0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

刻印 -148

「・・・匠・・・ちょっと 外へ行かないか・・?」


浅葱は部屋から匠を連れ出すと
リビングのオヤジに声をかけ、その机から何かを受け取る


そのまま匠を連れて玄関を出た



マンションからは夜景が見えていたが
その風景は、匠にはまだ 闇でしかない
それでも 久しぶりの外の風は気持ちが良かった

目を閉じて夜風に当たっていると
浅葱は黙ったまま匠の手を握り、通路を歩き始めた


「浅葱さん・・・どこへ?」




1階の駐車場まで降りると、浅葱は一台の車の前まで匠の手を引く

「匠、見えるか?」


薄暗い駐車場に止まる黒い車体は 闇に溶け込み、ハッキリとはしない
しかしそれは紛れもなく
あの日 浅葱が路地裏の駐車場から引き上げてきた匠の車だった


「俺の・・?」
「ああ・・・お前の車だ」
「持って帰ってくれたんですね! ありがとうございます!!」
匠の声が弾む



浅葱が 握っていた匠の手の中に、オヤジから受け取ってきた車のキーを渡すと
匠は笑みを浮かべ ドアを開ける
フワリと自分の車の匂いがした




運転席に乗り込むと
背中の傷が痛まない様に、ゆっくりとシートに体を埋める


まだフロントガラス程度までしか見えはしないが
そこは間違いなく、懐かしい自分だけの居場所だった


エンジンをスタートさせると、重低音のアイドリングを始め
オーディオからは音楽が流れ始める

戻ってきた・・
やっと、この場所へ・・

匠は初めてそう体で実感していた


マンションの自室も、自分の部屋には間違いなかったが
就任当日に拉致された匠に、あの部屋での思い出はない


だが、ここは・・
本当に懐かしい 俺の場所・・




「まだ運転はダメだぞ・・・  乗ってもいいか?」
笑う様な優しい声がして、助手席のドアが開き、浅葱が乗り込んでくる


シートを少しだけ倒して目を閉じ
ゆっくりと 安心した表情で音楽を聴いている匠の横顔を
浅葱は隣で嬉しそうに見ていた



手を伸ばし、ミラーの陰に下げられた仮面ライダーのキーホルダーを手に取る


「・・・・まるで、ガキだな・・」

「・・・・?・・」




匠が目を開けると、浅葱の手に握られたキーホルダーが見えた

「あ・・浅葱さん! ・・・それ、見たんですか!?」 
慌てて、奪う様に浅葱の手から取り返す




「見たんじゃなくて、見えたんだ」

「もう・・  恥ずかしいなぁ・・・・・」
そう言って匠は照れくさそうに笑い ポケットに仕舞い込んだ







「正義のヒーローは 何があってもくじけない、諦めない・・」
今まで嬉しそうに話していた浅葱の声のトーンが真剣になっていた


「・・・・・そう・・・ですね・・・・・・

 あの男と向かい合う事に、全く恐怖が無いと言えば嘘になります・・
 でもそれは・・きっと・・・大丈夫・・
 
 いつか決着をつけなければいけないのなら・・
 俺は・・・  逃げない。 負けない」



「・・・匠・・・・・その事だが・・・・・
 もし、明日・・あの男と決着をつける時が来たら・・俺に任せてくれないか・・」

「・・・浅葱さんに?」

「ああ・・お前がその手でケリをつけたいのもわかる・・・・ だが・・・・」



匠は 浅葱とオヤジがもう何年も
あの男の組織をやりあってきたという話を思い出していた
ずっとずっと、追ってきた相手なのだ・・



「・・・わかりました・・・・浅葱さんにお任せします・・・」






匠はエンジンを切ると 「ありがとうございました」 とキーを浅葱に返す

「もう落ち着いたか?」

「・・はい」





二人は家に戻ると、浅葱は匠を部屋まで送り 出て行こうとする

・・・後ろから 匠の両腕が引きとめた
匠の腕が浅葱の体に回される


「暫く・・・このまま居させてください」

浅葱は 自分の体に回された匠の手に自分の手を重ね、目を閉じた




浅葱の背中は、わずかに自分の愛車の匂いがした





刻印 -149へ続く
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ ランキング参加中です。クリックして頂けると励みになります m(__)m
コメントありがとうございます。励みになります!














非公開コメントにする
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


拍手・ランキング・感想など頂けると励みになります

ツイッター @0storyRin
UP情報や裏話を呟いてます

サイトマップ・全記事表示
最新トラックバック
カテゴリ
COUNTER



にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

↑ ランキング参加中です
1ポチ してもらえると嬉しいです
検索フォーム
QRコード
QR