0-story

18禁 BL小説です。主に拷問・凌辱等ハード系。 こういう小説に興味の無い方、嫌悪感がある方はご遠慮ください。サイトマップより一気読み出来ます
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刻印 -206

透はこの作業を始めた当初、疑問に思っていたことがあった
それは開けられていく部屋がバラバラだという事・・


ワンフロアに10部屋あったとしても
1つしか開かない階もあれば、5つ6つと開く階もある



開けるなら何故 全部の部屋を開けないのか・・・?

そう不思議に思いながらも、側に居る自分の秘書の男に指示を出し
開錠が出来た部屋へ連絡を入れさせる



まだエレベーターが動かない事
安全確保の為に防火扉は閉めたままにしている事
エレベーターが動き始めれば、順次避難誘導できる事
それまでは部屋で待機する事など・・・

パニックを起こさない為に
必要最小限の真実と わずかな嘘を与え鎮静を促した


そして逆に 人数や体調不良などの者が居ないかも聞き取っていく
これはエレべーター可動後の、非難の優先順位を決める為だった




そんな 連絡を繰り返すうち、透はある事に気が付き始める


連絡を入れる全ての部屋に、人が居る・・・
つまり、無人の部屋は OPENリスト に入っていない

監視カメラは映像こそ映らないが
深月はそこから何らかのデータを読み取り
確実に有人の部屋のみを開錠していた・・



たったあれだけの時間で、こんな物を作ったのか・・
素人同然の自分にも扱えるようにして・・・


透は驚きと、そして責任の重さを感じていた



あの深月君の作った物だ
エレベーターの解除は絶対にこのプログラムで出来る
そんな確信があった



問題はその時・・・
カウントダウンの数字が 残り1分になった時から始まる自分の作業
自分がタブレットの指示通り 動けるかと言うことだった

それを逃せばまた3時間・・・





そして その時はもうすぐ訪れようとしていた
透は複雑だった手順を思い出し、繰し返し確認をする



画面の端の時計表示が 0:01:00 を示すと同時に
透の手は動き始め 目まぐるしく数々のキーを叩きコンソールを操作した

そしてキッチリ 1分後・・・ 
0:00:00 になった時、透の手がENTERを押す



が・・・音は何もない


静まり返った部屋で 透に焦りの色が浮かぶ
どこか入力を間違えたか・・・


何の変化も感じ取れなかったが
画面の右端あった 0:00:00 の時計がフッと消え
コンソールパネルに ポンと1つグリーンのランプが灯った・・・








深月もその時を待っていた
腕時計の針も、もうすぐ その時 である事を示している



部屋の男達は、まだ何も変わりはない


あのタイムロックは複数個付いていた
それを深月自身が解除し
時間内に出来なかった残りの3個で、時間を割り出した

3個にまで減らしていなければ どれだけ計算しても12時間以上の時が必要だった


たぶんコイツ等は 12時間の猶予があると思っているんだ・・
だから急いで逃げる訳でもなく、人質を殺すでもなく
こうして、こんな場所で匠さんを・・・・



3時間・・・
この時間を知るのは、自分と それを託した透さんの二人だけ・・
透さんなら必ずやってくれる

そうすればもうすぐ助けが来る




刻印 -207へ続く
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刻印 -205

男は暫くの間 脈打たせ、余韻に浸ってから
匠の身体からそのモノをヌルリと抜き出した

「・・・ッ・・・」
匠が小さく呻き天を仰ぐ

その脚に血の混じった生温い感覚が溢れ 伝い落ちていく・・・




ハァ・・・ハァ・・・

ハァ・・・ハァ・・・





「次は誰だ・・・・・・ 相手をして欲しいのは・・・・・・」



まだ激しく肩で息をしながら、左手でタグを握り締め
唇を震わせて呟く匠の冷たい声が響いた・・・


ゆっくりと顔を右に巡らせ、握っていた老人の手をグイと引き寄せる

「・・・・・お前か・・・・」
その鬼気迫る様子に 老人は恐れをなし目を見開く・・


「・・・い・・・・ぃや・・・・・ぃやだ・・・・私は・・・・・」
老人はブンブンと首を横に振り
必死に匠に掴まれた手を振り解いて 逃げようとする

が、もう既に感覚も薄れてきているはずの匠の右手は
何かに突き動かされるように、掴んだ老人の手を離そうとはしない・・


「離せ 離せ 離せっ・・・っ!!」
老人がわめき散らす・・



「やめろ、タクミ・・・・そんな男娼の様な 物言いは・・・・・」
ハルの冷たい声が響く


「・・匠さん・・・・・・・・・」
深月もその匠の気迫に怯んでいた


「やめて下さいっ・・! 匠さんがそんな事っ・・!!」




ハァ・・ハァ・・
ハァ・・ハァ・・・・


匠は深月の声に振り向きもせず、またひとしきり肩で息をしてから
握った老人の手の中にあった薬のアンプルを掴みとると
そのまま数本の注射器と共に グシャリと手の中で握り潰した


パリパリと薄いガラスの砕ける音が続く

砕けたガラスの破片や針と共に、数種類の薬品が匠の手の中で混ざり合い
老人からナイフを奪った時に切れていた傷口を広げ 体に沁みこんでくる



ハルはそんな匠に近付くと、乱暴に匠の身体を仰向けに返した

「んっ・・・っ!!」
呻き声を上げる匠の顔をハルはグッと持ち上げると
その瞳を睨み付ける



「お前は私のモノだ
 許可無く 勝手に身体に傷を付けるなと言ったはずだ・・」


匠の 握り締めたままの右手を取り上げ、自分の手で覆うように掴むと
上からグッと力を入れる

ハルの力で 匠の手の中に残っていた最後のガラス片が
パリンと音を立てて割れた

「・・・ンッ!」
匠は唇を噛んでハルを睨み返す



ハルはじっと匠を見つめていたが、そのままフイと横を向いた

「・・興が醒めた・・・・
 あとは館へ帰ってからだ・・・
 お前も気が済んだら 服を着ろ・・・」

匠の足元に座り込んだままの秘書の男に向かってハルが言った










透は一人奮闘していた
正確には自分の秘書と、深月の相棒のタブレットと3人で・・・だが


PCの横に置かれたタブレットの右上には目まぐるしく動く数字があった
タイムロック解除までの残り時間・・・


この数字が全てゼロになった時が勝負の時
残り時間はあとわずかだった
それまでに出来るだけ多くの扉開けなくては・・・

透は深月の組んだタブレットの出す指示を、繋いだPCで必死にこなしていく




刻印 -206へ続く
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刻印 -204

ハルのその言葉に
匠の首筋をヌメヌメと撫でていた老人は嬉しそうに顔を上げた


「そちらの男に・・? よろしいんで・・・?
 でしたら・・・
 まだまだ試したい物が・・・・・」

老人は 匠に飲ませた薬が入っていた自分の鞄を手元に引き寄せると
中の注射器や薬瓶をバラバラとベッドの上に広げて見せる



その数を見てハルも思わず苦笑した

「先生も好きですね・・・・
 この頭脳、殺すには惜しいですからね
 ・・・構いませんよ、死なない程度なら・・・」



「死なない程度・・・でしたら・・・」
まるでトランプでも選ぶように手を動かしながら
老人は楽しそうに匠の横で薬を選び始めた



暫くカチャカチャと音を立てていたが
「こんなもので・・・・・・」 と
数本の注射器や薬瓶を選び出し、手の上に並べて ハルに見せる


「ええ・・ 構いませんよ、先生」




その薬が並んだ老人の手を 側に居た匠の右手がグイッ! と掴んだ・・


「やめろっ・・・・
 流さんには・・・・・・・手を出すな・・・・・・
 試したいなら・・・・ 俺の体でやれっ・・・・・・!!」


蒼白の肌に冷たい手・・
老人の身体が一瞬怯えたようにビクリと動く・・


「や・・・やめぃ・・・・離せっ・・・こらっ!」
老人は自分の手を掴む匠の右手を
鞄から転がり出ていた金属のケースで何度も叩き付けた
が、匠は手を離そうとはしなかった





「ほう・・・ まだそんな力があったか・・・」
ハルは匠の顔を覗き込むと、その背中に手を置き
爪を立て刻印を握る

「・・・ンッっ・・・!」



「どうした、タクミはまだまだ物足らないと言ってるぞ・・・?」
ハルは匠の体を貫く男に振り返り、そう言って笑った



男はそれが匠の虚勢であり、ハルの挑発であるとわかっていても
そう言わせた事実が悔しかった
これだけ激しく犯しながら、まだ反抗的に口をきく匠に怒りさえ覚える


二度とそんな口がきけないようにしてやる・・・!
男の動きが一段と激しくなり
男の熱く太い鉄の棒が 匠の中を擦り上げ、出入りを繰り返し
湿った音を立てた


「ンッグッ・・・・・・!っぁあああああっっ!!!」

声を上げ ハルに握られた匠の背中が大きく仰け反る




匠は遠くなりそうな自分の意識を必死に食い止め様と
痛む左手にタグを握り変えた

右手は 老人の手首を握ったまま離そうとはしない・・・



複雑な形の龍のタグが手の掌に食い込む痛みで
気を失う事だけは止める事ができた・・
が、それでも男の動きは止まらなかった


「もう、もう・・・やめろっっーーー!」
深月は目の前の光景に耐えられなくなり叫び声をあげていた




「・・くっ・・・んっぁああっ!!・・・んっんっんぁあっあっ!!!!」
匠の悲痛な喘ぎ声と淫猥な湿った音をさせながら
何度も何度も匠の体を突き上げ続けた後
やっと男が眉間にシワを寄せる


ググッと一段強く匠の腰を掴み 隙間がない程に身体を密着させると
男が 「クッ」 と小さな声をあげる


匠の中での激しい出入りが止まり
男のモノがビクビクと脈打つように体の中で動いた





ハァハァ・・・ハァハァ・・・・
男も息を上げ、匠の中にその欲望を吐き出し続ける


匠は強く目を閉じタグを握り締める
老人の手を掴む右手も震えていた・・・




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刻印 -203

男は匠の腰を掴んだまま、自らの・・・既に大きく猛るモノの先を
その中央へと押し当てた


それは鍛え上げた硬く大きな筋肉で覆われた男の
その屈強な体に 見合ったモノだった


今まで その体で多くの女達を抱いてきた
特定の相手を決めずとも、相手は途切れる事なく向こうからやって来た
そういう面では 不自由した事は無い
テクニックも・・・  ・・・勿論、他人と競った事など無いが・・・
そんな理由から勝手に自負していた



女の体ならば熟知している



が、、、




男は匠の腰を掴んだまま、一度大きく息を吸い込む

そしてそれを吐き出さないまま、一度胸に溜め
押し当てた場所から一気に突き立てた・・・



「ンッッ!!!! ・・・・んっぁああああああああっ!!!」
「んっ”!」

叫びに近い匠の声と、小さく唸る男の苦悶の声がした




匠の小さな場所に、物理的に無理だと思われるそのモノを
男は容赦無く捩じ込んでいく


しかもそれは、ただ 欲を果たすだけの行為だった

嫉妬でも独占欲でも、まして愛情でもない・・・ 
ただ単に ” 破壊 ” したいという欲・・・


その欲は一度も止まる事無く、匠の身体の中心を貫いていく




「・・・・・ッグッ・・!!!!」


焼けた鉄棒を捩じ込まれる様な苦痛に顔を歪め
唇を嚙み締める匠には 既に声を出す余裕すらなかった


息を詰め、少しでもその凶器の侵入を止めようとしても
体中が痛み、出血と薬で朦朧とし、力を入れる事さえ出来ない


リズムも一定でなく、ただ無理矢理に捩じ込むだけの動きに
呼吸をするタイミングさえ計れなかった


その苦しさと痛みから
今 唯一、意思で動く自分の体・・・右手だけで胸のタグを握り締めた
掴まれ、逃れられない匠の太ももに ツー。と血が伝う・・




「やめろっ!!
 やめろ、やめろっ!!  ・・・やめさせろっ!! 
 匠さんが!!! 匠さんが・・・壊れてしまう!!
 お前だって、匠さんが好きなんだろ!! 
 だったらあんな事させんなっっ!!!」


深月はベッドに繋がった手錠をガチャガチャと鳴らしながら
側に居るハルに向かって叫んだ



が、そんな深月の声が聞えているのかどうかさえわからない程
ハルは匠のその姿を ただ黙って見つめ続ける




「お前は、今まで人を愛した事なんて無いんだろっっ!!
 だからこんな酷い事・・!!」


「なんだと・・・・・?」
その言葉に やっとハルの冷たい目が動く
顔を動かさず、ただ目だけが、その視線が深月を捉えた



「りゅ・・・・う・・・・・やめ・・・・・・・りゅう・・・・・・さん・・・」
既に身体の奥まで達しながらも
全く力を緩めようとしないその男のモノで 掻き回され破壊されながら
タグを握り締めた匠が首を振る





ハルは立ち上がり深月の前に立つと、深月のシャツに手を掛けた

「・・なっ・・・!」
深月は思わず息を呑み、目を見開いてハルを見る・・

ハルが手を左に払うと
深月のシャツのボタンが勢いよく弾け飛び、その肌が露になった



「愛、などと・・・・

 ・・・先生、先程も途中で止めてしまわれた
 そろそろ見学だけというのも、我慢の限界なのではありませんか?
 この男でよろしければ、薬でも何でもご自由に・・・」




刻印 -204へ続く
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刻印 -202

男は高く上げさせた匠の腰を両腕で掴むと
中央をグッと開き、そこへ舌を伸ばしていく


「んんぅっ・・・!!くっ・・・っ・・」

男の熱を帯びた舌先が触れると
匠の身体は仰け反り、伏せていた顔は天を仰ぐように上を向いた


深月の目の前に、苦しそうな匠の顔があった・・・




「いやだっ! ・・やめろっ!!」
叫んだのは深月だった


匠から目を逸らし、唇を噛んで俯く (うつむく) ・・・
そんな深月の側に ハルが歩み寄って来る


ハルの長い腕がスッと伸び
軽く指を掛けただけで 深月の顎を易々と持ち上げると
暫くその深月の顔を 目を細め、無言のまま見つめていた




部屋は そのハルの放つ異様な雰囲気に包まれる



「な・・・・何だよっ!!!」

その 眼差しの強さと、部屋の空気に思わず怯み
居たたまれなくなった深月が先に声をあげた





そんな深月を黙ってハルは見つめ続ける・・




「・・・・・・・クソッ・・」
深月のピンと張り詰めた精神の糸・・・ それも限界が近付きかけた時
やっとハルが口を開いた



「お前は、浅葱にタクミを託したのだろう・・・・・・?
 ならば、しっかり見ていろ
 その結末が・・・ お前の想うタクミかどうなるか・・・・・・その目で確かめろ」



深月は 自分の顔を持ち上げるハルの指を 一振りで払い除けると
わずかに涙の滲む目で ハルを睨みつける


「浅葱さんは・・・ 浅葱さんは、絶対に助けに来る!
 この前だって、今だって・・・ 絶対に・・!」


「・・・・お前も、現実と言うモノを思い知った方がいい・・」
先程までの 嫉妬や独占欲などというモノに包まれた赤い炎は消え失せ
ひどく落ち着いた、醒めた目だった





払い除けられた手で 再び深月に手を伸ばそうとするハルに
「・・・流さんに・・・・それ以上、触れるな・・・・・・」
匠の呟く声がした

 

左腕が使えず右肘でその上体を支え
腰を男に抱えられたままの匠の姿に ハルは楽しそうに笑う

「フフッ・・・・ そんな そそる格好で・・・・・・」





ハルは深月に伸ばしかけた手を匠の方へ回し、顔を寄せ その唇を合わせる


「んっ・・・!」

匠は何度も抵抗し顔を振るが
深月が一度で払い除けたその手を 匠は振り解く事が出来なかった


頭を振ると薬のせいか、天井が揺らぎ回るような錯覚を起こし
酷い眩暈が襲った




ハルは深月の目の前で 匠の口へと舌を挿し入れ、口内を弄び
湿った音を立て始める


背後から身体を執拗に舐め、苛む (さいなむ) 男の舌と
口へ挿し込まれた舌とで、匠はその体を大きく仰け反らせ
ただ首を振って抵抗するしかなかった




ハルは匠の口内をまさぐりながら、背後の男へチラリと目線を送る


男は 自分のベルトを緩めるとファスナーを下ろし
窮屈だった場所から 自分のモノを外へと解放する・・




刻印 -203へ続く
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刻印 -201

ハルのその声と同時に・・・
まるで お預けを解かれた犬のように、男は匠のモノを手に取ると
それを口へと運び、無心でしゃぶり付いた


「・・んっっぁっ・・!!! っん・・! ぁあああっ!!!」
途端に匠は体を仰け反らせ 声を上げる



唯一動く右腕で必死に男を排除しようと その体を押しやるが
大きく重い男はビクともしない

そればかりか、身をよじる匠に 更に興奮したように
男の動きは早く激しくなっていく・・・


「や・・やめっ・・・ンッ!! くっ!! やめっ・・・ろっ・・!!」



ブラインドの隙間から薄日が射す室内に
喘ぐ匠の声と湿った音とが響き始めると
老人も匠の側へと擦り寄って来る


ハッ・・・ハッ・・ハッ・・・
その息も荒く、酒の匂いを撒き散らしながら
既に手は 自分の衣服の中に入れられている


「わ・・・私のも・・・・」
了解を得るようにハルの顔を覗き込む老人に
「お好きに・・・・」 そう言ってハルが笑う


「あ・・ありがとうございます・・・」
老人は 自分で取り出したモノを匠の顔へと近付けた


「ほれ・・・またやっておくれ・・・
 あの時と同じように・・・」




男の口が引き起こす痛みに耐え
匠は ただ強く目を閉じ、荒い呼吸を繰り返す

そのわずかに開いた匠の口に 老人は自分のモノを強引に咥え込ませた

「 ングッ!」


必死に呼吸をしようとしていた匠の喉へ
老人のモノが圧し込まれ、一瞬 息が出来なくなる

呼吸が止まり 匠は顔を振って抵抗する
が、老人の手は匠の顔を掴み、離そうとはしなかった
そして、益々奥へと自身を突き入れる


「ンッッ・・・ンッッ・・・・ン”ッ!」


喉の奥にあたるヌルリとした生々しいモノ・・
驚きと苦しさで目を見開き もがく匠の、くぐもった喘ぎが響く




「やめろ・・・もう・・・やめろ・・・・・・・」
深月の消えそうな声がした



呼吸すらままならず、必死に抵抗する匠
そして 体をよじる度、ゆっくりとだが確実に
その体内の血を減らしていく匠の蒼白の肌

深月は もう耐えられなかった・・・



「匠さんの代わりに僕が・・・! だから・・・・・・もうやめろっ!」
深月は下を向き、ただ首を振ってそう叫んでいた


「ほお、これは面白い事を言う
 君がタクミのの代わりに、その体を差し出すというのか?」


老人もその話に思わず身を乗り出し
やっと 匠の口は解放される


「そ・・・そうだ・・・・お前達の好きに・・」
そう言いかけた深月の声を遮り 匠の声が響いた


「やめろ・・・・っ!!  ・・・・・流さん・・・・・
 俺なら・・ いい・・・・・・・・・・
 何があっても・・・
 心は・・・・・・・渡さない・・・・・・・・
 だから・・・・・・・・・だから・・・・・・」


「・・・匠さんっっ!!」


「大丈夫か・・ それなら・・・」
ハルは 匠のモノを咥える男の体を 指で2度ほどトントンと叩き
その口を外させる

「タクミをうつ伏せにしろ」 



男は ムクッと起き上がると、匠の体の下にその屈強な腕を差し入れ
いとも簡単に匠の体を返す

「んっ・・・!」
無理矢理に動かされる全身の痛みで、匠の体が震えた



男は その震える匠の刻印に息を呑む・・
審議会で それは既に見ていた

が、今 目の前にあるのは 全く違うモノのようにさえ見えた
匠の汗と体温、流された血とでそれは彩られ 
水を得た魚のように生き生きと、そして艶かしく 匠の背中に棲んでいた


「美しいだろう・・・」
ハルの満足そうな声がした

「は・・はい・・・  これを私が・・・?」
男は 刻印 の意味にわずかに躊躇する



「構わん・・ 好きにしろと言ったはずだ」



男はゴクリと唾を飲むと
うつ伏せだった匠の腰を掴み、グイッと上へ引き上げる・・・




刻印 -202へ続く
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刻印 -200

「どうした・・・?  息が上がっているぞ?
 恋しいタクミの声に我慢できないか・・?」

匠から口を離し、真っ赤な顔で目を閉じる深月に
ハルの嘲笑の声がした



「やめろ・・やめろっ・・・・・・・!
 こんなの匠さんじゃない・・・!
 お前が勝手に・・・・・!!
 こんなの・・・ 絶対に認めないっ・・!」


「こんなの・・・か・・・・
 ・・・君の中のタクミは・・・
 どこまでも美しく、清浄・醇乎 (じゅんこ) たる存在のようだが
 本当のタクミは その体に 私の刻印を背負い
 もう何人もの男に穢 (けが) された
 私だけではない・・・・」

ハルがベッドの上の老人に視線を送ると
白髪の老人がニヤリと笑いズルリと舌を出す



「君の想うタクミはただの虚像・・
 今もこうして私の口で嬲られ (なぶられ) よがり声を上げている・・・」

ハルの視線は匠の体へと落ち、その手でゆっくりと下半身を撫でた
匠のモノがピクリと反応し  「・・・っぁ・・・」  匠の小さな声がする



「違うっ!
 体が穢されたとか・・・ 刻印とか・・・ そんなんじゃないっ!
 匠さんは・・・・  匠さんはたった一人の人だけを想ってる!!
 お前なんかがいくら手を出したって・・・・・
 お前なんか・・・・・・・・・・!」



ハルは半ば呆れたように息を吐く・・・

「たった一人・・・ また、  ・・・浅葱か・・・・・・・・・
 お前は・・・ 浅葱からタクミを奪おうとは思わないのか?
 本当に好きなら、お前だって渡したくは無いはずだ
 自分のモノにしたいだろう・・・?
 その体で タクミを愛し、側に居たいとは思わないのか?
 私は・・・・
 私は大事な物を 絶対に渡しはしない・・・・」



その時、深月は 冷たいハルの中に 赤い炎を見た気がした
・・・同じだ・・・
自分と同じ 人間くさい嫉妬に愛情、独占欲・・・
ただただ匠さんが欲しかったあの時の自分・・・・


でも・・・。



ハルは掴んでいた匠の右手を離すと
その手で今度は 深月の腕を掴み、グイッと引き寄せる

前のめりになると、目の前に 喘ぐ匠の顔があった

「タクミは私にされて、こんなにも猛らせている・・・」
ハルは掴んだ深月の手を、匠の下半身へ持って行こうとする



その手を深月は 思いきり振り解いた

「いやだっ・・・!!  離せっっ!!
 ・・・こんな風に 匠さんに 触れるなんて・・・・・・
 奪うとか、奪い返すとか・・・・・・
 それよりも 匠さんが幸せかどうかだ!
 匠さんが幸せなら・・・・それで・・・・・・」


「・・・フッ・・・甘い事を・・・」



ハルは深月を睨みつける

「幸せにしてくれるはずだと、大事な者を託した挙句の果てに・・・・
 ・・・・・・・ そいつに・・・・
 ・・・・・そいつに 殺されたとしたら・・・  お前はどうする・・!!」



声のトーンこそ今までと同じ、抑えられたものだったが
その気は・・・ 静かだったハルの気は 明らかに昂ぶっていた
その気に圧され 深月は思わず息を詰める



「なっ・・・・
 何を・・・ 言って・・・・・・ 
 大事な人を 殺す・・・・とか・・・ 意味わからない・・・」



そう深月に言われたハルは、自身の言動にハッとした様に唇を噛み
初めて自分から 視線を逸らした


「・・・・もういい・・・・
 この男をそこへ繋いでおけ・・・
 タクミが良く見えるように・・・・」

秘書の男にそう言う声は またいつものハルに戻っていた




男は 執務机から持って来た手錠を取り出すと
捕らえていた深月の右手を 後ろ手にして手錠をかける
それを ベッドのヘッドボードにあるポールを通してから
もう片方の輪を、左手に掛けた




「は・・離せっ・・・」
匠の横に跪き、手を後ろに回した姿勢でベッドに繋がれ
身動きが取れなくなった深月が声を上げた
目の前には 出血と薬で グッタリと横たわる全裸の匠がいる


「匠さんっ・・・・!」
目の前に居るのに 助けられない・・
深月は悔しさで、目の前のハルを睨み付けた



「それでいい・・・
 そのお友達は、タクミに触れたくはないそうだからな・・
 代わりにお前だ・・・
 ネズミを捕って来た褒美だ、続きをさせてやる ・・・・来い・・」

秘書の男は既に顔を上気させていた
羽織っただけだったシャツを脱ぎ捨て、ハルの隣へと上がる
 

ハルは匠の脚を 左右にグッと開かせ
その間に男の体を据えると 「さっきの続きだ、好きにしろ」 そう言い放った




刻印 -201へ続く
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刻印 -199

ハルは 正面から、匠の体の上に覆いかぶさる様に
ゆっくりと体重をかけていく


匠は右手首を掴まれたまま、左腕で体を支えようとするが
すでに全く力が入らないその腕は、自分の体さえ支えきれなかった
そのまま後ろへ倒れ込んだ匠に、ハルが上から圧し (のし) 掛かる



「さぁ・・・ タクミ・・・・
 お友達の前で これから何をして遊ぼうか・・・・・」

じっと二人の様子を見つめる深月の方へ顔を向けると
ハルは ピタリとその視線を合わせた

深月も負けまいと、その射るような冷たい視線とは対照的な
熱く燃える目で真っ直ぐに睨み返す



「・・・フン・・・面白い・・・・」

ハルは 匠へ顔を寄せると
深月の視線を捉えたまま その唇を合わせ、舌でなぞり始めた


・・・・!!!!

深月の動揺を感じながら、ハルは細く笑い 匠の顎を掴む




「んっ・・・!」
顔を背け逃れようとする匠の わずかに開いた唇をこじ開け
自らの舌を挿し入れると わざと卑猥な音を立てた

身動き出来ない匠が 苦しそうにその体をよじらせる

匠の舌を追い、口内を苛み (さいなみ) ながらも
深月を見る視線は一度も外れることが無い




「やめろっ! 匠さんから離れろっっ!!!」
その深月の声に 目を閉じていた匠の体がピクンと反応する

匠は 現実に引き戻されるように、掴まれた右手で 精一杯 ハルの体を叩いた
だがそれは 子供が、トントンと叩く程度の力にしかならない・・・
そんな匠の行動を ハルは楽しそうに笑う




「そういえば・・・
 君は審議会でもタクミの話しに ひどく興奮して叫んでいたね・・・
 私とタクミの事を信じてない・・・
 いや、信じたくないといった様子だったが・・・
 
 それならば・・・・・ 
 君には一番の特等席で見せてあげよう・・・」

ハルは匠の唇を解放すると、深月にそう言い、背後の男に視線を向ける




「・・・何処かに手錠があるだろう・・・・
 ここへ一緒に持って来い・・」

深月を捉えたままの秘書の男は 「はい・・」 と返事をし
途中 大きな執務机の引き出しから手錠を取り出すと
深月を ベッドの脇へと連れて来る




匠の頭側の横で 男は深月を後ろから跪かせた

「君だけが見えていたのでは つまらないからね・・
 タクミにも見える場所に居てもらおうか・・・」


匠の視界に深月が入る
男に後ろ手に押さえ付けられ 跪かされた深月がじっと自分を見ていた



「・・・流・・・・さ・・・・見ないで・・・・・・」
掴まれた匠の右腕が小さく震え、脚でハルを退けようと抵抗するが
ハルは そのわずかな抵抗さえ嬉しそうにする



深月は そんな匠を見ていられなかった
「匠さんっ・・!!」 顔を背け 強く目を閉じた

 

ハルはクスリと笑うと
匠の胸に舌を這わせ 空いている右手を下半身へと伸ばす


匠のモノに手が触れると 「・・・や・・めろっ・・!」 声と同時に体が跳ねた



ハルは構わず匠のモノを刺激していく



まだ体に残る薬が 敏感に反応させ
途切れ途切れだったが、匠に声を上げさせる

「んっ・・んっ・・・ぁっ・・やめ・・・」



両手を押さえられた深月は 耳を塞ぐ事が出来ず
匠の声を聞くしかなかった


ハルは、深月に聞かせる様に 匠の様子を言葉にする

「どうした、タクミ・・・
 もうこんなに猛らせて・・・・ 感じているのか・・・
 もう 手だけでは物足りないだろう?
 さあ・・・・ いつもの様に 口でしてあげよう」


深月はその言葉に 唇を噛み、ただひたすらに目を閉じる
その直後だった

「んっっ!!ぁっぁあ・・・!」

匠の声が上がる



「やめろ・・やめろ・・・やめろ・・・・やめろ・・・っ・・・・」
頭に入る匠の声を掻き消そうと
深月はずっと同じ言葉を呟き続ける


ハァ・・・ハァ・・・
ハァ・・・ハァ・・・・

だが、深月の息づかいも 徐々に荒くなっていた




刻印 -200へ続く
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刻印 -198

「匠さんっっ!!!!
 僕です!! 流です!!!!」

その声に苦しげな匠がゆっくりと首を回す
「・・・・流・・・さん・・・・・」
「そうです! 匠さんっ! 良かった! 生きてて!!」



「・・・・流さん・・・っ・・」
深月の声に 匠は痛む体で反射的に起き上がろうとした
途端に 胸に当てられたままの老人のナイフの切っ先が プツリと肌を切る



「・・・ンッ!」

「ほらほら・・・急に起き上がるんじゃないよ・・・ 
 余計に血が無くなるよ・・・」
老人は じっと深月を見つめながら、ニヤニヤと笑い
その手を 再び仰向けで倒れこんだ匠の体へと伸ばし
鮮血の滲んだ胸を撫で始める



「・・・ッ・・・  流さんっ・・・ 下の・・・ 子供達は・・・・・」
そのヌルリとした手に目を背けながら 匠の苦しい声がした


「ジジィ!! 汚い手で匠さんの体に触るなっっ!!!
 匠さんっ! 下の人達は もう非難してます!
 子供達もみんな!! だから、大丈夫!!」


そう叫びながら 老人に飛び掛かろうとした深月を
後ろからスタスタと歩いてきた秘書の男が再び羽交い絞めにした


「やめろっっ!離せよっ!!」
宙に持ち上げられた深月が 足をバタつかせ抵抗する


「 ” タクミさんの体に ” ・・・か・・・・」
そんな深月の様子を見ながら ハルはクスリと笑った





匠の耳に 深月の嫌がり抵抗する声が聞えた

「その人に・・ 流さんに手を出すなっ!!!」

次の瞬間には 老人に突きつけられていたナイフは 匠はの右手の中にあった
仰向けのまま 素手で刃を握り締め、もぎ取っていた

「ひぃっ。。」 
いきなりの匠の反撃に 老人は小さく声を上げ
まるで虫のようにベッドの端までカサカサと後ずさる



奪ったナイフを胸元で握ったまま 匠はゆっくりと起き上がった
ナイフを握った手の掌から ツ。。。と血が手首へ伝う

ハァハァ・・・

ハァハァ・・・・

小さく細かい息使いで 体の痛みを凌 (しの) ぎながら
左奥へ逃げた老人の気配と 右側にある三人の気配・・・
二方へ分かれた気配に神経を集中させ、牽制する





匠の行動を面白そうに眺めながら
ハルは全くいつもと同じ・・・
いや・・いつも以上に楽しそうに笑いながら ゆっくりと後方から歩いてくると
深月の前で立ち止まる


「下の人間を逃がした・・・
 そうか・・・・ 扉を開けたのは君だったのか・・
 それほどの腕があるのなら、私の元へ来い・・
 そうすれば タクミとずっと一緒だぞ・・
 君もタクミが好きなんだろう?」 

「馬鹿なっ! 誰がお前なんかと!」

「そうか・・・タクミを奪った私は、さながら恋敵か・・・」
ハハハと声をあげて笑うハルに 深月の背筋は凍り付く




「それから・・・・・・・
 その体で、そのナイフ一本で、どうする気だ?・・・タクミ・・・

 人質を解放したと言っても・・
 残念ながら ここに飛び込んで来たのは たったの一人・・・
 それは まだ浅葱が自由になっていない証拠・・
 民間人は逃がしたが、まだ30階より上は開放出来ていない・・・・違うか?」

ハルは 男に捕らえられたままの深月の顔を覗き込む様にして言う


 
「まだまだ 山ほど人質は居るぞ・・ タクミ・・・
 そんな事をしていいのか? 
 その中には 浅葱も入っているが・・・・・・・」



ハルの声が匠に近付いて来る



言い終える時には、匠の視界にハルが入っていた



ハルはベッドへ上がると匠の側まで行き、ナイフを握る右手首を掴む

唇を噛みグッと睨み返す匠の指をゆっくりと剥がしながら
その手からナイフを奪っていく
手の掌から血が滴った

ハルは深月の方を見ながら 匠の手を取り、ペロリとその手の掌を舐めて見せる


「やめろっ・・・」
匠が手を引きながら呟いた

「どうした? まだ手・・だけだぞ?」
ハルはクスクスと笑う・・・

「お友達の前でこんな事をされるのは恥ずかしいか・・・・
 そうだな・・・ 
 どうせなら目の前で犯されてみるのも、楽しいかもしれないね・・・タクミ・・・」


ベッドの端まで逃げていた老人までが 「クククッ。。」 と喉を鳴らし笑った




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刻印 -197

屈強な男に羽交い絞めにされたまま
深月は引き摺られる様にして 部屋に連れ込まれた


無造作に着ただけのYシャツから見える筋肉質な硬い腕

その腕に押さえ込まれた体が痛み
「離せっ・・!」 と 一応、怒鳴ってみる・・

が、男は返事もせず
逆に 黙れ とでも言う様に 益々、深月の体と腕を締め上げた


「だっ・・だよな! わかってるからっ・・・・!
 もおっ! ・・そんなにしなくてもっ・・・! 痛いからっ・・!」
背後の男を 一度睨み上げてから、深月は自分が入った部屋に顔を向けた


その部屋は上から見ていた以上に広く 豪華だった
「すっげ・・・」  思わず 辺りを見回す・・



床に、あの注射器らしき物が見えた
そして、少し離れた場所に 黒い軍服の上着とシャツ・・・

・・・・!! やっぱり、あれは匠さんの!!




そう思った時、続き間の奥から一人の男が現れた


バスローブを一枚纏い、静かに歩み寄ってくる
・・・女性?  ・・・一瞬そう思った

そう思わせる程 整ったエキゾチックな顔立ちに頬の傷が目立っていた
美しいだけに、その傷が残念に感じられる
そして ローブを着ていてもわかるその体つき・・



これが・・・ この男がリーダーの男だ・・
深月は直感でそう思った
その体から発するモノ全てが 凡人とはかけ離れていた



そして深月は初めて見る 目の前の男・・・ ハルの気に押され思わず息を呑む
こいつが匠さんをあんな風にした・・・・
怒りが込み上げてくる


ハルが近付くと、後ろに居た秘書の男が グイッと深月を押さえつけ
跪かせる (ひざまずかせる) ように両膝を床につけさせた
腕は相変わらず、後ろ手に捕らわれたままだ




「いらっしゃい、ネズミさん・・・・
 その顔・・・・・・ 確か・・・・
 ああ、そうだ・・・  やはり、タクミのお友達だ・・・・」
ハルは楽しそうに深月の顎に手をかけ、上を向かせると
その深月の顔をじっと見つめる・・



「な・・何・・・・・離せ・・
 た・・・匠・・・・さんは・・・・どこだ・・・」

見つめられただけで 背中に冷たいモノが走る男の狂気・・
吸い込まれそうなその目に驚きながらも 深月は必死に声を出した



ハルは深月の声も無視し、ジロジロと全身を舐める様に見つめた後
「・・・ふーーん・・・・・」
そう言って深月の顎から手を離した



「・・・たっ ・・・・匠さんは・・・どこだっ!」
ハルの手が離れ、その気から解放された深月はもう一度叫んだ


「ん? 会いたいか? タクミに・・・・」
ハルの視線が奥の部屋へと移る


その視線につられる様に、深月も奥の部屋を見た



広い部屋の一番奥 
ブラインドからの陽がわずかに射し込むその続き間の向こうに見える大きなベッド
そこに 全裸の匠が横たわっていた



「た・・・匠さんっっ!!!!」
自分を押さえ付ける男の腕から グイッと渾身の力で体を引き剥がすと
深月は転がるように 奥の部屋へ駆けていた


近付くにつれ、匠のぐったりとした姿がハッキリと見える
右手で左腕を押さえ、その体の下にあるシーツは赤く染まっている


・・・・血!!??   ま・・・・  まさか・・・・・!!

「匠さん? 匠さん??!! 匠さんっ!!!!」






「それ以上 近付くんじゃないよ・・」
転がるように駆けて来る深月に 匠の横に座っていた小さな老人の湿った声がした
その手にはナイフが握られ、それを匠の喉元へ突きつけている


あの老人は・・・ 審議会で匠さんと一緒に出て行った・・・
深月の脚がビクリと止まる

「そうそう・・ そこでじっとしてな・・
 お前さんは 触っちゃいけないよー」
酔っているのか、老人はヘラヘラと笑いながら
匠の喉をナイフで突き 胸の傷の上へと滑らせる




匠の体がその冷たさに反応したのか、ピクリと動く


「生きて・・る・・・」




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刻印 -196

暫くして 深月の耳に 透からの準備OKの連絡が入る


「約束通り、君の言う通りにした・・・・深月君
 だが こっちにも約束してくれ・・
 くれぐれも・・・ イヤ、絶対に無茶はするな・・・!」

「ありがとうございます・・
 わかってます・・ 透さん・・
 じゃ、僕も準備が出来たらカウントします・・・・
 その合図で 扉を開けてくださいね・・・・・」




深月は改めて廊下を確認する


窓の下には 足場になりそうな物は何もない

もしあの部屋にヤツ等が居たら・・・
さっきの様な無様な着地では 確実に見つかってしまう
なぎ倒す恐れのある机やイスは無いにしても
一気に飛び降りるのは諦めようか・・・・



深月はそっと窓枠を持ち上げ、外すと
そろそろと足から降りる事にし、狭い窓に 足を垂らし懸垂の要領で体を吊り下げた
そこから ゆっくりと腕を伸ばす


ブランと窓枠にぶら下がる形で下を向くと、床まで2メートル程に見えた


これぐらいなら・・・いけるか・・・
思い切って手を離し 今度は無事に廊下へと着地する





その廊下も静まり返っていた・・
足音を忍ばせて 例の部屋の扉の横に立つ

ホルダーからそっと銃を抜き
安全装置を解除してから顔の横で構えた

浅葱さんがいつもしていた様に・・・
浅葱さんが 教えてくれた様に・・



不思議と緊張はなかった
手も震えてはいない

たった一人だと言う恐怖や不安よりも
この向こうに 匠さんが居るかもしれない、そう思う気持ちの方が大きかった



・・・ん、 絶対に大丈夫・・・


一度目を閉じ、大きく深呼吸をして 携帯の透に呼びかける・・

「透さん・・・・こっち・・・・・・・・・・・・」








自分に呼びかける 深月の声が聞えた
続いてカウントが聞えるはず・・・だった・・・・

が、その声は名前を呼んだだけで途切れる
「ん? どうした? 深月君・・・・?」

返事を待つが深月の声はしない
「・・・・?・・・・ どうしたんだ?! 深月君?! 深月君!!!」


何があった・・・
また着地に失敗したのか・・・?
それとも、何か・・・


状況を探ろうとしても 目の前に並ぶ数多くのモニターは
未だ何も映してはいない・・

「この役立たずがっ!」

透は思わずコンソールを叩きつけた


どちらにしても、合図が無いまま 扉を開ける訳にいかない・・・

深月君・・・・・・どうした・・・・・
透はジリジリとした焦燥感に駆られ唇を噛んだ








深月が 透に合図を送ろうと話しかけた その時・・
まだ GOサインを出していない 目の前の扉が音も無くいきなり開いた


扉は 自分達が操作しない限り 絶対に開かない物だと
勝手にそう思い込んでいた

その扉が急に開き、深月はぎょっとして 相手の顔を見つめる
・・・目の前にあの秘書の男が立っていた



男は扉の向こう側で、すでに深月の気配を察していたらしく
全く驚く風もなく、その体は既に臨戦態勢で、無言のまま深月をグッと睨む


深月が声をあげようとした瞬間には 既に後ろを取られ
羽交い絞めにされて 片手で口を塞がれていた


・・・・・!!


驚きと苦しさで 体に回された男の腕をガンガンと殴った

だが、男の力は全く緩む事がない
それどころか、更に強く締め上げてくる


「んっ・・・・・・んーーーー!!」

男は腕の中でもがく深月の手から銃を取り上げ
微かに通信相手の声が漏れる携帯を 服から引っ張り出すと
その通話を切った



ツーーツーーツーー・・・・・・

透の耳に携帯の通話か切れたことを知らせる音が虚しく響いた




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刻印 -195

深月は懸命にダクトの中を這っていた


帰りの事を考えて 足からダクトへ進入した為に
後ろ向きで・・・後ずさる格好になっている
その体勢では 自分が進むダクトの先を 目で確認する事が出来なかった


タブレットも無く 真っ暗な内部・・・・
腹這いで後ずさり
胸から 顔の下あたりでやっと 床から明かりが射している事に気が付く


闇に居る深月は 急に明るくなるマジックミラーの床に視界を盗られ
その度に 顔をしかめ、目を細めた



「まっぶしいな・・・」 小さく呟いてから下の部屋を確認する


あの審議会の控え室と同じ構造の窓なら
どんなに大声を出しても、下に聞えるはずはないのだが
とりあえず声は できるだけ抑えておいた




小さい窓から目視できる範囲は限られている
一部屋が広くなった分、余計に全てを把握する事は難しくなっていた


だが、どの窓から見ても75階と同じく人影は見えない
やっぱりここも誰も居ないか・・・・


ダクトの端まで行きついたのか、足が壁に触れる

空振りか・・・
仕方ない、下へ・・・透さんの所へ一度戻ろう・・
今度は 前進で来た道を帰って行く




いくつ目かの窓の上に来たとき
深月は下の部屋に 何かが転がっているのに目を留めた


あんな物あったか・・?
行きは 眩しくて見落としたのかな・・


扉が視界に入るので、そこは部屋の入り口近くらしかったが
下層の階とは大きく印象を変えていた

豪華な調度品の数々
清掃の行き届いた ホテルの様な部屋
その 塵一つ無い部屋に転がる ・・・小さなモノ




部屋の 明るさに目が慣れてきた深月は じっとそれを見つめた
それは太いマジックペンの様にも見える
あれは・・・


深月は それに見覚えがあった

あれは・・・ 匠さんの注射器・・・!?




思わず すぐにでもこの窓を外し下へ飛び降りたい衝動に駆られる
あれが何か確認したい・・・!
少しでも匠さんへ繋がる何かが・・・

でも、いきなり部屋に飛び込んで もしヤツ等が居たら・・・



深月は逸る (はやる) 気持ちを深呼吸で落ち着けると
今まで見てきた窓の数を思い出していた
1・・2・・・3・・・・全部で8つ・・・
ここが奥から・・・・


・・・・次の窓が この部屋の前の廊下のはずだ・・・




慎重に廊下の上へと前進すると、下の廊下を覗き込んだ
ここにも人影はない

ここで合ってるよな・・・・?

防火扉の向こう側へ降りてしまっては もう自力ではダクトへは戻れない
ただ 閉じ込められるだけになってしまう


確実に 今の部屋の前に下りなくては・・・

落ち着け、落ち着け・・・
浅葱にいつも 落ち着けば出来ると、そう言われた事を思い出していた



間違わない様に もう一度指を折って数を数え
頭の中で反すうした




・・・よし。大丈夫。



携帯で繋がっているはずの透に小声で話しかけた

「透さん・・上の77階、1つ気になる部屋があります・・
 突き当りにある部屋です
 この部屋の扉を先に解除して、僕の合図と同時に開けてください・・
 タブレットの変更のコードナンバーは・・・・・・・」


いきなり聞えた深月の声に 透は驚いた
「・・! ・・ちょ・・ちょっと待て! 深月君!
 開けろって、君一人で入るつもりか!?」


「だって、匠さんへ繋がるかもしれないんですよ
 呑気に待ってなんて居られません
 それに こうしてる間にも、もしかしたら・・・・」

深月の脳裏に あの地下室での匠の姿が浮かぶ



「大丈夫ですから・・・ お願いです・・・! 
 無茶はしませんっ・・・! 透さんっ、扉を開けて下さい!」




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刻印 -194

男は ハルに頭を押さえられたまま、片手で匠のモノを握り
戸惑いながらも小さく口を開けた
少しだけ舌を出すと その先に触れる


「ァッンッ・・・!」
小さな匠の声がした

その声で 男の体にビリ・・と電流が走る


その感覚を確かめる様に もう一度
今度は それを口の中に半分ほど含み込んでみた
「・・・んっあっ!・・やめっ・・・」
今度はハッキリと声が聞え、敏感な匠のモノが 自分の口の中でピクリと動く



男は体を震わせた
その声は 今までに受けたどんな衝撃よりも 鋭く深く体に突き刺さった


男は匠の顔を見上げる
自分の嫌いなエリートと呼ばれる人間が
自らの下でよがり、苦悶の表情を見せていた



男の中でそれまで懸命に押さえ込んできた 欲望 というモノのタガが外れた・・


私の下で 声を上げている男がいる・・・
私が この男の上に立っている・・・
この男を 無茶苦茶に壊してしまいたい・・・


体がゾクゾクと震え、言い様のない興奮が襲う
自分の体が大きく反応していくのがわかる




男は夢中で匠のモノを奥まで咥え込んでいた

舌を這わせ、何度も舐め続けた
根元まで口に含むと、今まで自分の体に女達がしてきた事を思い出し
同じ様に舌を動かした

既にそれは 主であるハルの命令ではなく
自分の昂ぶりを増す為だけの行為だった



「・・ッ!! ・・・・・・痛っ! ・・・んっ・・・・!」
匠は 右手でシーツを握り締め、男の口から逃げようと体をよじる


「歯を立ててやるな・・・・タクミが痛がっているぞ」
初めて男のモノを口にする そのおぼつかなさと
容赦の無い攻撃的な痛みで体を震わせる匠を見ながら、 ハルが薄く笑う


・・・んっ・・ん・・・・・んっ・・・・・
それでも男は 動きを止める事は無く
手で握り締め、必死に擦り上げ・・口で犯し続けた




そんな三人の様子に我慢しきれなくなった老人までもが
匠の頭の側から手を伸ばし
その頬に触れ 湿った手で首筋や肩を撫で回し、耳に噛み付き舐め回した


耳の側で くちゃくちゃと湿った老人の舌遣いの音がする・・
その酒臭い息と不快さで 匠は必死に首を振って逃れようとするが
下半身は 大きな筋肉の塊の様な男に押さえ付けられ、ビクともしない



そしてその男の動きは ただひたすらに痛みをもたらした


「ンッ! ・・痛っ! ・・・・や・・やめろっ・・・! 痛っっンッ!」

「どうだ? タクミ・・・ 
 さっきまで仲間だった男に咥えられた気分は・・・
 そうか・・・・ 痛いか・・・・ 
 ・・・・・・・いい姿だ・・・・・」

ハルは匠の横で、その苦痛に歪む匠の顔を冷たい目で見つめる








その時だった・・


ハルがふと目を細めて天井を見た


「おい・・」
懸命に匠のモノを咥え、自らも昂ぶらせている男の肩に手を置いた

男はまだ興奮冷めないまま、匠のモノから口を離すと ハルの視線の先・・・
天井を見上げ  「・・・はい・・・」  とだけ小さく返事を返す


「どうやら ネズミが一匹迷い込んだらしい
 ゆっくり続きをしたかったら さっさとここへ捕らえてこい・・・・」

「・・・わかりました。すぐに・・・・」




ハァ・・ハァ・・
ハァ・・ハァ・・・

やっと男の口から解放された匠が 自身を隠す様に体を縮める

男はそんな匠を じっと見ながらベッドから降りると
側にあった自分のシャツを握り 足早に部屋を出て行く





「ネズミ・・・ですか・・・」

匠の耳を舐めていた老人が 不安そうに天井を見上げながら呟く
その手はまだ 匠の体を離そうとはしない・・


「ええ・・・ どこのネズミにしても・・・・
 気配を隠す事さえ出来ないヤツだ
 あの男なら 簡単に捕まえて来ますよ、先生・・・・ご安心を・・」




刻印 -195へ続く
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刻印 -193

・・・私が・・ エリートを・・・壊す・・・・?

男は下を向き、目の前にいる匠の顔を見た
ついさっき 自分の中に芽生えた初めて感情・・・

男を抱きたい・・
そして、それを・・・・

しかし、本当にそんな事が・・・

グッと堪えるように唇をかみ締める男を見つめながら
ハルはクスリと笑った




匠の体から自身を引き抜くと、溢れたモノが流れ落ちる・・



「こっちへ来い」
その言葉に 男はハッと顔を上げた

「早くしろ・・・」
「・・・・・・は・・・・はい・・・」



男が 押さえ付けていた匠の体を離すと
匠はその苦しい体勢からやっと解放され、呻きながら体を戻し
脚を伸ばした

刺された左腕を右手で押さえながら
陵辱された体の痛みで 身をよじり、熱で灼けそうな背中をわずかに持ち上げる



ハァハァと 匠の苦しい息遣いが響く部屋で
男はハルに呼ばれるまま おずおずとベッドへと上がった




「ほうほう・・・
 このお堅い男が 初めて男を抱くか・・・・これはまた一興・・・・・
 お前さんも、いい玩具だな・・・・・」
老人は嬉しそうに 匠の体を何度か撫でた後
瓶から直接酒を煽り、緩んだ口元を クッと袖で拭う





「お前、もちろん女は抱いた事はあるんだろう?
 男の体は 女の様に柔らかくは無いぞ・・・・」
ハルは男の手首を掴むと 匠の胸へと持って行き その突起を触らせる



薬と イかされたばかりの余韻で 匠の反応は敏感だった

「・・んっ!」  小さな声を上げ、体が跳ねた
その反応に驚いた様に 男がビクリと手を引こうとする
それを ハルの手が掴んで離さなかった



「どうだ・・・ タクミは敏感だ・・・可愛いだろう・・・
 もっと虐めてみたいなら、構わない、やってみろ」
冷たいハルの声だった



躊躇する男の手にハルは自分の手を重ね、匠の体を撫で回す・・・
ハルの手で、勝手に動かされながらも
男はその匠の肌に 言い様の無い昂ぶりを覚えていた



「・・・いい体だ・・・・・」  ハルの声に男は思わず頷いた



たった今、目の前で見たこの二人の交わる姿が 頭から離れなかった

同じ様に支配して・・
この目の前の美しい男を、私の体で・・・

同じ様に陵辱して・・
この体の昂ぶりを・・・・思い切り吐き出せたら・・・・

早まる鼓動が 苦しい程に男の体を締め付けた







浅葱の手でもなく、ハルの手でもないゴツゴツと無骨な手が
体中を撫で回していく・・・


その手が 下腹部から更に下がり、匠のモノを大きく包み込んだ

力加減のない 荒々しい手で、それは握り締められ
ぎこちなく動き始める




「・んっ! ・や・・・やめろ・・・・・・・・・・」
匠が声を上げた



「口でやってみろ」
匠の声をまるで無視し、ハルは男の頭を押さえ
匠の脚の間にその顔を近付けさせる


・・・ !! ・・・・
男は、驚き 一瞬ハルの方を振り返った
・・・冷たく笑うハルの顔が 男を見ていた


「・・・・やれ・・」
ハルは顎で 男にそう言った




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刻印 -192

匠と体を繋いだまま ふいにハルの動きが止まった


匠はそのわずかな時間にも、肩で呼吸を繰り返す

ハァ・・・ハァ・・・
ハァ・・・ハァ・・・


そして、苦しい呼吸のまま 薄っすらと目を開けた

そこには キツク唇を結び
まるで自分自身の中に湧き上がる何かを押さえ込む様に
大きく息をするハルの姿があった



ハルの冷たい視線がゆっくりと匠を見下ろし、
下から見上げる匠と目が合う・・

「・・・どうしてだ?  ・・・・・タクミ・・・・・」
狂気と怒りを内に閉じ込めた 静かなハルの声がした




いきなり ドンッ・・! とハルが両手を匠の顔の両側に付く

「・・ッンァッ・・!!」
繋がった場所が その動きで更にえぐられ、匠は再び声を上げた  



「どうして・・・・どうして アイツは・・・ ・・浅葱は・・・・
 いつも私の大事な者を奪っていくんだ・・・?  ・・タクミ・・・・・
 いつもいつも・・・・

 ・・・・・どうして!!!
 どれだけ私から奪えば気が済むんだ・・・!!」




ピンと張り詰め、静かな湖面の様だったハルの声が 激情に呑まれて行く

その激情は そのまま匠の体だけに向けられた

「何故だ・・・・・!!
 ・・・・答えろっ!!!」

ハルは今まで以上に激しく突き上げ 匠の体を荒々しく掻き回した



「ンァアアッッ!!! ・・・・・ァァツ・・・・・・ぁああああっ!!」
背中の傷が擦られ匠は痛みで声を上げる


ハルは匠のモノを手で強く握ると それも犯し始める

「タクミだけは渡すものか・・・・・・・絶対に許さない・・・絶対に・・・
 戻ってこい・・・私の元へ・・・・・・・」

「・・ッンンッッ!! ・・・んっ・・ん!! ・・・っっ・・ンッッ!!!!」




匠はそのハルの激情の中で 無意識のうちに 何か すがれるモノを探し
自分の足を押さえつける秘書の男の腕を 強く握り締めていた
刺された左腕からは血が滴り落ちる


自分の腕を握り締めて来る匠の その熱いほどの体温に
男も目を逸らす事ができなくなっていた


「ンッンッ・・・ぁあ! ・・やっ・・・・んっ!! ・・ぁっああ・・!!!」



・・・・浅葱さん・・・・・
・・・・・・・・・・浅葱・・・さんっ・・・・・・・!!

匠はずっと頭の中で呼び続けていた



が、匠の体は勝手に反応し続け その口から出る声は
叫びに近くなっていく




「ほら・・  イけ・・・・タクミ・・・・!!
 お前の心も体も、全て私のモノだ
 私の支配の中でイけ・・・・ 戻って来い!!!」


「・・・・・・・・・ンンッッ!・・ンンッァアアッ!!!!!」
次の瞬間、匠の体が大きく仰け反った

ハルの手の中に温かいモノが吐出される・・・・


ハァ・・ハァ・・・

ハァ・・・ハァ・・・・

早くなった鼓動に合わせ、腕からはトクトクと血が流れた


「そうだ・・・ それでいいんだ ・・・・タクミ・・・・・」
ハルはまだ逃れようとする匠の体を掴み その後ろを再び突き上げ始めた

そして・・ 「・・・ンッ!」
小さく呻くハルの声がして やっと体の動きが止まった



「目を開けろ、タクミ・・・!
 お前の体の中にあるのは、 この私だ・・・・・忘れるな・・・!」



荒い息のまま、意識を朦朧とさせる匠の体内に 自身のものを吐き出しながら
ハルは匠の顎を掴むと、その唇を奪う



・・・・!!
匠はその言葉を拒否する様に小さく顔を振るが
ハルは匠を解放しようとはせず、顎を掴んだまま 深く舌を挿し入れた





・・・ハルは 匠の唇を覆ったまま チラリと体を押さえる男の方を見る
男は匠を押さえたまま、息を上げているように見える


「どうした・・? 興奮したのか・・・?」
ハルの見透かす様な視線に 男は思わず目を逸らした・・


「フンッ・・・  エリートは嫌いなんだろ?
 その嫌いな人種を自分の手で 壊してみるか・・?」




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刻印 -191

ハルは 秘書の男に脚を押さえさせたままの匠を じっと見下ろしながら
自ら衣服を脱ぐ


閉められたブラインドの隙間から わずかに射す光で見えるハルの裸体に
男は思わず息を飲んだ


自分が押さえつけている男・・・ 匠の体もしなやかで美しかったが
目の前に立っている男の体もまた 完成されたものだった



日々、トレーニングだけを積んできた自分の固い体とは
まるで違う次元の美しさがあった



この二人が・・・交わるのか・・・?


男同士など・・・そう思っていた自分の体が反応するのがわかり
男は顔を紅潮させる


そんな男の反応を 老人が絡みつく様な濁った目で見上げていた



男の視線に気が付くと ハルは、自らの体を匠の脚の間に置き
まるで見せ付ける様に、 匠の太ももを押さえ 左右にグッと開かせる

「・・んッ・・・!!」  
薬の作用と戦いながら、匠が小さく呻き 拒否する様に顔を振った



「よく見ていろ・・」 
ハルはいつもと同じ様に冷たく笑い、男にそれだけ言うと
何の準備もなく いきなり匠の後ろへと自身を突き挿した



「・・!! ・・・・・ン”ッッッ・・・ッァっっーーーー!!!!」
唇を噛んだまま、匠の呻き声が上がり、大きく体が仰け反る

少しでも体をズリ上げ 挿し込まれたモノから逃れるように体をよじる匠の脚を
ハルは両手で掴み逃そうとはしない

そのまま匠の奥深くまで無理矢理に挿し込みながら、動かし
狭い場所を押し広げていく・・・



「んッッ!! ・・んっ・・・ん・・・ん・・・っっぁッ!!」
激しく首を振り、侵入を拒む匠の体に ハルは容赦しなかった


「もっと鳴け・・・・・・タクミ・・ 声を上げろ・・・」
ハルの体が 匠を突き上げる度に、その振動が男の腕にも伝わる
その振動と匠の声は 男の中に、初めての感情を呼び起こしていた




「ンッ・・!!!ァッっ・・ や・・・・やめ・・っ・・・・」
匠は声にならない抵抗を続ける

が、薬のせいで その体は敏感に反応し
感覚だけは益々研ぎ澄まされていく・・


「ぁ・・・っ! ・・・ん・・・・・・っっ・・・っ・・・・!!!」
突き上げられる度に 匠の体がビクッ、、ビクッと震え
嚙み締めた唇から声を漏らす・・・・・




永遠に続くのでは無いかと思う程の 陵辱の時間・・・
強く目を閉じ、引き上げられ、押さえつけられた脚を開き
苦しげに荒い呼吸を繰り返しながら
それでもその声は、痛みと苦痛を乗り越えようとしていた

そこは自分の体の奥深く、何度も浅葱が愛し救ってくれた場所・・・


腕の出血と体の痛み、薬とで朦朧とし始めた匠の意識は
徐々にハルの元を離れ、 全く別の場所で・・・・
浅葱の腕の中でその声を上げ始めていた




・・・・この体の痛みは全て浅葱さんがくれたもの・・・

・・・・俺は・・・何があっても、浅葱さんだけのもの・・・・・

・・・・・・・浅葱さん・・・・・・・






嫌がり抵抗する匠の声が、徐々に 切なく変わっていく・・・


その声の変化に ハルは、匠を押さえつけ 犯しながら
鋭く冷たい視線で睨む様に見下ろしていた・・


・・ハルは既に 確信を得ていた
この匠の声は、自分ではなく 他の誰かに向けられている・・


他の誰か・・・・
タクミをここまでに出来る男・・・


ハルの中にも 一つの結論は出ていた
それは 初めから判っていたのかもしれない
ただ、認めたくなかった



「・・・・・浅葱・・・・・だな?・・・・・」



その名前に 匠の体がピクリと反応する
だが、質問に答えることもなく匠はただ小さく声を上げ続けた




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刻印 -190

「あ・・  すみません・・・」 深月は恐縮したように左手を出す

膝の上にはコンソールから下ろした愛用のタブレット
それにまだ右手で何かを打ち込んでいる


「包帯を巻くのは久しぶりだな・・・」  透が呟いた

「そういえば、 おやっさんの教え子って・・
 やっぱり透さんも 元は医者ですか?」
深月も手を止める事無く 話を返す


「ああ・・元はな・・・
 でも、さほど キャリアも積まないまま、こっちへ来てしまったからな
 先生の様に自分の病院がある訳でもなく、中途半端なままだ」

「ん? おやっさんって自分の病院 持ってるんですか?」
深月は そこで初めて手を止め、透の方へ顔を向けた

「知らないのか? 郊外に結構大きな病院があるはずだが・・
 ・・さ・・・右手も出しなさい・・」




巻かれた包帯は指が動きやすいように、丁寧に巻かれていた

「さすがですね・・・」
左手の指を何度か曲げてみて、深月は感心したように右手も差し出した 



「あの、お願いがあるんですが・・・いいですか?」
深月が透の顔を覗き込む様にして尋ねた


「ん? なんだ・・・?」

「このエレベーター、タイムロックがかかってるんです。 しかも複数・・・」

「タイムロック・・・?」

「はい、 んー・・・・・ 簡単に言えば、複数の時計の針が全部揃った時にだけしか
 解除作業ができない・・・って感じだと思ってもらえたら・・
 このエレベーターは・・・・・・計算だと3時間15分に一回
 その時に失敗すると、またそこから 3時間15分後まで 手が出せません・・・」

「・・そんなに長いのか?」

「ええ・・・で、お願いなんですが
 あと3時間後の この次・・  透さんに ・・その解除をお願いしたいんです
 あ・・ やり方も手順も このタブレットの指示で出来る様に、今組んでますから・・」




「君は・・?」

「あと3時間も、こんな所でじっとはしてられません・・
 まだ見てない上の77階へ行ってきます」

「ならば私も行こう・・・・ 今はこんな部屋に収まっているが
 元は 君達と同じ仕事をしてきたのだからな・・・」 




「お言葉は嬉しいんですが・・・まだ扉も全部開いていません
 3時間の間に それもお願いしたいし・・・・それに・・・・」


深月は言葉を止めて 透をじっと見た

「透さんも、浅葱さんぐらいの身長と体格、ありますよね?
 ハッキリ言って、透さんでは あのダクトは無理です・・・・
 そちらの秘書の方は・・・・・・もっと無理・・・

 だから、ここでの大事な作業をお願いします
 これから3時間の間に、できるだけ扉を開けて、時間が来たらエレベーターを・・
 ・・・・あと・・・
 僕をまたあの天井へ押し込んでください」



自分が落ちてきた天井の穴を深月は見つめた


「わかった、私はここで君の指示に従おう」
「はい、 お願いします!」 





深月は 丁寧な手順に組み替えたタブレットを
「これ、僕の相棒なんで、よろしく」  そう言って透に手渡した


「君の相棒は あの一ノ瀬君じゃないのか?」 そう尋ねる透の声に
「んーー・・・ だと、いいんですけどねーー」
深月は明るく笑って見せた



「ん・・ そうか、わかった、では大事な君の相棒、預からせてもらう」
透はそれだけ言うと 天井の穴の下にテーブルを寄せ、
秘書の男と二人で深月をまたあのダクトへと送り込んだ







ダクトの内部・・・・ 今度はタブレットも無く、真っ暗だったが
もうそこは慣れたものだった

あの大きな縦穴まで出ると、再び冷たい梯子へと取り付く
透がしっかりと巻いてくれた包帯のおかげで
梯子の冷たさも、手の痛みも ほとんど感じる事はなかった




1階分、 5メートルほどの梯子はすぐに上り終え
目指す77階の横穴へと 体を入れると
そのまま光の差し込む窓へと 深月は這い始めた・・・




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刻印 -189

深月は下にあった机へと飛び移った
つもりだった・・
が、 実際には側にあったイスまでもガラガラと派手になぎ倒し
床に思い切り腰をぶつけた状態で着地した

自分が思っていたよりも、体力を消耗していたらしく
着地の衝撃を支えきれなかった
膝も脚もヘタヘタと崩れ落ちる



「つぅっっ・・!・・  痛って・・・・・カッコ悪っ・・・・・・・・・・・」
「深月君! 今の音は・・・・!」
すかさず透の声がした


「ぁはは・・ 透さん、心配しすぎです・・・・痛って・・・
 ・・・ちょっと着地失敗・・・・  でも 無事到着・・・・」


強打した腰を押さえながら、やっとの事で立ち上がり
管制室のコンソールに手をつく



そこでは 色とりどりのボタンが激しく点滅を繰り返している

機能を停止しているわけでは無さそうだったが
目の前に並ぶ監視モニターはどれも真っ暗なままで
何も映し出してはいない



深月はホルダーからタブレットを外した
落ちる瞬間にも 咄嗟にかばい、横向きで着地したおかげで 異常は無さそうだ
代わりに強打した腰をさすりながらイスに座った




コンソールの上にタブレットを置くと 操作し始める

が、凍った指が全く動かない・・

まだ梯子を握るカギ状で固まったまま、指を伸ばそうとすると
手の掌の裂けた皮がピリピリと口をあけ、出血を始める

「痛っっっ・・・ったっっ・・・・!」
思わず叫んでいた



声だけしか深月の状況が想像できなかったが
全ての感情を素直に表に出す深月のその声に
透は思わず微笑んでいた

「ゆっくりでいいからと 言ってやれないのが残念だけど
 頑張れ・・ ・・深月君」

「はいはい・・  わかってますよ・・・・・・・・・
 ちょっと静かにしてて・・・・・・・っと・・・・これがこっちで・・・・」

痛む指でコンソールを叩くことに必死な深月には
もう透への 敬語など考えている暇はなかった



透は その遠慮の無い声に 「・・ん・・・・そうだな」 と微笑みながら頷く


どうせ作業に必死で 先生に連絡もしてないのだろう・・・ と
階下のオヤジ達に電話を繋ぎ、深月が無事に到着した一報を入れた

その連絡にオヤジも浅葱もホッと胸を撫で下ろす





ポタポタとコンソールに血が滴っていく
が、それさえ気にも留めず深月は必死でキーを叩き続けた


そして
「透さん、その部屋の扉 開けます・・・防火扉も開いてるはずだから
こっちへ来てくれませんか」  そう声をかけたのは 数十分ほど後だった




管制室の扉が開き透が飛び込んでくる
正面のコンソール前のイスに一人で座り
まだ作業を続けている深月の後ろ姿があった

「深月君!」
走り寄り、その姿を見て透は唖然とした
服は汚れ、顔は蒼白のまま、コンソールは血で汚れている


その声に視線を向けもせず ただ黙々とキーを打ちながら

「あ・・ はじめまして、透さん・・・・・深月です・・
 えっと、今はまだ エレベーターの解除をしてるんですが・・・
 扉も全部開けられなくて・・・・・
 なかなかこれが 強敵で・・・・・っと・・・
 これでもダメか・・・・・・
 じゃあ・・・・こっちから攻めたらイケるパターンかな・・・
 ・・・・えっと・・・今 イイトコなんで・・・・ちょっと待ってて・・・
 ・・・・話はあとで・・・・・・・」


「それは任せるが・・ 君は 大丈夫なのか・・・?」

「あ? 僕ですか・・・・・・・・
 うーーーーん、大丈夫だと思います・・・・よ? ・・・・っと・・・・
 こんなの、匠さんに比べたら・・・・・・全然・・・・・」


「また匠さんか・・・・・ 君は仲間想いなんだな」
透は深月の後ろ姿に優しく微笑んだ


「ええ・・・・匠さんは 一番大事な人です・・
 もう愛しちゃってますから・・・・ ・・それを ・・僕が傷付けてしまったし・・・・
 ・・・ってこれでもダメかー!!
 ったく・・・これ作ったヤツ尊敬しますよ・・・・
 クソッ・・・・! ダメだ・・・・タイムロックがかかってる・・・・・・」



フゥ。。と大きく息を付き、深月の手が止まる

大きく天井を見上げ ハァーーーーーーーーと背伸びをした後
「あぁっーー!」 と深月は透を振り返った



「あっ!! ・・・あの、あの・・・・すみません!
 僕・・・・ なんか 滅茶苦茶、失礼な事を言って・・・
 それに・・・えっとなんか・・・今、僕スゴイ事 言った・・・・?
 ・・・え・・  ・・あれ?・・・おっかしいなぁ・・・・・・」



大慌てでその場を取り繕う深月のそんな様子に 透はフッと笑う

「いいんだ、今は無礼講だ、そんな事は気にするな
 それより、手 見せてみろ・・・ 他に痛む所は無いのか?」


秘書に自室から持って来させた応急セットを取り出すと

「私が・・」 と、秘書の男が手を出すのを
「いい、・・・・私がやる」   透が深月の手を取った




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刻印 -188

「どうした・・・・! 深月君!! 深月君っ!!!」

ずっと 匠の名前だけを呟いていた携帯の音声から
いきなり深月の叫び声が聞え
透は思わずイスを蹴って立ち上がった





深月は咄嗟に 細い梯子に抱き付く様にして体を止める
全身から嫌な汗が噴き出していた



ハァ・・ハァ・・

ハァ・・ハァ・・


な・・・何・・・・?!



梯子にしがみつき
滑った手の掌を見ると マメが潰れ皮が裂けて出血していた・・

これか・・・ 血で滑ったのか・・・
冷えきった手はもう感覚も無く
これほど酷くなるまで 痛みさえ感じていなかった


梯子を腕で抱えたまま、シャツの袖で血を拭い 再び梯子を握り締めると
・・・ 落ちていたかもしれない ・・・ 
改めてそんな恐怖が込み上げ足が震えてくる





透が呼びかける声が聞えた
気が付けば 風がおさまっている


「・・・・透・・・・・さん・・・・・・・・・」
人の声を聞き、ほんの少し実世界と繋がった気がして恐怖が和らぐ・・

深月の返事に
透も、ふぅと息を付き、倒れたイスを起こし座り直した



「よかった・・・・・驚かせるな・・・・ 本当に無事で・・・」

「すみません・・・・あの・・・居室って何階ですか・・・ 
 NO.2の部屋って・・・」


「75から77階が 我々の個人使用だ・・・ 
 それより、 君は大丈夫なのか?」

「75階からですね・・・・ 僕がその辺りまで来たらまた教えてください
 もうそろそろ体力、限界なんで・・・・そこまで一気に登ります 
 今は・・ ちょっと手が滑っただけです ・・・まだ生きてますよ」





深月の手は感覚を失い
指は梯子を握る鍵形のまま 固まったように開かなかった


今は 感覚が無い方が救いだな。。 
握る度に血が付着する梯子を見ながらそう思っていた
曲がったままの指も、登るには丁度イイ・・・


何十分かに一度吹き荒れる風の中で 体も冷え切っていた
足にも力が入らなくなってきている


帰ったら、あったかい布団で寝たい・・・ 
そんなささやかな願いが頭をよぎる
匠さんは・・・ ずっとあの冷たい台の上に居たんだよな・・
動かない体で、見えない目で・・・・・

それに比べたら・・
「匠さん・・・  匠さん・・・   匠・・    匠・・・・・・・・・・・」






どれ程登ったか・・ そう呟く自分の声に混じって透の声がした
「もうすぐ75階だ、深月君・・」


ハッと我に返る

見上げると数メートル先に、ダクトが見えていた
あそこか・・・やっと、やっと来たのか・・・・



狭いダクトの中では方向転換できない
梯子からダクトへは 足から入るしかなかった


そろそろと手を伸ばし、足から滑り込む様にダクトに入ると
体を回して腹這いになる

そのまま後ずさる様にして 
床に設けられているマジックミラーから順番に下を確認していった

狭い小さな窓からでは
広い部屋のほんのわずかしか確認することは出来なかったが
どの部屋も人影がない


仕方なくまた来た通路を今度は前進で戻る事にした

次の76階には透さんの部屋と、管制室がある
やっとこの通路から出られる

そう思うと心なしか 這う速度も速くなっていた




76階のダクトへ入って暫くすると
「あと30メートルほど先が私の部屋だ、深月君、・・そして管制室は一番奥」
透の声が携帯から聞えた


「わかりました、とりあえず管制室へ下ります」

深月は管制室の上にある窓を外す
真下に机があった
丁度いい・・あそこへ・・・

深月はその机へと体を躍らせた・・




刻印 -189へ続く
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刻印 -187

33階のダクトはすぐに見えてきた

おやっさんには 出来るだけ各階をチェックすると言って来たが
32階で拉致した人間を33階へ監禁なんて有り得ない・・



深月はもう少し上の階まで一気に上る事にし、顔を上へ向ける

それは想像以上に冷たく 上り難い梯子のせいでもあった
こんな下の方で無駄に体力を消費する訳にはいかない



一番疑わしいのは・・・
黒幕がNO.2だと言うなら その居室がある階だ

誰が居るかもわからない 公共のスペースへ連れ込むより
僕なら、自分の部屋に・・・・


ふと、浅葱の部屋のベッドで寝ていた匠の姿を思い出した

「匠さん・・・・・」
きっとあの時も・・・・



一瞬 体が止まり、梯子に取り付いているだけの自分に気が付く

なっ・・・ 何考えてるんだ・・・こんな時に・・・
こんな、、ぼーーっとしてる暇は無い・・

そう自分自身に言い聞かせ、深月はまた登り始めた





右・左・右・左・・・
機械的な、 ずっと同じ動作の 永遠にも思える繰り返し・・
どれだけ必死に登っても、その周囲の景色は何も変わる事がない

ずっとグレー1色の無機質な壁に 銀に光るどこまでも同じピッチの梯子
何の達成感もなく、何の目印もなく 
平衡感覚さえおかしくなりそうな空間で
本当に自分は登っているのだろうかと、錯覚さえ覚えた



ハァ・・ハァ・・

ハァ・・ハァ・・


息が上がり、口で呼吸をすると
喉がヒリヒリと痛み、乾いた風のせいで 口がすぐにカラカラになった



下は・・・
下を見れば 少しでも達成感が得られるのだろうか・・・・
ここまで来たのだぞ。という・・・


下を向きかけて・・・・
東京タワーって何メートルだっけ・・・・・ふとそう考えた


そう思うと 何故か急に 笑いが込み上げてくる
乾いた喉の奥から絞り出す 乾いた失笑・・・


何をやってるんだか・・・

こんなとこで下なんて見たら、もう2度と この梯子から片手を離し
上段へ繰り出す事なんて出来なくなる

最初に見た あのコンクリートのザラついた床を思い出した
落ちたら・・ 即死・・・

今の自分の状況を冷静に思うと、もう 恐怖で下を見る事は出来なかった・・




その時だった
また強風が巻き上がる


・・・クソッ・・!!!


両腕で梯子にしがみつき、風がおさまるのを待つが
体はみるみる体温を失い、指先に力が入らなくなる


こうしているだけでも 体力は消耗し、時間もロスする
出来るだけ止まらずに行かないと・・
N0.2の居室は何階だったか・・・・



・・・・・・恐怖から逃れるように、携帯へ話しかけた

「透さん・・・・N0.2の居室って・・  何階からですか?」
だが ゴウゴウと響く風切り音で 携帯からは何も聞えない



ダメか・・・
苦しい呼吸とカラカラな喉で、既に声は出にくい
登りながら話をするのは無理だ

だったら・・・  風がある時に 黙って、登る・・・少々無理をしてでも・・
そして、風がおさまったら、もう一度 透さんと通話・・

今は少しでも上へ・・・・・・・
右手を伸ばし、また1つ上段へ手を掛ける







・・・・・・・ ズルッ!!!

握ったはずの梯子から右手が外れた




「・・・・・・んぁっっ!!!!!」




刻印 -188へ続く
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刻印 -186

突き当たり・・・正確には突き当たりではなくトンネルの出口・・
そこから薄明かりが入って来ていて、ダクトの中も徐々に明るくなる

そのポッカリとあいた出口から 深月は次に広がる空間へと
頭だけを覗かせた



途端に体ごと持って行かれそうな 強い風が深月を襲う


空調から巻き上がる風なのか、少しひんやりとした風がとても心地よかった

息苦しかった狭い通路から 一気に強風にあおられ 思わず大きく息を吸う
ひとしきり、冷たい風で体を冷やして落ち着くと
深月は改めてその場所を見つめた



風が吹き上げ、風鳴りの音をさせるその場所は
5メートル四方程の 四角い大きな穴だった

上を見上げると その先は目視出来ない程の高さがあり
下は10メートル程度でコンクリートの打ち放しの床が見える


筒抜けの空間・・・
その脇穴から 深月は顔を出していた


なんだ・・・これ・・・




「透さん・・・ 聞えますか?
 大きな縦穴です
 ここ・・・ 何だか わかりますか?」



透に繋いだままの携帯に向かって深月が尋ねた

「たぶん・・・ エレベーター・・・・・・副坑・・ 
 位置的に・・・・・・その向こうがVIP用のエレベーター・・・・はずだ・・」


風鳴りの音でハッキリとは聞き取れない
途切れ途切れで、透の声がした



「エレベーター・・・」


確かにその筒は ビルの上から下までを貫くように縦に走っている

壁には多くのケーブルが束になり
その脇に金属の細い鉄梯子が真っ直ぐに伸びている

数メートルごとに今 自分が居るのと同じ様な横穴があった



VIP用エレベーターの副坑・・・・
高速道路のトンネルの 非常用出口に繋がる通路・・・みたいなもんか・・・・
下が10メートル程の高さってことは ここが32階だから・・
ちょうど2階分ぐらい・・・・
ということは・・ 

深月は先の見えない上方を見上げた・・・


この穴のテッペンは80階・・・・・
高さで約・・・・ヨン・・・・・400m・・・・・・・・・!!


そこまで考えて思わず背筋が冷たくなった
さっきまで 暑さで汗びっしょりだった体が
冷たい風で 急速に冷やされたせいもあるのだろうが
それが高さへの恐怖だと、深月も自覚せざるを得なかった


でも、この鉄梯子を登り脇穴へ入れば各階へ行ける・・・はず・・・
そして、目的の76階へも・・・・


400メートル・・・・
改めてその高さを思い、 思わずゴクリと唾を飲む

深呼吸をしながら目を閉じると 匠の顔が浮かんだ
少し悲しそうな顔、優しく笑う顔・・ 苦痛に歪む顔・・・・・・



「匠さん・・・ 匠さんが待ってるんだ・・・・
 匠さんが・・・・・・
 怖いなんて・・・・もう・・・もう、、もう!!!  行くしかないでしょっ!!!」

深月は自身に言い聞かせる様に大声で叫んだ


その声を 携帯で透が聞いていた・・・




深月は ホルダーにタブレットを挟むと、思い切って鉄梯子に手をかけ
体をダクトから前に滑り出させた

ここはまだ 高さは10メートル程だ・・
巻き上げる強風にも 一定のリズムがあるらしく、今はさほど強くはない


今なら・・・ 


深月は思い切って体を引き抜くと 鉄梯子に取り付く




両腕で抱える様に梯子を抱くと
その梯子は思ったよりも冷たく細かった

そこに強風が吹くと、手の感覚が無くなる気がした


本来ならここに予備のエレベーターの箱がぶら下がり
避難用とされるのかもしれない

万が一 この梯子で人間が移動する様な事態になっても
厳重に命綱を装着しての事だろう・・


こんなシャツ1枚の軽装で、手袋も命綱も無く
体1つで上り下りするなど、常識の範囲を超えていた



両手の掌に ハァー息を吹き掛けると、深月はカンカンと高い音を響かせ
梯子を上り始めた




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刻印 -185

深月は 動きにくい上着を脱ぐと
肩から下げた銃のホルダーにタブレットを挟み込み 身支度を整えていた


「じゃあ・・透さん、僕の居場所は タブレットから発信するので
 判る範囲の情報で結構ですから、誘導 お願いします
 
 おやっさん・・
 どうせ上がるなら、出来る限り各フロアをチェックしながら行きます
 もしかしたら、途中で匠さんを見つけられるかもしれないし・・・
 僕が上でエレベーターと扉を解除できたら
 匠さんを助けに行ってあげて下さい」


「ああ、わかってる・・・・ 流、絶対に無茶はするなよ」



オヤジは 図体のデカイ自分を
オレもこんなんじゃなきゃな・・ と苦笑いをして見せ
「頼んだぞ・・」  と、深月の肩に手を乗せた

深月はそれにしっかりと頷く・・
「はい・・・  行って来ます」






「おい、あったぞ、 ここだ・・・」

廊下に置かれていた 花を飾ったテーブルに上がり
格子模様の飾りが施された天井を隈無くチェックしていた浅葱が 深月に声をかける


天井と同色の格子で つなぎ目をカモフラージュし
見た目では その存在を見破る事さえ出来ない程にわかり難くしてあるが
その一角だけ 天井が上に押し開けられるらしい




「来い、深月」

浅葱が差し出した手を 深月がしっかりと掴む

浅葱は同じテーブルの上に深月を立たせると
天井まで手が届かない深月の体を抱き上げた


浅葱の力強い腕は 深月を易々と持ち上げ、ダクトへと滑り込ませる・・・

「行って来ます、浅葱さん」
そう言う深月の体を離す間際、浅葱はその手を強く握り返した







そこは狭い空間だった

三人のうちで一番小柄な深月でさえ
両肩を左右の壁に擦って 匍匐 (ほふく) 前進するしか出来ない程だ


深月はホルダーからタブレットを取り出し、両手で持つと目の前にかざす
真っ暗な空間だったが、タブレットの明かりで不自由はしなかった




「よし・・・」
深月は自分に言い聞かせるように 声に出すと
蜘蛛の巣と埃と、大小様々な太さのケーブルだらけのダクトを進み始めた





時折、自分が上がって来たのと同じ様な ”出入り口” らしく
下から明かりが差し込む場所がある

そこから覗くと 部屋の様子が良く見えた



・・・こんなにハッキリ見えるなんて・・
控え室のあの窓と同じ仕様なのか・・・



廊下から見上げた天井は 一面、何の違いも無かった
いや、 そもそも違和感さえ感じなかったのに
こんな場所にマジックミラー・・・・

きっとどこかの省庁の偉い人間が 派閥争いや、裏情報の収集の為に
その権力に物言わせ作らせたのだろう・・

「なんて胡散臭い (きなくさい) ビルだ・・・」

それは勝手な想像の範囲だったが、あながちハズレでも無さそうで
深月は一人の不安を打ち消す様に ブツブツと呟く




だがそれは逆に 今の深月にとって 願ってもない事だった

このダクトが 何らかの裏工作に使われるとしても
それならば、人が通れるように出来ている

それはどこかに通じ、きちんとした出入り口もある通路 と言う事になる



「行かなきゃ・・・・・」
深月は狭さと息苦しさに喘ぎながらも 少しずつ前進する
灯りが差し込む ”窓” からは必ず下の部屋を確認した

部屋に閉じ込められた人々は 一様に憔悴しきっていたが
匠へ繋がるヒントは まだ見つける事はできなかった





暫く進んだ所で 深月はふと前方からの風を感じる
それは空調などと言うより、いわゆるビル風に近い吹き返しだった

もうすぐ どこか大きな通路に出る・・・




刻印 -186へ続く
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刻印 -184

「扉・・・  開けます」
深月の声が 控え室の重い空気を払拭する様に響いた


「よっしゃ!」
オヤジは鼻先スレスレまで扉に近付き、足踏みをせんばかりにその時を待ちわびる


額の汗を拭いながら、深月が見つめるその扉が
音も無く開いていく・・




真っ先に廊下に走り出るオヤジ、その後に浅葱が続き
その後ろを 深月もタブレット片手に走り出た


やっと、やっとこれで匠さんを・・・!!



が、三人がそこで見たのは
十数メートル先で 堅く閉じられた防火扉だった

「防火扉・・・  そう言えば透さんがそんな事を・・・でも・・・」
振り返るとすぐ後ろにも 同じ扉が廊下を塞ぐのが見える

「たったこれだけの距離で2枚・・・  こんなにたくさんあるなんて・・・・・」




唖然と扉に歩み寄る深月の後に 二人も続いた

オヤジが扉を開けようと手をかけるが、その扉もまた
控え室同様に 取っ手もスイッチも何もなく、ビクともしない


「まさか、これ全部・・・・解除していくのか・・・・・」
浅葱が呟く

「おいっ! 透! 防火扉って・・・・いったいどのくらいあるんだ!」
オヤジが電話の向こうに聞くが 
返ってきた答えは 「わからない」 だった



「わからねーって・・」

「このビルが出来てまだ数年
 今まで防火扉が全て閉じた事など一度も無いのです
 最悪・・・・各部屋ごとに閉じられる仕様なのかもしれません・・・
 もし何処かの部屋で失火したとしても
 各部屋なら、例え隣であったとしても類焼は免れますから・・・
 こんな高層ビルなら、特に・・・・」


「じゃあ・・・・このワンフロアに 部屋はいったいいくつあるんってんだ!」
透の説明にオヤジが苛々したように聞き返した




「階によって違うでしょうが・・・
 その32階なら 確か10部屋以上・・・
 上になれば部屋も広くなる分、数も減ってきますが・・・・・・」


「10も・・・・・・」   深月がポツリと呟く





「1つ開けるのにどれくらいかかるんだ・・・深月・・」
浅葱も困惑した表情で尋ねる


「パターンの癖は掴んだんです・・・・それでも1枚に 少なくとも10分は・・・・
 10枚あればどんなに急いでも1時間半・・・」


「それにまだエレベーターもある・・・
 匠が居る部屋を特定できてない今は・・・・全部の階を見て行くしかない・・・」


「ここから 最上階まであと48階分・・・・・・単純計算で・・・扉だけで72時間・・・」




三人に絶望の色が広がる・・・



「そんなに時間かけてたら・・・匠さんは・・・・・」
深月は持っていたタブレットを ギュッと握り締めた






「透!何かいい方法は無いのか!
 なんかこうーーーーー全部、一気に開けちまう方法がよー!!」

「一気にと言われても・・・先生・・・管制室でなければそんな事・・・」

「その管制室はどこですか!透さん!」
深月がオヤジの携帯に 飛びつくように叫んだ



「管制室は何箇所かに分散されてるはずだが・・・・
 私が見た事があるのは 私が居るこの部屋の近く・・
 76階に1つあったはずだ
 だが場所わかっても 結局そこへ行けなければ意味がない」


「あの・・・天井裏にはケーブルなんかの電気設備の保守管理や
 空調設備用のダクトがあるはずです
 これだけの扉を閉めておきながら、ガスか何かを流そうと言うのなら必ず・・
 そこを通って管制室まで上がれば・・

 見えている部分は最新でも、結局は電球が切れたり、ケーブルが古くなれば
 直すのは人間の手ですから・・」


「それはあるだろうが・・・ここは32階だぞ、流・・・76階までどうやって」


「その点検用のダクトを通って・・僕が行きます」




二人は驚いた様に顔を見合わせた


「深月、お前では体力的に無理だ、 行くなら俺が上がる」
浅葱の指摘も もっともだった
オヤジも それにうんうんと頷いた


「いいえ、お2人では、体のサイズ的にダクトはキツイです
 それに・・・
 管制室まで行っても僕じゃないと、何も出来ない
 これは 僕にしか出来ません」




刻印 -185へ続く
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刻印 -183

匠はそのまま目を閉じ 顔を背けた
飲まされた薬のせいで 勝手に火照り始めた体に 声を上げまいと耐え
グッと唇を嚙み締める



「誰だ・・・・タクミ・・・ 誰に抱かれた・・・・」

ハルの声は静かだった
いつもの笑うような 戯る (たわぶる) 様子はまるで無く
ただただ 冷たく静かだった・・

まるで蒼白い炎を纏う様なその静けさに
匠の腕を押さえる男は 脅威さえ感じ・・・
ゾクリと背筋に冷たいものが走る



ハルの手が伸び、匠の顎を掴んで 正面を向かせると
真っ直ぐに その顔を見据える



「・・・・言え・・・・・・」 

だが、匠は目を閉じ、硬く唇を結んだまま 何も話そうとはしない

黙り込み 完全にハルの存在を無視しようとするその姿に
ハルは 一度目を伏せ、大きく溜息のような息を吐く



そして、再び全裸の匠の上に馬乗りになる・・

驚き 目を開けた匠と、ハルの冷たい視線がぶつかった途端だった・・・
ハルの手の甲が 匠の頬を激しく打ち据えた


「・・ンッッ!」
ハルの指にはめられた指輪で 匠の頬が切れ、そこにゆっくりと血が滲む

 


「・・答えろ・・  答えろ、タクミ・・・」

ハルは 何度も何度も平手で打ち続けた
匠はまるで翻弄される人形の様に されるがまま ただ苦しそうに息をする

打たれる衝撃で 飲まされた薬が急速に体に回っていく



「もう苦しいだろ・・ 
 もう 私が欲しくてたまらないだろ・・・・
 ならば言え・・ 誰がお前を抱いた・・・?
 
 ・・・お前は・・私だけのモノだ
 その刻印は、私の印・・・・
  
 私が欲しいと・・・その口で、その声で言え
 懇願し、くださいと乞え・・・」



・・・・ハルの手が 匠のモノを強く掴む

「・・・んっぁっぁ・・っ・・!」

薬で敏感に研ぎ澄まされたその感覚に、 匠は思わず声をあげ
腰を浮かせて身を捩った



「これほど自身を昂ぶらせておいて・・・・まだ言わないのか・・・
 素直に言えば、すぐに楽にしてやる・・・・・」

「誰が・・・・お前なんか・・・・に・・・・・・・」



匠が小さく呟くと ハルが目を細めた




ハルは側に置いた小さな果物ナイフを握ると 
馬乗りになったまま、押さえられている匠の左の上腕に
プツリ... とそれを突き立てた



「・・・・・・・・・・・ンッグッ!!!!!!!!!!」

衝撃で匠の体が跳ねる
が、ハルを睨み返したまま 声さえ上げようとしない


腕から流れた鮮血が 白いシーツをジワリと真紅に染めていく




腕を押さえる男も驚き 一瞬手が緩む
「手を離すな!」



それまでの静かなハルからは想像出来ない程の声だった

「は・・・はい・・・申し訳ありません・・・・・」
男は慌てて 匠を押さえ込む



「おい・・ タクミの・・脚を持ち上げろ・・・・・」
ハルはじっと匠の顔を見つめたまま 無表情にその体から降りる

「えっ・・・あ・・・・はい・・・」


頭の方に立っている男が 体を伸ばし覆いかぶさる様にして
匠の膝まで手を伸ばす

そのまま膝を 下からすくう様に手を入れ、頭の方へと引き上げた



「・・ァァッ・・!!! ・・ンンッツ!!」
体を丸められた格好で膝を持ち上げられた匠は
後ろの穴までを露にしたまま
刺された腕の衝撃と、背中が引き攣る痛みで 思わず声を上げた



「そのままだ・・・・本当に・・・誰かに抱かれたのかどうか
 ・・・・・確かめてやる・・・」




刻印 -184へ続く
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刻印 -182

二人の話しが聞えていたのか 冷笑しながらハルが戻って来る
その手には 小さなナイフが握られていた


「お前は 利口な男らしいな、安心した
 私は無能なヤツは大嫌いだからな・・・・
 
 さあ・・ タクミ・・・・・続きだ・・
 抵抗すれば・・・・・
 ・・・・・・そんな事は この体の方が よく知っているか・・・
 こうやって、 もう嫌と言うほど、教え込んだのだからな・・・」



ハルの右手に握られたナイフが胸に ツ... とあてられる



冷たいナイフの切っ先の感触・・・


匠は体をピクリと震わせると 思わず目を閉じた


「そうだ・・・・タクミ・・・
 まだ覚えているだろう・・ ナイフで胸を切り裂かれる痛みを・・・」 




ハルは おとなしく目を閉じた匠の様子に 満足の表情を見せると
顎を持ち上げ、唇を塞ぐ・・

強引に唇をこじ開けると、そのわずかな隙間から舌先を割り込ませた



「・・ンッ・・・・!」

匠の口内で動きながら、時折チラチラと見え隠れするハルの舌
それから逃れるように 眉間にシワを寄せ
苦しそうに脚を動かし、体を捩る匠の姿・・・ 

男は二人をじっと見つめていた




ハルは 唇を塞いだまま、ゆっくりと 手を胸から、下腹部へと伸ばし
匠のモノを大きく握り込む・・


「・・・・ァアッ・・・ンッ・・・・・!!」
ビクッとその体を震わせ 一瞬 目を開けた匠と
上から見下ろす男との視線が合う



匠は男を見ながら わずかに首を振った・・・


” ・・・・見るな・・・・離せ・・・・ ”


そう訴える 匠の悲痛な声が聞えそうな眼差しに
男はフッ・・・と鼻で笑うと、匠の体を より強く押さえ込んだ

匠の瞳に失望と悲しみの色が浮かぶ・・



「どうした・・ タクミ・・・
 初めての男がいて、気が散るか・・・?
 まぁ、無理もない・・
 元は仲間の男に見られていては、恥ずかしくて当然だ・・
 ならば、、楽にしてやろうか・・ その理性も消える程に・・

 ・・先生・・ 何かクスリをお持ちでしょう・・?」


男とハルの両方を気にしながら、必死に体の反応を堪えようとする匠を見て
ハルが老人に声をかけた



「そうですなぁ・・・でしたら・・・・
 これなら、もう簡単に飲ませるだけで よろしいかと・・」
老人は ゴソゴソと鞄を探り
中から取り出した小瓶のフタを開け ハルに手渡す



「ええ・・それで結構・・・」
ハルはその瓶を受け取ると
今まで 自分の唇で塞いでいた匠の口の端から
無理矢理にその液体を注ぎ込み
吐き出さないように その口を手で覆った



「・・・・ンッ・・・ンッ・・・・・・・!!・・・・」


顔を振って抵抗はするが、息苦しく・・・
匠はそれを 仕方なくググッと喉の奥に流し込む・・



匠の喉が鳴ると
やっとハルは 口を塞ぐ手を離し、クスリといつもの様に笑った





ハァハァ・・

ハァハァ・・・


匠の呼吸が荒くなっていく





「勝手に・・・・・」

息苦しさと、徐々に体を襲い広がっていく熱さに抗う (あらがう) ように
匠の小さな声がした


「・・・ん・・?・・」
ハルが匠の口元へ顔を寄せる・・



「勝手にすればいい・・・
 この体が欲しいなら 好きにしろ・・・・・
 でも・・・・
 もう2度と心までは渡さない
 お前なんかには 絶対に・・・・・」

そう言って瞳を開く匠には 強い意志があった


その匠の目にハルは 眉をひそめる



「タクミ・・・・・・ お前・・・ 誰かに抱かれたな・・・?」




刻印 -183へ続く
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刻印 -181

「フン・・・ 審議会だからと 規約を守って丸腰か・・
 躾がいいのか・・・ 従順なのか・・・・・
 それとも、余程 腕に自信があるのか・・・・・
 ・・・・・・・なかなかいい体をしているしな・・・」

ハルは 男の上半身を一瞥 (いちべつ) すると
鍛え上げられた 分厚く固い胸板を、 トンと拳で叩いた


男の表情が 一瞬 困惑したようにハルを見る

「・・フンッ・・・安心しろ、私はもう少し しなやかな体が好みだ・・・・」
ハルは匠の横に座り、その胸に手を伸ばす・・



「私は、、 これはこれで、結構好きですがね・・・・・」
老人がボソボソと呟き、男の腹に手を添えた


・・!!・・
男はその湿った不快な感覚に顔を歪める


老人は その男の顔を下から見上げるように覗き込むと

「いつも ここへ使いで来る度に
 私の事を冷たくあしらってくれたよねえ・・・
 まさかアンタを こんな風に 裸に剝ける日が来るとは思わなかったよ・・・・」


老人の手が 男の割れた腹筋を何度も撫でまわす光景を
ハルは 匠の横で楽しそうに見ていた




「タクミも嬉しいだろう・・・? 今度は何人で犯して欲しい?」
「・・・・・・」

「ええ・・ また楽しいショーが見られますな・・・」

老人も上機嫌で、酒瓶のズラリと並んだキャビネットまで行き
慣れた手付きで扉を開けた


どれにしようかと、並んだ瓶の上で 老人の手が一通り迷う
中から 一番高級そうな、凝った装飾の施された瓶を取り出すと
嬉しそうに抱え・・・・・ ふと、テーブルの上にあるPC画面に目をやった





そこには 警察に先導され、ビルから非難していく人々の姿が映っていた

「こ・・これは・・・」

ハルがその老人の挙動に目を止める
「タクミを押さえていろ、私の一番大事なモノだ、 逃がすなよ」
男にそう言うと 老人の元へ歩み寄った




「これを・・・」
老人が 小さな声でハルにその画面を示す

「ほう・・・もう扉を開けたのか
 このビルに 使える人間は居ないと思っていたが
 こんな芸当ができるヤツもまだ居たか
 まぁいい・・ 低層階など、最初からオマケの様なモノだ
 
 堅固なのはその上・・ 下ほど楽にはいかないぞ・・・・
 さぁ、どうするつもりだ・・?
 これでこそ、ゲームも楽しくなると言うものだ・・・」




ハルは この状況を楽しむ余裕を見せて微笑むと
再び 匠のいる 奥の部屋へと戻っていく

途中で足を止めテーブルにあった 小さな果物ナイフを1本握って・・



その姿に老人も安心したのか
酒瓶を抱え直し、ハルの後を追う様について部屋に入る









匠は ハルが側を離れると 自分の頭の方から腕を押さ込む男に
顎を上げて顔を向け  「手を離せ・・・・・・」  そう言った


だが  「いいえ・・ 言い付けですので」
目の前に見える男の顔は 表情の一つも変える事はない


「どうして・・・
 お前だって こちら側の人間だったはずだ、何故 あんな男に付き従う・・・」



男は一瞬 答えるべきかどうか、迷った様子を見せた後・・
「・・・あちらでも、こちらでも・・・私は構わないのです
 私は所詮、秘書・・  主の手伝いをするだけの存在 
 主への賞賛が 私への褒美・・

 ならば、少しでも力のある主に付いた方が・・・ 
 そう思うのは 至極当然の事だと思いますが

 いくら私に能力があっても・・・
 無能な主の下で いつまでも 尻拭いばかりさせられるのは・・・
 
 今は 不遇だった私に巡って来た千載一遇のチャンス
 そうは思いませんか?  タクミ様・・・・」



「そんな呼び方をするな・・・・!
 それに、そんなのは言い訳だ・・・・・・・」



「主の大事な方ならば、そうお呼びするのが当然かと・・
 NO.1と称されるチームに これほど若くで召集され
 また それに敵対する組織のトップに愛され・・・
 ・・・エリートの道を行かれるあなたには 到底 理解出来ない事です」

男は匠の顔を睨む様に見つめると、腕を一層強く押さえ付ける


「ンッッ・・・・・・!!」
匠は信じられない思いで、目の前の男の顔を見上げていた




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刻印 -180

「やはり綺麗だな・・  タクミの体は・・・・」
ハルはベッドの横に座り、全裸にした匠の体を眺めていた



「ん? ・・・どうした? タクミ・・・ もう感じているのか?
 初対面の男に見られて 興奮したか・・・?」

腕を押さえ付けられた痛みに呻き 脚を動かし抵抗する匠を見て
ハルは笑うと・・・  匠の胸に触れ その先を指でもてあそぶ



「・・・・んっ・・っ・・・・ 触る・・・なっ・・・・」


「タクミ・・・・ もう忘れたのか?
 そんな口を聞いてもいいと言ったか?」
ハルが顔を近付ける


「このビルに居る全ての人間の運命が、タクミの出方一つで決まる・・
 明日 笑っているか、泣いているか・・・・ 
 それとも・・・ もうこの世にいないか・・・・ 
 全て タクミ次第だと言ったはずだ・・・」





「そういえば・・・ 」 
それを聞いていた老人が、ハルに視線を向ける

「あの馬鹿な男は 放っておいてよろしいのですか?」

「ん? ああ・・ あの委員長か・・
 構わん、どうせあそこからは簡単には出られはしない
 それは浅葱も同じ事だ・・・ 急ぐことは無い
 今は・・・・・ 」




浅葱さん・・・・ あの委員長の男も・・・
やはり みんな閉じ込められているのか・・・・

建物を制御したと言っていたが・・・
下は今、どうなっているのか・・・

匠は あの審議会場で見た四人の仲間の姿を思い出していた
まさか あの子供達まであんな風に閉じ込められているのでは・・・




「今は・・・タクミだ・・・ どれほど私がこの時を待っていたか・・・・」
ハルは匠をじっと見つめると、頬に両手を添え 覆うようにその唇を奪う

「・・!」
挿し込まれるハルの舌から逃れるように 体を捩りながらも
匠は強く目を閉じる



「大人しくする気になったようだな・・・」

ハルは 悔しそうに目を閉じた匠の体に手を伸ばす・・・
口を塞いだまま、その曝け出された匠のモノに 指先で触れた


「・・・・ンッッ・・・・!!」
ビクンと体を震わせ 匠の腰が上がる・・



匠の腕を押さえる秘書の男は 
この目の前で行われる光景に 言葉を失っていた



そんな男の姿をハルは冷たい視線でチラリと見る・・・


ふいに匠から指を離すと立ち上がり、男の後ろに回ると
背後から男の上着の中に手を突っ込み まさぐり始めた

「な・・・何を・・・・・・・」
驚いた男が慌てて振り返る





「私が ついさっき拾ったばかりのお前の事を
 100% 信用したと思うのか?」

ハルの手は男の上着の中・・・ 銃を探していた
 


「ここには、無い様だな・・・
 お前が 本当はどういう男なのか、私は知らない 
 そんな男の前で タクミを抱き 無防備な姿を曝すほど
 私は御人好しではないし、馬鹿でもない・・・
 
 お前が武器を持っていなければそれでいい
 服従の姿勢を見せるなら 尚更 良いが・・・・ 

 先生・・・手伝ってください・・・」



そう呼ばれ ベッド脇のソファで 興奮しきりに目を輝かせていた老人は
喜んで飛んでくる

「はい・・もちろんですとも・・・
 どんな事でも お手伝いいたします・・・・ククっ・・」



老人の手が男の上着を脱がせ、シャツのボタンを外す

「お・・・お待ちください・・・
 本当に武器など・・・・それに逆らうような事は・・・・・」
男は言いかけるが ハルも老人も手を止めることは無い



「しっかりタクミを押さえてろ・・ 手を離すなよ」
そう言われ 無抵抗のまま 男も上半身を裸にさせられる


「銃は・・・無いようですな・・」
老人が脱がせた服を探りながら言った




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刻印 -179

目の前に、あの男・・・ハルの顔がハッキリと見えていた
頬の傷・・・・ 女の様に線の細い美しい顔・・・ そして冷たい目・・・


その目を見るだけで、匠の心臓は暴れ出し 体に痛みが襲う気がした
馬乗りにされた体は身動きがとれず、左腕はもう感覚さえない



「タクミ・・・・ また一緒に遊ぼう・・・・・」
時に冷淡で 時に子供の様な振る舞いを見せるそのハルの顔が近付く

「・・・・・・」
黙ったまま顔を背ける匠に
「また黙ってしまうのか・・・・ 声を聞かせて欲しいのに・・・」
と、その唇で 匠の口を塞いだ



「・・ンッ・・・! ・・・・やめ・・・ろ・・・・っ・・・!」
匠は首を振り、ハルの血で赤く染まった唇をかたく閉じたまま
覆い被さって来ようとするハルの肩口を 右腕で押し退ける



「フッ・・・ 抵抗しても その体では無駄だ・・」
唇を離し、ハルは馬乗りになったまま 匠を見下ろすと
顎を押さえ、再び唇を近づける





・・・パンッ!!!

乾いた音が部屋に響く・・・
匠の右掌が ハルの頬を打っていた



ハルは目を閉じ、打たれた体制のまま横を向き 暫くじっとしていたが
・・・フゥ・・・ と溜息の様な息を吐く

そして 今度はフッと笑うと 首を傾げたまま目を開ける



「ふぅん・・・そういう事も覚えたのか・・・・・」
冷たい目が 一層深く匠を見つめていた
その冷酷な光に 匠の神経は凍りつく・・



次の瞬間、 今度はハルの右手が 匠の頬を打っていた
匠の 力の入りきらない右掌で打つのとは全く次元の違う
重く鈍い音が響く・・



「・・・ンッっ!!!」
匠の顔が大きく揺れ、乱れた髪が顔にかかる
嚙み締めていた唇が切れ、口端からは一筋の血が伝った



「それでこそ 私の玩具だ・・ イジメ甲斐がある・・・」

ハルは嬉しそうに匠の頭を撫でると
乱れた前髪に触れ その指に柔らかな髪を絡ませ微笑む
匠は首を振って その手を払い除けると、キッと睨み返した



そんな匠のわずかな抵抗さえ楽しむ様に ハルは匠の体に手を這わす

頬を撫で 指で耳を触り・・・顎から・・・口元へ
口端から流れた血を指で拭き取ると 首筋へ・・・・・


そして 細く絡みつく様な指は胸へと下りていく

胸にかかるタグに指があたると
「また掛けているのか・・・こんなもの・・・・」
そう言って 引き千切ろうとタグを握った


「やめろっ!! それに触るな!!」
匠の強い声がそれを制止する



「フン・・・・まぁいいだろう
 この龍はタクミ・・・・そして私の蛇はここだ・・・」

ハルが右袖を捲くると、そこには 匠の背中と同じ蛇のタトゥーがあった
「見えるか? タクミの背中の蛇だ・・
 この2つが揃ってこそ 私の刻印・・・・」




そして指は胸の傷に触れる

「もうここも塞がったのか・・・・・ 
 もう一度 同じ場所を切り裂いてやろうか・・?」
クスクスと笑う様に 自分の爪で疵痕を斬る真似をしながら
ツツ・・・と ゆっくり指を下げていく


途中、一番傷の深かった場所で グッと指を突き立てられる

「んっ!!!」
体を仰け反らせ痛みに耐える匠の反応を ハルは楽しむ様に見下ろしていた




「おい・・・・」
ハルはベッドから少し下がった場所で
黙って立っていた秘書の男に声を掛けた

「はい」
「お前、ここで代わりにタクミを押さえていろ」
「あ・・・はい・・・」

男は一瞬 戸惑う表情を見せた


「お前は男に興味はないか・・・・こういうのは・・ 初めてか?」
笑いながらハルは馬乗りにしていた匠の体から下りる

「・・はい・・」
「では覚えるものいいかもな・・・ ここで・・・」
「えっ・・・・・」

男は返事に詰まりながら 匠が倒れているベッドの側へ来ると
ハルに言われるまま、匠の両腕を押さえつけた



ハルは匠のベルトに手をかけ、その服を脱がし始める

「んっ・・! やめろ・・・離せ・・・・・・・・・・・・!!」




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プロフィール

凛

Author:凛
BL・MLを日々妄想してる腐女子

しかもかなりハード目が好きな壊れかけ

SM・拷問等の酷い描写が苦手な方は、ご遠慮ください

1作目 『刻印』
2作目 『華燭(かしょく)の城』 
完結しました。
ブログタイトル下のマップより全話読んで頂けます。
『刻印』の簡単な解説はこちら から


まだまだ初心者故、描写の至らない点
設定の矛盾は笑って見てください 

読みやすく・・と思っているので、長編小説ですが、各回短く、短文、1日1回UP予定です


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ツイッター @0storyRin
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