0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

華燭の城 - 12

「・・・・・名前は? なんて呼べばいい?」

暫くの沈黙の後、シュリが口を開いた




「私はラウムと申します
 ラウ、とお呼び下されば・・・・・・」

「ラウム・・・?!」

男が頭を下げたまま答える中
窓の方に歩みを進めていたシュリが驚き 振り返った

 



「”ラウム”って・・・・
 まさか、あの悪名 ”悪魔鴉(カラス)” の”Raum” なのか?!
 その様な忌名・・・・ 
 それは本名なのか?!
 ファミリーネームは・・・・?!」


名乗る男の言葉を遮り、矢継ぎ早に質問を投げる声も思わず大きくなる







だがラウムと名乗った男は、顔色一つ変える事はなかった


「私はただの使用人
 私の様な身分の者に ファミリーネームはございません
 
 陛下は 周りの者に御自身で名前を付けられます
 今日、陛下とご一緒に神国から戻られた側近長の方・・・・
 あの方はオーバスト、 ”Oberst”・・・・ ”大佐” という意味で
 そう呼ばれていると伺った事があります

 陛下が私を呼ばれる名がラウム・・・ ”カラス” と呼ばれるのなら
 きっと この辺りでは珍しい この黒髪のせいでしょう」


思いがけないその静かな答えに シュリの方が言葉に詰まった




いくら驚いたとはいえ、そして いくら相手が使用人であるとはいえ、
初対面の者にいきなり
『お前の名は悪名だ、悪魔だ』 とは、あまりにも非礼である
 



「・・・そう、 か・・・・・悪かった
 ・・・・余計な事を言った・・・・すまない」

そう謝るシュリに 



「いいえ、お気になさらず」 

頭を下げたままのラウの声が優しくなる
その澄んだ声に シュリもわずかに緊張の糸を解いた




「ありがとう・・・・ これからよろしく頼む、ラウ」

「はい、シュリ様」

ラウは顔を上げると 真っ直ぐにシュリを見つめ優しく微笑んだ







本来、皇子の世話をするのは侍従と言われる身分の者だ
一般の使用人が側に付くということはあり得ない

だが、シュリはこの期に及んで そんな事に頓着する気も
文句を言う気も 更々ありはしなかった

いや、それどころか 捕虜同然の自分に
世話人が付けられるという事だけでも驚きを持っていた



そしてもう一つ シュリの目を奪ったのは、そのラウ本人だった


年は20代後半ぐらい・・・ だろうか
使用人とはいえ皇太子の側で身の回りの世話をするのである
長身で細身の体にきっちりとスリーピースのダークスーツを着こなし
整った顔立ちに長い黒髪が良く似合う

暖炉の炎に映されたその姿・・・
左手に金属の杖をついて立つその姿に
シュリは何故か目が離せなくなり、暫く見つめ続けていた








「・・・どうされました?」

「あ・・・・ いや・・・・・・・・」


問いかけるラウから照れ隠しの様に視線を外し
目の前の窓に掛けられていた重厚なカーテンを引き開けた


そこにはあったのは・・・・


腰の高さ辺りから 高い天井まで届く大きな窓いっぱいに
頑丈に はめ込まれた鉄格子だった




 
思わず絶句した
囚われ人・・・・ やはり、そういう事なのだ


カーテンを握った拳に力が入る




黙ってうつむき、唇を噛むシュリにラウが近付き 

「シュリ様・・・
 ここでの生活について、
 少しお話しておかなければならない事がございます」

その手からそっとカーテンを取ると、ゆっくりと引き閉じていく






シュリは目を伏せたまま黙って頷き、
促されるままソファーに腰を下ろすと
ラウは右足を引きずるようにコツコツと杖をつき その側へ立った


「脚・・・・・ 悪いなら構わない、座ればいい」

シュリが向かいのソファーを勧めたが

「この脚は 子供の頃から・・・・
 多少、不自由はしますが 
 今はもう痛む事もありませんので、ご心配なく・・・・」

そう言ってラウは立ったまま話し始めた






華燭の城 - 13 に続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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