0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 23

膝を抱え、その上に両腕を組み、顔をのせて
パチパチと爆ぜ、
小さな炎をあげ燃えていく薪を シュリはただじっと見つめ続けていた



まだ数日しか経っていないというのに
あの神儀を舞った日が 遥か昔の様に感じられる



父は・・母は・・・ 弟は・・・
そして国の民は、どうしただろう・・・ 
本当に、皆 無事なのだろうか・・・


ガルシアが乗り込んで来てからの出来事が 走馬灯のように蘇る





そういえば・・・
ここに着いた時は、もうこの暖炉にも火が入っていて
部屋は暖かだった・・・


この部屋・・・ 積み上げられた薪も
ラウが全て一人で用意したのだろうか・・・
脚が悪いのに・・・


そんな事を考えながら目を閉じた
体は酷く疲れていたが、やはり眠る事はできなかった




頬に感じるわずかな炎の温もりだけが、シュリの気持ちを慰めていた










カチャ・・・

暫くして扉が開く音でシュリは現実へと引き戻された
コツコツと聞こえる杖の音・・・ 


ラウ・・・・ 来てくれた・・・ のか・・・

心のどこかでホッとする自分が居た






「シュリ様、こんな所でおやすみに・・・
 やはり、暖炉の火が落ちかけていましたね・・・・・」


ラウは膝を抱えたままのシュリの横に跪く(ひざまづく)と
くすぶる暖炉の床を均(なら)し、器用に薪を積んでいく





「・・・上手いものだな・・・・・」

シュリがポツリと呟いた



「起きておられましたか・・・」

ラウが上掛けを頭まで被ったシュリの顔をそっと覗き込む







「やはり眠れないのですね
 そう思って・・・ これを持って参りました」 

手にしたカップをシュリに差し出した



「これは・・・・?」

膝の上に頭を置いたまま ゆっくりと見上げるように首を回す



「これは 私の家の、秘伝の薬湯です
 気持ちが落ち着き、痛みも楽になります
 着替えも持って来ました
 これを飲んで・・・・ そうすればすぐに おやすみになれます」




シュリは黙ったまま 上掛けの隙間から手を伸ばした

カップを受け取ろうとするシュリの手が 差し出すラウの指に触れる
その指は氷の様に冷たい・・・・





「ラウ・・・・・? 本当に・・・・ ずっと廊下に居たのか?」


「あ、はい、薬湯と着替えを揃えてからはずっと・・・
 お声があるまでは・・・ と思っていましたが
 暖炉の火が落ちたのではと思い・・・
 許可も無く、勝手に入って申し訳ありません」


シュリは黙ったまま小さく首を横に振ると
両手でそのカップを受け取り 口をつけた




「・・っ・・ 苦っ・・・・・・」

眉をひそめるシュリに  「薬は苦いものです」 と
ラウがその様子を静かに見つめる


「これは一息に行かなければ
 味わっていては飲めませんよ」

そう促すラウの顔を見ながら シュリは残りも一気に胃へと流し込んだ




「・・・・酷い味だ・・・・」

顔をしかめながら空になったカップを返すと
「よくできましたね」
受け取りながらラウが静かに微笑んだ



その、まるで母親の様な言い方に シュリも思わず表情を緩めていた

そしてその顔に、ラウもまた安堵の表情を見せる





「・・・ラウ・・・ さっきは出て行けと・・・ 酷い事を言った・・・・
 すまなかった・・・
 お前も、使用人・・・・・
 ガルシアの命令に逆らえないのは私と同じなのに・・・・」



ラウは黙ったまま 燃え残っていた薪を火掻き棒で崩していた
その姿が シュリの視界で何故かユラユラと揺れ霞む





ラウは火室の床に薪を広げ終えると、ようやく振り返り

「私の事は気にしなくてよいのですよ
 私は シュリ様が今の様に
 穏やかに居て下されば、それで良いのです
 火の番は私がしますから、さあ・・・・ もうベッドへ戻りましょう」

そう微笑んだ




ラウに促され、立ち上がろうとしたシュリだったが
何故か体に全く力が入らず、視界は益々暗く、揺れは酷くなった

思わず、ガクンと前のめりに倒れかかり
傍らのラウの肩に手を付き体を支えた




「大丈夫ですか?」 

ラウがシュリを片手で抱きかかえるようにして 杖を付き立ち上がる



「ラウ・・・  さっきから・・・ 何か・・・・ 変だ・・・
 力が 入らない・・・
 体が・・・・ 息が苦しい・・・・・  
 ・・・・ 天井が・・・・・・苦し・・・」


「それは 先程の薬湯が効き始めた証拠です
 しばらくすれば治まります
 今なら、すぐに眠れますよ」




ラウは動けないシュリを抱き上げ ベッドまで行くと
手際よく夜着を着せる

薬湯の作用に喘ぐシュリを横にすると
上掛けをキチンと掛け直した



「今夜はここにおります
 ゆっくり眠ってください」




苦しさに肩で息をしながらも
その言葉にシュリは安心したように目を閉じた



そして意識を失う様に 深い眠りはすぐに訪れた






華燭の城 - 24 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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