0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

刻印 -158

そのまま 4人は待たされ続けた

入って来た扉の前に ずっとあの秘書の男が立っている

たぶん・・・ いや、100%・・ ここでの会話もどこかへ筒抜けだ
それがわかっていて誰も言葉を発する者はいない




部屋の正面に大きな扉が見えていた
あの扉の向こうが審議会会場・・・・


扉の両側には ガラスの大きな窓
位置的にいえば、ガラスの向こうも会場なのだが
今、ガラスの向こうは何も見えていない


マジックミラー・・・か・・・・?
ならば、操作は・・?
部屋の明かりさえ反射させない 真っ暗で何も映さない窓を見ながら
浅葱は男に悟られないように 目だけで部屋を確認していく


が、この部屋のどこにも スイッチらしき類のものは見当たらない
それどころか、正面にある大きな扉も
今 自分達が入ってきた入り口にも 取っ手さえない

全てがあのエレベーターと同じく
”住人” による遠隔操作か、声・・ という事か・・・



ゆっくりと観察を続ける浅葱と 正面に座るオヤジの目が合った
オヤジも 浅葱が確認しきれない背後を見ていたのだろう・・
同じ事を考えているらしく、二人は無言のまま小さく首を振った




浅葱の横に座る匠は 背中の痛みと熱さ、左腕の鈍痛と戦っていた
その目は わずかな影程度でしか認識できない扉に向けられている

あの向こうに・・ もしかしたらあの男が・・・
あの扉が開いたら・・・・
すでにこちらに武器はない・・・
無意識に押さえた左腕に力が入る



「すみません・・・少し洗面所へ・・・・」  匠が立ち上がると
1拍 間をおいて  「俺もだ」  浅葱も続いた

「・・・こちらです」  秘書が言うと同時に 何もしない出入り口の扉がスッと開く






「おい、中まで一緒に入る気か?」
トイレの前まで来ると 先に匠を中へ行かせた浅葱が
挑発するように秘書に言った

「いいえ、私はここで」
そう言うと男は 形ばかりの一礼をし
入り口の壁にピタリと背を向けて立った




浅葱が洗面所へ入ると 鏡の前・・・ 洗面台に両手をつき 匠が立っていた


「大丈夫か・・・匠・・・・」
浅葱が匠の肩に後ろから手をのせる

「・・・はい・・・・・」
匠は目を閉じ、何度か自分を落ち着かせようと深呼吸をするが
まだ胸がキリキリと痛み、思わず軍服の胸元を掴んでいた・・





「匠・・・深月と何があった・・?」
その声に匠がハッとした様に顔を上げる
自分の後ろに立つ浅葱が 鏡に映っていた

「・・・・いいえ・・・何も・・」
「そうか・・・」


浅葱は匠の肩を掴むと 自分の方へ振り向かせる
匠の目の前に浅葱の顔があった・・


「・・・浅葱・・・さん・・・・・」
悲しそうな瞳で自分を見る匠を 浅葱はそのまま抱き締めていた
匠の腕にも力が入る・・・


昨夜の深月の件から また気持ちが不安定なのは確かだった

いきなり襲われ、組み伏される恐怖
服を剥がれ、陵辱される悔しさ
そして、その力にまだ抵抗出来ない自分の体・・・

記憶の奥底に捻じ伏せたはずのその恐怖が
匠の中に わずかだが蘇っていた・・




浅葱に抱き締められ 深い呼吸を繰り返すと
匠は自分から浅葱の唇へ顔を寄せる
浅葱は 匠をしっかりと抱いたまま それに応える様に唇で匠に触れた

「・・・・・・・」
優しい唇が自分を包む



暫く唇を合わせた後、浅葱は匠の前髪にそっと触れ 額と額をつけた・・
その頬を両手で包むと

「大丈夫だ、匠
 お前の体の痛みは、全て俺が付けた・・・・ 忘れるな・・・・」 
浅葱の真っ直ぐな目が 自分を見つめていた

「・・はい」




洗面所の外で秘書は微動だにせず立っていた
「ご苦労な事だな」  浅葱が皮肉っぽく言うと
男は鋭い視線で浅葱を睨むが その表情は全く変わらない

「お前も相当なタヌキだな・・・」 浅葱がフンッと鼻で笑った





控え室に戻ると その音で深月とオヤジが顔を上げた
浅葱と深月の目が合うと、深月は逃げる様に視線を逸らす・・


こんな時に、自ら唇を求めてきた匠・・
昨夜、自分が匠の部屋を出た後に 深月との間に何かがあったのは間違いない・・

視線を逸らした深月を 浅葱はずっと見ていた




「時間です」 秘書の声と同時に奥の扉が開く




刻印 -159へ続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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