0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 27

「そこ!どうなってる!早くしろ!時間がないぞ!」


大声で指示を出す一人の男が 階段の入口にふと目を留めた
そこに立つ二人の姿を見つけると手を止め、走り寄って来る


「ラウ・・・・ 
 こちらは、も・・・もしかしてシュリ様か?」


それにラウが頷くと


「おお・・・・ なんという事だ!!
 こんな所にまでわざわざ・・・・!」


その男は慌てて帽子を取ると 

「俺達はその・・・
 ”礼” というもののやり方を知らなくて・・・・すみません!」


そう言いながら大柄な体を腰から真半分に折り曲げ、
深々と頭を下げた






男の言う”礼”とは 兵士が 地に右膝を付き、
右手を胸に当てて主に跪く(ひざまづく) という物の事だったのだろう

この国でこれを行っているのは
軍務にあたる・・・ 腰に剣を下げた兵士だけで
剣を持たない人間、いわゆる行政を執り行う役人である官吏は
深く頭を下げるだけの礼をする

右膝を地に着けば、おのずと左膝が立ち
左腰に携えた長剣を抜くには邪魔になる

主に刃を向けさせない為、それがこの”礼”と呼ばれる物の本質なのだが
使用人であるこの男は、
自分も兵士流の礼をしなければ・・・ と思ったのだろう





 
「そんな事は気にすることはない」

シュリがそう言うと、男は嬉しそうに顔を上げた




「お、俺なんかにお言葉を・・・・!
 あ・・・ ありがとうございます! みんな! シュリ様だ!
 シュリ様がお越しくださったぞ!!」
 

その声に地下で仕事をしていた使用人達は 驚いた様に顔をあげ
エプロンで手を拭いながら走り寄ってくる




「シュリ様だ! なんということだ!」

「本当にシュリ様だ!」

「なんとお美しい!」

誰もが皆、驚きを口にし、何度も何度も頭を下げた



それまで 抜けきらない体のだるさで口数も少なく
表情も辛そうにしていたシュリが
その輪に囲まれるとニコリと微笑んだ




「ああ・・・ シュリ様! 我が国の救世主よ!」

その微笑みに歓声が上がる





「あ・・・ あの・・・ もしよろしければ・・・・」

終い(しまい)には神のご加護をと、
恐る恐るながらに握手を求め 手を差し出す者まで出始めた

一瞬、シュリの表情が曇る
それは本当に僅かで、刹那の事だったがラウは見逃しはしなかった




「おい、さすがにそれは・・・」

「ラウ・・・ 構わない」

使用人を止めようとするラウの声を シュリが小さく制した
そして差し出される一人一人の手を
丁寧に握り返し、声をかけた



そんなシュリの姿を見たい、声を聞きたい、触れたいと
集まる者は増える一方で、
次から次へと途切れることの無い人垣が 幾重にも出来上がっていく






「シュリ様、そろそろお時間です
 お部屋に戻って 午後からの支度をしなければ・・・
 悪いがダルク、みんなを引き上げさせてくれ
 もう時間だ
 お前も仕事があるだろう」


ラウが困惑気味に、ダルクと呼ばれた・・
最初に声を掛けた責任者らしき男に助けを求める程
シュリを囲む人間は増えていた




「・・・ああ! そうだ、そうだな!
 興奮してしまって・・・つい・・・
 
 シュリ様、本当に、本当に!ありがとうございました!
 ・・・おい! みんな時間だ! 仕事に戻れ!
 陛下とシュリ様の為の宴の準備だ!
 しっかりと準備してくれ!」


ダルクが大声でそう叫び、皆を持ち場へ戻らせるまで、
シュリはずっと使用人達の手を取っていた








地下から上がると、シュリは壁に体を預け
一つ大きく肩で息をした


「大丈夫ですか?
 まさかあれほど集まって来るとは思いませんでしたので・・・
 ご無理を言いました、申し訳ありません」

ラウが頭を下げる


「大丈夫だ、私が行きたいと言ったんだ
 熱気には少し驚いたが・・・」




そして、もう一度深く息をしてシュリが呟いた



「・・・・・・私は・・・ 
 本当に救いの主だと思われているんだな・・・」

「はい、シュリ様の存在こそが 今の皆の拠り所なのです」

「でも・・・・ 私には・・・ もう神である資格はない・・・・
 ガルシアの・・・ あの手で触れられたこの体にもう神は・・・・」



昨夜の事を思い出したのか、シュリの体が小さく震える
皆の手を取る事に、一瞬躊躇したシュリの理由だった



「いいえ、皆のあれほど嬉しそうな顔、長いこと見た事がありません
 ありがとうございます」



下げた頭を戻しながらラウが続けた


「・・・しかし、さすがでいらっしゃいますね
 人前に出られると、どれほどお体が辛くとも笑顔で応対される
 これから行われる宴でも、その様に・・・・」


「わかっている・・・
 私は ”自らやって来た この国の幸せな跡継ぎ”を演じる・・・  
 ・・・ だろ・・・」






華燭の城 - 28 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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