0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます

刻印 -89

最初はまだ 遠慮がちな・・小さな呟きだった・・
が、一度口にすると 堰を切った様に次から次へと感情が溢れてきた


ここなら・・誰にも 何も聞こえはしない・・
そう思うともう止められなかった・・




いつの間にか叫んでいた



叫ぶ自分のその声さえ聞こえない

胸が痛む・・・ 背中も・・・目も・・・ 体の奥も・・・










浅葱は身動き一つしない

本当に聞こえていないのか・・
それとも聞こえないフリをしてくれているのか・・

見えない匠には知る余地もなかったが
体に溜まり、巣食い、成長し続けた痛みや恐怖
誰にも言えなかった自分の悔しさ・・ 全てを吐き出す様に叫んだ


声が枯れると 後は涙しか出なかった・・

浅葱のシャツを、2つのペンダントと一緒に握り締めていた



そのまま浅葱の胸に顔を埋める
悔しさも悲しさも怒りも・・惨めさも・・子供の様に素直になれた
息が苦しくて・・何度も体が震えた・・



それでも浅葱は ずっと・・匠を抱いたまま動かなかった




匠が落ち着きを取り戻しかけた頃
「もう・・・いいのか・・・」
浅葱の声が耳元で聞こえた


浅葱の胸の音は、いつもの静かな音に戻っていた

匠は浅葱の胸に顔を埋めたままコクンと頷く・・・



「ん・・」
浅葱はそう言うと 抱き上げていた匠をゆっくりと下におろす
・・そこは人工の床ではなく、柔らかい土と草の感触がした


浅葱の腕から下りると、膝に力が入らずに倒れそうになる
それを浅葱は片腕で抱き止めると
背中に障らない様に 腰と頭に手を回し、匠を支えた


あの一緒に任務に出た日以来 初めて匠は浅葱の横に立っていた


浅葱は匠よりも少し背が高い
頭を抱きかかえられると、安心して寄り添えた




「今度は・・・この景色を自分の目で見るんだ・・・・匠」

「・・は・・い・・・・」

「その時は 自分の足で歩いて上れ・・・」

「また・・・連れて・・・・・来て・・ください・・・」

「ああ約束する・・お前が来たいと言えばいつでも・・・
 だから、今は早く体を治せ・・・・・」

「・・はい・・・約束・・・ですよ・・・・2つ・・・・」

「2つ?」

「今日は・・2つ・・・・約束・・・しま・・・したから・・・」









マンションへ戻る車の中
無理をし過ぎた匠の体調は酷くなる一方だった
全身を激しい痛みが襲っていた

それでも発作だけは起こすまいと、必死に意識をそらす・・
頭に浮かぶのは あの浅葱のペンダントだった・・



「大丈夫か?」
浅葱が声を掛ける

「・・・だい・・・じょうぶ・・・です・・・・」
喘ぐように匠が答える

「・・フッ・・・・やはり、お前のその性格は変わらないな・・・」
苦しくても我慢をして 痛みを訴えない匠に浅葱が言った


「そう・・簡単に・・・・性格は・・かわりま・・せん・・・・・」
そう言って苦しそうに匠が笑う

「ああ・・そうだな」
それ以上、浅葱は何も言わなかった










「・・・手を・・・・・」

「ん・・?」

「手を・・・貸して・・・・・・」

匠の声に 浅葱が自分の左手を差し出すと
匠はその手を 震える自分の両手で握り締めた


浅葱の手を握り締め 匠は必死で痛みに耐えていた・・・



「今は・・・今は・・・・これぐらいしか・・・・・・言えない・・」

「ああ・・それでもいい・・」




刻印 -90へ続く
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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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