0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

刻印 -102

「どうだ? この距離なら俺が見えるか?」
そう言って浅葱は、匠の頭を引き寄せる様に片手を添え 顔を近付ける


「・・ん・・・・ぼんやり・・・と・・なら・・・
 濃い霧が・・ かかったみたいな・・・モノクロだけど・・」


うっすらと人の顔らしきものが見えていた




だが、いくら痛む目を凝らしても それ以上はハッキリとしない
目の奥の痛みだけが増していく


最後に見た浅葱さんの顔は・・
あの日・・・一緒に仕事に出た日、街で合流した時の浅葱さんの姿
あれが最後だったのかも・・・
そんな事を考えた


ひどく遠い昔の記憶の様な気がして、思い出そうとすればするほど
覚えていたはずの浅葱の顔さえ 曖昧になってくる




浅葱さんの顔・・・・

もっと、 ちゃんと・・見たい・・・

覚えていたい・・・・忘れたくない・・

こんなに近くにいるのに
見る事も・・触れる事も出来ないなんて・・・・




匠の胸の中に 苦しくて重い・・そして熱い何かが 広がっていく
それは傷の痛みとは全く違うモノ・・




”・・せめて ・・この手で・・・触れられたら・・・・・”

匠は声を出したつもりはなかった 
が、それは本当に小さな呟きで 浅葱の耳に届いた・・



・・・・匠・・・・


浅葱は匠の手をとり 自分の頬にあてた

いきなり自分の手が 浅葱の頬に触れ
今の声を聞かれたんだと・・・・  匠の顔が熱くなる





目の前にある匠の顔・・
その視線はまだ合っていないが
真っ直ぐに浅葱を見つめる匠の瞳があった

少し色素の薄い ブロンズを思わせる蒼茶色の瞳・・
それは氷の様に澄んでいるのに 奥底には悲しげな影がある

本当に この目が見えていないのか・・・・・





悲しい影に引き込まれる様に 浅葱はその瞳を見つめ続けた


胸を・・心を・・締め付けられる様な苦しい感覚・・
それは 懐かしく、悲しく・・そして愛おしかった



その瞳を見つめるのが苦しくなり、手を伸ばし 匠の目を覆う

そのまま目を閉じた匠の前髪に触れて、髪をかきあげる




そして その匠の額に 唇で触れた・・




「ん・・」
小さな声がして匠の肩がピクンとすくみ、驚いたのがわかる


浅葱は匠の顎に指を掛け、少し上向かせると
自分の唇で 匠の唇に触れる・・



「・・んっ・・・・・」



匠の顎に指をかけたまま、 もう一方の手で匠の手を握る
そしてそのまま 2度・・・3度・・・・確かめる様に 軽く唇を触れ合わせた・・・



こういう行為は・・・・匠には恐怖なのでは・・と思っていた
思い出したくない悪夢を、また思い出させるのではないかと・・


だが、匠は逃げなかった
じっと目を閉じている
ただ・・・浅葱に握られた手に 力が入る・・



「・・匠・・・・大丈夫か・・?」

浅葱の言葉に 匠は一度目を開けた 
ゆっくり頷くと また目を閉じる・・


匠は自分でも 何故頷いたのか、わからなかった・・
ただ・・ 素直に嬉しいと・・ そう思えた





浅葱は握った手に力を込め、指を絡ませ・・
唇と唇を合わせる・・


この愛しい者を・・ この瞳を・・ 二度と手放したくない・・


「・・・・匠・・ 俺の側に居ろ・・」
 



すぐ側で浅葱の声がした


「・・・は・・・い・・・」
  
痛みではない胸の熱さで、それだけ答えるのが精一杯だった
心臓が破れそうなほどの自分の鼓動が ハッキリと聞えていた



恐怖は無かった
あの男とは違う・・
あの地下室で救われた時と同じ 優しい唇

体の痛みも 胸の中の重いモノも・・ 全て流してくれるような
優しさと安心感があった




刻印 -103へ続く
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80.   管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013-07-16 |   [ 編集 ]
81.   
いつも可愛い顔文字コメントありがとうございます!
そのお顔で癒されます
2013-07-16 |   [ 編集 ]
82.   管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013-07-16 |   [ 編集 ]
83.   
コメントありがとうございます・・・!
こんな素人の文章から
書きたい事を汲み取って頂けて・・本当に嬉しいです!
2013-07-16 |   [ 編集 ]
84.   管理人のみ閲覧できます
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2013-07-17 |   [ 編集 ]
85.   管理人のみ閲覧できます
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2013-07-17 |   [ 編集 ]
86.   
いつもコメントありがとうございます!
やっと・・ですね。本当に。。
2013-07-17 |   [ 編集 ]
87.   
コメント、ありがとうございます!
100話以上を・・・本当にありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!
2013-07-17 |   [ 編集 ]
コメントありがとうございます。励みになります!














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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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