ・・・・シュリ様ご自身の望みは・・・ 何か無いのですか・・・?」


小さく息を吐くシュリの横顔に、ラウが慰めの様に問いかける
国の為ではなく、自身の為の望みをと・・・

だがシュリは、柔らかく笑んで、ラウに顔を向けた



「私に、何かを望むなど・・・ もう許されはしないだろう?
 だがもしできると言うなら・・・・・・
 できれば・・・ せめてもう一度ぐらい神国へ戻り
 皆の元気な顔を見たいと・・・そう思うだけだ・・・」




ラウは言葉に詰まり、もう何も言い返せなかった

その場凌ぎの慰めで、望みを聞いておきながら
そのささやかな答えさえ、自分は叶えてやることが出来ないのだ



「申し訳、ありません・・・・」

頭を下げる事しかできなかった




「ラウが悪い訳じゃない
 謝らなくていい
 それに少し、話し過ぎた・・・・
 ・・・・・・ごめん・・・今のは忘れて・・・・・」


「シュリ様は、どんなお姿でもシュリ様です
 私は神国の掟は存じませんが
 この国においてのシュリ様が
 皆の希望であることには間違いないのです
 だから・・・・・・」
 


「ありがとう、ラウ・・・」


悲し気なその笑みにラウはそれ以上は何も言わなかった
再び静寂が訪れ 冷たい風音が二人の間を走り抜けて行く








「・・・寒くなったな、部屋へ戻ろう」

その空気を払拭するように、シュリがラウの顔を覗き込み、
棟の方へ小さく首を傾げながら微笑んで見せた

それはもう、いつもの穏やかなシュリのものだった




「はい」
ラウも顔を上げた

 

「そういえば・・・・
 シュリ様への謁見の件ですが ・・・許可が下りたそうです」


「・・・それは本当か?」

話をしたのは今朝の事だ

その回答の早さと
何よりも外の人間との交流を許された事に驚いたのだった




「あれほど情報が漏れるのを恐れていたのに・・・・」


「はい。
 ですが勿論お一人では・・・
 必ず陛下付きの側近の方が3名以上、お側に・・・・
 というのが条件との事です
 陛下としても外国からの来賓を
 そう無下にお断りもできないのではないかと」


「ガルシアの側近は、そんなにたくさんいるのか?
 公務に同行して行った者もいるんだろう?」


「側近の方は、名は側近ですが 言わば陛下の私兵
 その人数・構成とも 正確には公表されておりません
 噂では、10人とも20人とも・・・・」


「私兵か・・・ 確かにその方がピッタリだな」


シュリの脳裏に あの車で一緒だった黒服の
屈強なオーバストの姿が蘇っていた






華燭の城 - 45 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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