0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

刻印 -229

山を上り切り、頂上近く
駐車場になっている建物の中で浅葱は車を止めた

コンクリートの駐車場は 人の気配を全く感じさせず
ヘッドライトを消すと闇に近かった


「着いたぞ、匠」
車を降りると 浅葱はあの日と同じ様に助手席のドアを開ける





闇の中をスタスタと歩く浅葱の後に匠も続く
カンカンと甲高い音の鉄の階段を上がっていくと、その先に古びた鉄の扉があった


「帰ってきたんですね・・・ 浅葱さんの大事な場所」
「・・・・・ああ・・ 行こう・・」

一度、深く呼吸をした後 浅葱がドアノブに手をかける
軋んだ音をさせて扉が開くと、またあの つんざくような轟音が二人を包んだ





そこで匠が見たのは 
青い宝石を数千・数万・・・・・数えきれない程、幾重にも散りばめた様な
青く美しく輝く広大な夜景だった


「・・・ぅわっ・・・・・・・・」
匠はその見事さに思わず立ち止まり 息を呑む
手を伸ばせば その宝石が掴み取れるのではないかと思う程の近さだ

まだ完全とは言い切れない匠の目でさえ
その美しさと迫力は充分過ぎるほど感じる事ができた






そこは 巨大な工業地帯を直上から見下ろし一望出来る
丘の上の展望台のような場所だった
まさに工場の真上と言っていい程の近さで
心臓に響く程の轟音は この工場群の稼働音だった

鳴り続け、迫り来るような工場の轟音
陽が落ちた後の星空と 青い灯りが繋がり
じっと見つめていると上下感覚を失い クラクラと眩暈を起こしそうになる






「行くぞ・・・」
「あ・・・・はい・・・・・」

浅葱の声が轟音の中から微かに聞こえ
匠は置いて行かれまいと、速足で浅葱の後を追うが
展望台の照明はポツリポツリと数本あるだけで足元はかなり暗く
駐車場と同じくここも 全く出入りが無いらしい






そして目の前の夜景は丘の端へ進むにつれ輝きを増した

「すごい・・・・! こんな綺麗な場所 初めて見ました!」
感嘆の声を上げ、匠が前へ走り出ようとした時だった


「無闇に走るな、匠!
 そこは手すりが壊れている
 足を滑らせると崖下へ落ちる事になる」
浅葱に手を掴まれ引き寄せられる


目を凝らすと、暗闇の中に
途中から不自然に壊れ、半ば崩れ落ちた金属の手すりがあった


浅葱は黙ったまま匠の手を握り、慣れた足取りでその脇を抜け
先へと歩き続ける





暫く進むと 展望台の先端にポツリと小さな灯りがあり
その下に何かが建っていた

丘の陰に入ったのか、ずっと鳴り響いていた稼働音も
その場所だけは 少し音量を下げた気がする

浅葱はその場所まで匠の手を引いて行くと その像の様な物の前で足を止めた
それは台の上に建てられた1メートルほどの高さの十字架に似た物だった




「これは・・・・・・・?」
人の気配の全く無い こんな丘に・・・・ 匠が不思議そうに尋ねた



「ここは・・・ ジンが死んだ場所だ
 これは、俺達が建てた慰霊碑でもあり ・・・・・ジンの墓でもある・・・」

そう言いながら浅葱は 静かにゆっくりと十字架に触れる





「ここで・・・・ ジンさんが・・・・
 じゃあ、爆発の現場って・・ ここ・・・・・」



「ああ、ここはある会社の私有地で、さっきの駐車場は 従業員用のものだったが
 その先にあった夜景・・・・
 つまりここが 夜景スポットとして人気が出てな・・ 事件当時は解放されていた
 
 だがあの事件があってからは 関係者以外、立ち入り禁止だ

 入口に居た守衛は 当時のままの人で・・・ 俺の事も覚えていてくれている
 ここが荒れないように、定期的に手入れもな・・・・」



「さっきの手すり・・・・爆発で・・・・」
丈夫そうな金属の手すりがグニャリと曲がり堕ちていたのも
爆発があったと言われれば頷けた


「浅葱さん・・ 俺も手を合わせていいですか・・・?」
「ああ、きっとジンも喜ぶ・・・・」


浅葱は右手で 自分の上着の左胸を握る様にして目を閉じる
匠も 浅葱の横で小さな慰霊碑の前にひざまずき手を合わせた





匠が祈り終え、立ち上がると 浅葱はその左胸の内ポケットから何かを取り出す

「それは・・?」
尋ねる匠に 浅葱が手の掌にのせたそれを見せた


小さな灯り1つで照らされた浅葱の手の中には タグがのっていた




刻印 -230へ続く
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489.   管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014-01-26 |   [ 編集 ]
490.   
匠と浅葱の2人はもう見守るだけです。

でね、透!透はどこ!?ちょっとここに来て座って?1度しか言わないから、よく聴いてね?

「深月を襲えっ!!」

大人の魅力であのヘタレ小僧を落としてきなさいっ!
2014-01-26 |   [ 編集 ]
492.   
いつもコメントありがとうございます
長かったこの”刻印”も
明日で最終回になります。。
2014-01-26 |   [ 編集 ]
493.   
さくら様
いつもコメントありがとうございます
襲え・・・・・って・・・ww
2014-01-27 |   [ 編集 ]
コメントありがとうございます。励みになります!














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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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