0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

刻印 -108

匠は左手で胸元の龍を掴むと、そのまま リビングを出て行く



「あれ・・ 匠さん? どこへ?」
ふいに立ち上がった匠に気が付き、後ろから深月が声を掛けてきた

「・・・・・・・・・・・  洗面所・・・・」
声のする方へ顔を向けもせず ただそれだけ言って
匠は 何かに追われる様に部屋を出る


視界がほとんど無くても この部屋・・この家の中は
ほぼ不自由無く 普通に歩き回る事ができていた



しかし、リビングを出て 暗い廊下を歩く頃には
すでに体が震え、呼吸が苦しくなっていた


・・・まだだ・・・  もう少し・・・・  もう少し待て・・・・・




震えて動かない足をやっとの思いで引き摺り
リビングから一番近い洗面所に入ると鍵を掛けた

もう普通に呼吸をする事さえ出来なかった


ズルズルと壁に沿う様に体が崩れ
膝をつく


ハァ・・・ハァ・・

ハァ・・・ハァ・・


全身が震える・・・
膝を付き、両腕で自分の体を抱きしめ、震えを止めようとした

・・・・止まれ・・・・止まれ・・・・・

・・・・・・・・・止まれ・・・・・・・・・・・






声をかけた深月の方を振り向きもせず、リビングを出て行った匠の後ろ姿
それを浅葱も見ていた
いつもは 誰に対しても、そんな態度をとる匠ではないのに・・

・・・・匠・・・?


「ちょっと待っててくれ」
それだけ二人に言うと 浅葱は匠の後を追ってリビングを出た


「ん? ああ・・・どうした?? 恭介・・・・・」
「浅葱さん??? どうしたんですか? 打ち合わせ・・・・・・・」
二人の声が背中で聞えた




廊下にはもう匠の姿はなかった
洗面所の閉まった扉をノックする

未だに匠は閉鎖空間を無意識に嫌がっていた
もちろん、それが洗面所や風呂、トイレならば
閉まっていても何も不思議はないのだが・・

だが今、浅葱は それとは違う嫌な感覚を感じていた




「匠・・・? ここに居るのか・・・・?」
いきなり扉がノックされ浅葱の声がした


「どうした? ・・・気分でも悪いのか?」





・・・・あさぎ・・・さん・・・・・・・・

まだ震えが止まっていない・・
それどころか酷くなっていた


声を聞かれまいと 膝を付いたまま、必死に手を伸ばし蛇口を開けた

勢い良く水が流れ出す



ハァ・・ハァ・・・

ハァ・・ハァ・・・



水音に紛れ呼吸をする・・



「何ですか? 浅葱さん」


力を振り絞って平静を装い 普通のトーンで返事をした
タグを握る手にも力が入らなくなっている

「あ・・いや・・・・・」




リビングから浅葱を呼ぶ深月の声がしていた

「ほら、流さんが呼んでますよ」
水音に誤魔化された匠の声は いつも通りだった


「ああ・・・何でも無いなら良いんだ」
そう言うと浅葱の足音が遠ざかって行く・・



・・・・・ん・・ックッ・・・・・・・・・・・!






「匠さん、どうかしたんですか?」
浅葱がリビングに戻ると 深月が不安そうに尋ねてくる


頭の隅に残る嫌な感覚を 浅葱は自ら打ち消した
これから仕事に出る深月にも 余計な心配をかける気はなかった
「いや・・・何でもない・・」





一通り打ち合わせが終わる頃に 匠はリビングへ戻って来ていた

何も言わずに またソファへ座り
何事もなかったかの様に転がったボールを拾い上げた




刻印 -109へ続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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