0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 29

「シュリ様! お目に掛かれて光栄でございます!

 私はこの国で もう数十年、
 陛下の一番のお側にお仕えして参った重臣
 名をヴェルメ!と申します!

 20代で爵位を拝領致しましてから、陛下の覚えもよろしく、
 これからは今まで以上に!シュリ様にもお仕えしたく
 本日ここに参上致しました!
 そして、これはうちの愚息でございます!」




隣で身を固くし、首をすくめる様に頭を下げる男の背中を
ヴェルメはグイと押し出した




「年もシュリ様の2つ上と近こうございますので
 これからはシュリ様の良き話し相手・・・・
 いやいや・・兄同然として!
 何かとお力になれるかと存じます!

 生まれも育ちもこの国ですので
 わからない事は何でもこの息子に!
 どうぞ、御見知り置きを!」




「・・よ・・・・ よろしく、お願いします・・・」




息子の方は 父親の勢いにかなり押されてはいたものの、
少々甲高い声で、父親そっくりの赤毛の頭を深々と下げると
握手を求め おずおずとその手を差し出し・・・ 出そうとした






「シュリの話し相手だと・・・?」

それをガルシアの低い声が止めた


「兄!?
 ふざけた事を言うでないわ!」



その芝居がかった挨拶に 初めから辟易(へきえき)していたのか、
ガルシアの一喝に 一瞬で場内の空気が張り詰める


この国王の怒りを わずかでも身を持って知っている自国の者は、
要らぬ火の粉を浴びぬ様、
他国の来賓には気づかれぬ程の静かさで
ほんの数歩だけ、そっと身を引いた




そんな人垣の中央で、ガルシアは益々その声の音量を上げていた




「おい! 我が息子シュリは 神の子ぞ
 お前の子などと同じにするでない、格が違うわ!」


「・・ひっぃ・・・」

ガルシアの怒声に ヴェルメはビクンと身を震わせる





「も・・・・ 申し訳ございません・・・・・!!!
 で・・・でも、陛下・・・ しかし・・・・・」



「うるさい!
 覚えよろしくだと? 
 お前の事で覚えているのは、
 長年仕えている割には 一人では何も出来ず、
 一つの功も挙げられぬ 役立たずという事だけだ
 ああ、そうだ・・・
 人一倍 口うるさい のはハッキリと覚えているがな
 そもそもだ、今日、お前を呼んだ覚えはないのだが?」



「・・そ ・・・それは・・・その・・・・
 何かの・・・・手違いではないかと思い・・・・・」



言いかけ、垂れた頭をチラリと上げたが、
上からじっと見下ろすガルシアの鋭く冷たい目に気がつくと、
すぐにその視線は 助けを求める様にキョロキョロと床を這った


だがそこに 助け船を出す命知らずな者など在りはしない




「あの・・・・・ 父・・ 上・・・・?」


シンと静まり返った場内で
赤毛の息子も ただオロオロと父親を見つめる
その視線に報い、何か反論しなければ・・ とでも思ったのだろうか
ヴェルメは息子の手前、必死に口を開いた



「しか・・・・ しかし・・・・・・
 あっ・・・・・・   いや・・・
 きょ・・・  今日は・・・・  こ・・・・・これにて・・・・・
 ・・・・・・・ おい・・・ 帰るぞ・・・」



だが言葉になったのはこれだけだった




ついに居たたまれなくなったのか
半音高い声でそれだけ言うと、
髪と同じ赤に染まった顔のまま、唇を真一文字に結び
差し出したまま宙に浮く息子の袖を引いた



「は・・・ はい・・・父上・・・」

二人はコソコソと頭を下げ、体裁悪そうに後退って行く





「可愛そうに、あの方はもう終わりだな・・・」
そんな声が広間の隅でボソボソと聞こえていた


ガルシアはその姿を見ながら
周囲の目も気にせず、豪快な笑い声を上げた


「あいつはな、
 いつもワシに 世継ぎ、世継ぎと口うるさく言っていたのだ!
 やっと鼻を明かす事ができたわ!!」



咆哮するガルシアの隣でシュリは、
その高慢な声に僅かに眉を顰め(ひそめ)、目を伏せた

が、場内は機嫌を直したガルシアの様子に
複雑ながらも安堵の空気が流れ、
そして、それはいつの間にか 元の祝宴の歓喜へとすり替わり満ちて行く


再び華やかな管弦が鳴り響いた







宴が終わりを迎えたのは、城の背にすっかり陽も落ちた後だった

シュリを従え、上機嫌で広間を出たガルシアは
扉が閉まると同時に振り返った



「よくやったシュリ、合格だ 
 今日はまったくもって愉快、気分がいい! 祝杯をあげるぞ!」


そう言うと、廊下に控えていたラウに
「今日も必ず連れて来い」  そう小さく言い残し
大きな体を揺らしながら 側近達と共に廊下へと消えて行った






また・・ あの部屋へ・・・・


シュリがラウの方を振り返る
が、ラウは無言のまま頭を下げたままだった






華燭の城 - 30 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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